鼻水がタラタラ垂れるほどひどい鼻炎の対処方法|原因と薬の選び方を解説
監修:医師・薬剤師監修
水のような鼻水が止まらず、ティッシュを手放せない状態になっていませんか。
鼻をかんでもすぐに垂れてくる、仕事中に何度も鼻を拭かなければならない、寝ようとすると鼻水が喉へ流れるといった症状は、日常生活に大きな負担を与えます。
鼻水が大量に出る原因として多いのが、花粉やハウスダストによるアレルギー性鼻炎です。ただし、風邪、寒暖差、香水やタバコの煙などによって起こる非アレルギー性鼻炎が関係している場合もあります。
鼻水を早く抑えるには、まず原因を見分け、抗ヒスタミン薬、点鼻薬、鼻洗浄などを症状に合わせて使い分けることが大切です。
水のような鼻水が止まらない主な原因
透明でサラサラした鼻水が大量に出る場合は、主に次のような原因が考えられます。
アレルギー性鼻炎・花粉症
花粉、ダニ、ハウスダスト、動物の毛やフケなどが鼻の粘膜に付着すると、身体は異物を外へ出そうとしてヒスタミンなどの物質を放出します。
その結果、連続するくしゃみ、透明な鼻水、鼻づまり、鼻や目のかゆみが起こります。
外出した日に悪化する、掃除や布団の上げ下ろしで鼻水が増える、目もかゆくなる場合は、アレルギー性鼻炎の可能性があります。
風邪
風邪の初期にも、透明で水のような鼻水が出ることがあります。
アレルギー性鼻炎との違いは、喉の痛み、咳、発熱、だるさなどを伴いやすいことです。数日たつと、鼻水に粘りが出たり、色が変化したりする場合もあります。
花粉症は原因物質に触れている間は症状が続きますが、一般的な風邪は時間の経過とともに変化していきます。
寒暖差による鼻炎
暖かい室内から寒い屋外へ出たときや、冷房が効いた部屋へ入ったときに鼻水が出ることがあります。
一般に「寒暖差アレルギー」と呼ばれることがありますが、必ずしも花粉やダニに対するアレルギー反応ではありません。
温度差によって鼻の自律神経が乱れ、鼻の粘膜から水分が多く分泌されると考えられます。目のかゆみが少なく、気温の変化、冷たい空気、強いにおいなどで症状が出る点が特徴です。
刺激物による非アレルギー性鼻炎
タバコの煙、香水、洗剤、排気ガス、ほこり、香辛料などの刺激で、鼻水やくしゃみが出ることもあります。
特定の場所へ行くと鼻水が出るのに、アレルギー検査では原因が見つからない場合は、非アレルギー性鼻炎の可能性があります。
今すぐ鼻水を抑えたいときの対処方法
鼻水がタラタラ垂れるほどひどいときは、次の方法を組み合わせてみましょう。
鼻を強くかまず片方ずつ出す
鼻水が止まらないと、両方の鼻を押さえて一気に強くかみたくなります。
しかし、強くかみすぎると耳に圧力がかかり、耳の痛みや違和感につながることがあります。
片方の鼻を軽く押さえ、反対側から少しずつ出してください。鼻の下が赤くなる場合は、柔らかいティッシュを使い、拭いた後にワセリンなどで皮膚を保護すると刺激を減らせます。
生理食塩水で鼻を洗う
鼻洗浄は、鼻の中に付着した花粉、ほこり、余分な鼻水を洗い流す方法です。
市販の鼻洗浄液や生理食塩水を使用すると、真水よりも鼻の痛みを感じにくくなります。
水道水をそのまま鼻の奥へ入れるのは避け、鼻洗浄用として販売されている製品や、適切に調製された洗浄液を使用してください。
鼻洗浄後は強く鼻をかまず、残った液をゆっくり出します。
マスクで花粉や冷気を防ぐ
花粉やほこりが原因の場合は、マスクによって鼻へ入る量を減らせます。
寒い空気で鼻水が出る人にも、マスクは有効です。マスクの内側で吸い込む空気が温まり、鼻への急な刺激を軽減できます。
花粉の時期は、帰宅前に衣類や髪についた花粉を払い、室内へ持ち込まないようにしましょう。帰宅後の洗顔や着替えも対策になります。
部屋の乾燥と汚れを見直す
空気が乾燥すると鼻の粘膜が刺激を受けやすくなります。
加湿器などを使って適度な湿度を保ち、寝具やカーペットのほこりも定期的に掃除しましょう。
ただし、加湿しすぎるとダニやカビが増えやすくなります。加湿器の水を放置せず、タンクも定期的に洗浄してください。
鼻水がひどいときに使われる抗ヒスタミン薬
アレルギー性鼻炎による鼻水やくしゃみには、抗ヒスタミン薬がよく使われます。
ヒスタミンの働きを抑えることで、鼻水、くしゃみ、鼻や目のかゆみを軽減する薬です。
抗ヒスタミン薬には古いタイプと新しいタイプがあり、薬によって眠気の出やすさが異なります。
仕事、車の運転、機械操作などがある人は、眠気が比較的出にくい第二世代抗ヒスタミン薬が選ばれることがあります。
ただし、「眠気が出にくい」とされる薬でも、体質によって眠くなる場合があります。初めて服用するときは、服用後の体調を確認してください。
鼻水が中心のアレルギー性鼻炎では抗ヒスタミン薬が有力な選択肢ですが、風邪による鼻水や非アレルギー性鼻炎では期待したほど効かないこともあります。
鼻の炎症を抑えるステロイド点鼻薬
点鼻ステロイド薬は、鼻の粘膜に直接噴霧し、アレルギーによる炎症を抑える薬です。
フルチカゾンやモメタゾンなどの成分があり、鼻水、くしゃみ、鼻づまりの改善に使われます。
点鼻ステロイド薬は、噴霧してすぐに鼻水を完全に止める薬ではありません。毎日継続して使用することで、数日かけて鼻の炎症を落ち着かせます。
使用するときは、軽く鼻をかんでから容器を振り、顔を少し下に向けます。ノズルを鼻の中央ではなく、外側の壁へ向けて噴霧すると、鼻中隔への刺激を減らせます。
強く吸い込むと薬が喉へ流れやすいため、軽く息を吸う程度にしましょう。
血管収縮成分入り点鼻薬の連用に注意
市販の点鼻薬には、鼻の血管を収縮させて鼻づまりを素早く改善する成分が含まれているものがあります。
即効性を感じやすい一方で、長期間繰り返し使うと、薬が切れたときに鼻づまりが以前より強くなる場合があります。
これは薬剤性鼻炎と呼ばれる状態で、点鼻薬を使わなければ鼻が通らない悪循環に陥ることがあります。
血管収縮成分入りの点鼻薬は、説明書に記載された回数と使用期間を守り、長期連用しないでください。
何週間も点鼻薬を使い続けている場合は、耳鼻咽喉科へ相談しましょう。
鼻水と鼻づまりでは選ぶ薬が異なる
鼻炎の薬は、最もつらい症状に合わせて選ぶことが重要です。
透明な鼻水と連続するくしゃみが中心であれば、第二世代抗ヒスタミン薬が選択肢になります。
鼻水だけでなく鼻づまりも強い場合は、点鼻ステロイド薬やロイコトリエン受容体拮抗薬などが検討されます。
季節性の花粉症では、花粉が大量に飛び始めてから慌てて薬を使うより、症状が出始めた段階から治療を始めた方が、悪化を防ぎやすくなります。
鼻炎薬を個人輸入するメリットと注意点
国内の市販薬では眠気が気になる、必要な鼻炎薬を自宅から注文したい、海外で流通している商品を選びたいという人は、個人輸入代行サイトを利用することがあります。
個人輸入では、海外の第二世代抗ヒスタミン薬や点鼻ステロイド薬などを比較しながら選べる点がメリットです。通院する時間を取りにくい人でも、必要な薬を準備しやすくなります。
ただし、商品名が似ていても、有効成分や含有量が異なる場合があります。
購入前に成分名、1回量、使用回数、眠気の有無、併用禁忌を確認しましょう。高血圧、心臓病、緑内障、前立腺肥大、妊娠・授乳中などの場合は、使用できない成分が含まれていることがあります。
複数の鼻炎薬や総合感冒薬を併用すると、抗ヒスタミン成分などが重複する可能性があるため注意してください。
個人輸入を利用する場合も、製造元や成分表示が確認できる信頼性の高い代行サイトを選び、異常を感じたら使用を中止してください。
耳鼻咽喉科を受診した方がよい症状
透明な鼻水だけで、原因となる花粉やほこりを避けると改善する場合は、セルフケアや鼻炎薬で対応できることがあります。
一方で、次のような症状がある場合は、自己判断を続けず耳鼻咽喉科などへ相談しましょう。
- 鼻水が10日以上続いている
- 高い熱や強いだるさがある
- 黄色や緑色の鼻水と顔面痛がある
- 鼻血が何度も出る
- 片側からだけ鼻水が出続ける
- 息苦しさや喘鳴がある
- 市販薬を使っても生活に支障が出ている
- 頭を打った後から水のような鼻水が続く
特に、頭を打った後に片側の鼻から透明な液体が流れ続ける場合は、通常の鼻炎ではない可能性があります。早めに医療機関を受診してください。
まとめ|ひどい鼻水は原因に合った対処が必要
鼻水がタラタラ垂れるほどひどい場合は、花粉やハウスダストによるアレルギー性鼻炎、風邪、寒暖差、香りや煙による非アレルギー性鼻炎などが考えられます。
まずは鼻をやさしくかみ、生理食塩水による鼻洗浄、マスク、室内環境の調整などを行いましょう。
アレルギー性鼻炎による鼻水やくしゃみには抗ヒスタミン薬、鼻の炎症や鼻づまりには点鼻ステロイド薬が使われます。
鼻炎薬は種類によって得意な症状が異なるため、「一番つらいのが鼻水なのか、鼻づまりなのか」を確認して選ぶことが大切です。
症状が長引く場合や、発熱、顔の痛み、色のついた鼻水などがある場合は、別の病気が隠れていないか医療機関で確認しましょう。

