ED治療薬のオリジナルとジェネリックの違いって本当にないの?価格差や効果を解説
監修:医師・薬剤師監修
「ジェネリックは安いけれど、オリジナルより効き目が弱い?」
「同じシルデナフィル50mgなら、バイアグラと同じように使える?」
「価格が半分近く違うのは、品質を落としているから?」
ED治療薬には、最初に開発・販売されたオリジナルの先発医薬品と、特許期間の終了後に販売されるジェネリック医薬品があります。
代表的な組み合わせは、バイアグラとシルデナフィル、シアリスとタダラフィル、レビトラとバルデナフィルです。
結論から言うと、国内で承認されたジェネリック医薬品は、オリジナルと同じ有効成分を同じ量含み、治療上は同等の効果と安全性が期待できるよう審査されています。
そのため、「ジェネリックだから効き目が半分になる」「安いから成分が薄い」という考え方は基本的に正しくありません。
一方で、錠剤の形、大きさ、色、味、添加物、溶け方、包装、製造会社などは異なる場合があります。
また、ED治療薬は食事、飲酒、服用時間、性的刺激、緊張、体調などの影響を受けるため、同じ有効成分でも「こちらの方が効いた」と感じる人がいることも事実です。
有効成分と治療効果は同等でも、製剤の見た目や飲みやすさ、本人が感じる使用感まで完全に同じとは限りません。
この記事では、ED治療薬のオリジナルとジェネリックの共通点と違い、価格差が生じる理由、効果が違うように感じる原因、個人輸入を利用する際の注意点について解説します。
- オリジナルとジェネリックとは?
- 本当に効果に違いはない?
- オリジナルとジェネリックの共通点
- オリジナルとジェネリックで異なる部分
- 添加物が違うと効果も変わる?
- ジェネリックの方が効き始めるのが遅い?
- ジェネリックが安い理由
- ED治療薬は価格差が大きく見えやすい
- オリジナルを選ぶメリット
- ジェネリックを選ぶメリット
- 「オリジナルの方が効いた」と感じる理由
- 副作用にも違いはある?
- ジェネリックへ変更しても用量は同じ?
- ジェネリックなら複数錠飲んでも安い?
- オリジナルとジェネリックの選び方
- 個人輸入で海外ジェネリックを購入できる?
- 海外ジェネリックと偽造品は別物
- 硝酸薬との併用禁忌はジェネリックでも同じ
- すぐに対応した方がよい症状
- 実際によく聞かれる体験談
- まとめ
オリジナルとジェネリックとは?
オリジナルとは、新しい有効成分を研究・開発し、臨床試験を行ったうえで最初に承認された先発医薬品です。
ジェネリック医薬品は、先発医薬品の特許や再審査期間が終了した後に、別の製薬会社が同じ有効成分を使って製造・販売する医薬品です。
| 有効成分 | 代表的なオリジナル | 主なジェネリック表記 |
|---|---|---|
| シルデナフィル | バイアグラ | シルデナフィル錠 |
| タダラフィル | シアリス | タダラフィル錠 |
| バルデナフィル | レビトラ | バルデナフィル錠 |
| アバナフィル | ステンドラなど | アバナフィル錠 |
国内で正式に承認されるジェネリック医薬品は、先発医薬品と同一の有効成分を同一量含み、原則として同じ効能・効果、用法・用量で使用されます。
商品名が異なっていても、有効成分名と含有量が同じであれば、基本的には同じ種類のED治療薬です。
本当に効果に違いはない?
ジェネリック医薬品は、先発医薬品と治療上同等であることを確認するため、生物学的同等性試験などを行います。
生物学的同等性とは、同じ量を服用した際に、身体へ吸収される速さや量が、定められた範囲内で同等であることを示すものです。
つまり、国内で承認されたジェネリック医薬品は、オリジナルと比べて有効成分の吸収が大きく異ならないよう確認されています。
承認されたジェネリックであれば、同じ用量を正しく服用した時に、オリジナルと同等のED改善効果が期待できます。
ただし、同等とは「服用した全員が、毎回まったく同じ時刻に、同じ硬さの勃起を得られる」という意味ではありません。
ED治療薬の効果には、その日の体調や食事なども大きく影響します。
オリジナルとジェネリックの共通点
- 有効成分
- 有効成分の含有量
- 基本的な作用の仕組み
- 治療対象となる病気
- 基本的な用法・用量
- 主な副作用
- 併用できない薬
例えば、バイアグラ50mgと国内承認のシルデナフィル50mgは、どちらもシルデナフィルを有効成分として含みます。
陰茎海綿体に存在するPDE5という酵素を阻害し、性的刺激があった時の血流を補助する仕組みも同じです。
頭痛、顔のほてり、鼻づまり、動悸、視覚の変化などの副作用も、基本的には有効成分に由来するため共通します。
ジェネリックへ変更しても、硝酸薬との併用が禁止されることや、性的刺激が必要なことは変わりません。
オリジナルとジェネリックで異なる部分
| 比較項目 | オリジナル | ジェネリック |
|---|---|---|
| 有効成分 | 基準となる成分 | 原則として同じ |
| 含有量 | 規格ごとに決められている | 同じ規格では原則同じ |
| 治療効果 | 臨床試験で確認 | 生物学的同等性などで同等性を確認 |
| 添加物 | 製品固有 | 異なる場合がある |
| 形・色・大きさ | 製品固有 | 製造会社によって異なる |
| 味・飲みやすさ | オリジナルの設計 | 飲みやすく改良される場合がある |
| 包装 | ブランド名中心 | 成分名や会社名中心 |
| 価格 | 比較的高い | 比較的安い |
最も大きな違いは、価格、商品名、外観、添加物、製造会社です。
ジェネリックによっては、錠剤を小さくしたり、割りやすくしたり、口の中で溶けるフィルム状にしたりするなど、使いやすさが改良されている場合もあります。
添加物が違うと効果も変わる?
医薬品の錠剤には、有効成分だけでなく、形を保つための成分、崩れやすくする成分、着色料、コーティング剤などの添加物が使われています。
ジェネリックは、先発医薬品と添加物まで完全に同じである必要はありません。
そのため、製品によって次のような違いが生じることがあります。
- 錠剤が硬い・柔らかい
- 口に入れた時の味が違う
- 崩れる速さが違う
- 表面の滑りやすさが違う
- 色や形が違う
ただし、使用される添加物は、安全性を確認したうえで承認されています。
添加物が異なることだけを理由に、ジェネリックの効果が弱いとは判断できません。
一方、特定の添加物にアレルギーや過敏症がある人では、製品を変更した際に違和感が出る可能性があります。
ジェネリックの方が効き始めるのが遅い?
国内で承認されたジェネリックは、身体に吸収される速さや量が先発医薬品と同等の範囲内になるよう確認されています。
そのため、ジェネリックだから毎回大幅に効き始めが遅れるとは考えにくいものです。
シルデナフィルが効きにくかった場合は、製品の違いより、次の条件を確認する必要があります。
- 食事の直後に服用した
- 焼肉や揚げ物など高脂肪食を取った
- 大量に飲酒した
- 性的刺激が不足していた
- 服用から性行為までの時間が短かった
- 緊張やプレッシャーが強かった
- 用量が身体の状態に合っていなかった
特にシルデナフィルは、食事と一緒に服用すると、空腹時より効果が現れるまでに時間がかかることがあります。
オリジナルとジェネリックを比較する時は、服用時間、食事、飲酒などの条件をそろえなければ正確に判断できません。
ジェネリックが安い理由
ジェネリックが安い理由は、品質を落としているからではありません。
オリジナルの医薬品を開発するには、新しい候補成分の探索、動物試験、複数段階の臨床試験、安全性の確認、承認申請などに長い期間と大きな費用がかかります。
さらに、開発した候補のすべてが医薬品として承認されるわけではありません。
一方、ジェネリック医薬品は、すでに有効性と安全性が確認された有効成分を使用します。
新薬と同じ規模の臨床試験を最初から繰り返すのではなく、品質試験や生物学的同等性試験などによって同等性を確認します。
そのため、次の費用を抑えやすくなります。
- 新しい有効成分を発見する研究費
- 大規模な臨床試験費用
- 長期間の開発費
- 新薬発売時の広告・販売促進費
開発コストを抑えられる分、ジェネリックはオリジナルより安く販売できます。
ED治療薬は価格差が大きく見えやすい
ED治療は、多くの場合で健康保険が適用されない自由診療です。
不妊治療に関連する一定の条件を除き、薬代や診察料は医療機関ごとに異なります。
そのため、同じ成分・同じ含有量であっても、医療機関や購入方法によって価格差が大きく見えることがあります。
価格へ影響する主な要素は次の通りです。
- オリジナルかジェネリックか
- 有効成分と含有量
- 国内製か海外製か
- 製造会社
- 診察料や処方料
- 対面診療かオンライン診療か
- 配送費
- まとめて購入する錠数
薬そのものの価格だけでなく、診察料や送料を含めた総額で比較することが大切です。
オリジナルを選ぶメリット
- 長い使用実績がある
- ブランドへの安心感がある
- 錠剤の形や使用感に慣れている
- 製品を変更したくない人に向いている
- パッケージを識別しやすい
最初からバイアグラやシアリスを使用しており、効果と副作用が安定している人は、同じ製品を継続することで安心して使える場合があります。
また、「有名な製品を飲んだ」という安心感によって緊張が軽くなり、性行為へ集中しやすくなる人もいます。
EDには心理的な要因も関係するため、本人が安心して服用できることも無視できないポイントです。
ジェネリックを選ぶメリット
- 薬代を抑えやすい
- 長期的に継続しやすい
- 複数のメーカーから選べる
- 錠剤の大きさや剤形を選べる場合がある
- オリジナルと同じ有効成分を使用できる
ED治療薬は必要な時に繰り返し使用することがあるため、1錠ごとの価格差が長期的な負担へ影響します。
特に性行為の頻度が高い人や、低用量タダラフィルを継続的に使用する人では、ジェネリックの価格面が大きな利点になります。
効果と安全性が確認された承認ジェネリックを選べば、治療費を抑えながらED治療を続けやすくなります。
「オリジナルの方が効いた」と感じる理由
実際には同じ有効成分でも、オリジナルの方が効いたと感じる人がいます。
その原因には、次のようなものが考えられます。
服用条件が違った
オリジナルを空腹時に飲み、ジェネリックを食後に飲めば、シルデナフィルでは後者の作用開始が遅れる可能性があります。
飲酒量や体調が違った
飲酒、睡眠不足、疲労、ストレスなどは、性的刺激への反応や勃起機能へ影響します。
製品への安心感が違った
有名なブランドを使うことで「今日は大丈夫」と思えると、性行為への不安が軽くなる場合があります。
錠剤の飲みやすさが違った
味、形、大きさ、コーティングなどが異なると、飲んだ時の印象に違いが出ることがあります。
正規品ではなかった
インターネット上で入手した未承認品や偽造品では、有効成分や含有量が表示どおりでない可能性があります。
ジェネリックの効果を比較する場合は、国内承認品または信頼できる正規品であることを確認する必要があります。
副作用にも違いはある?
頭痛、顔のほてり、鼻づまり、消化不良、動悸、めまいなどの主な副作用は、有効成分の作用によるものです。
そのため、オリジナルとジェネリックでは、基本的に同じ種類の副作用が起こる可能性があります。
| 有効成分 | 主な副作用 |
|---|---|
| シルデナフィル | 頭痛、ほてり、鼻づまり、視覚の変化など |
| タダラフィル | 頭痛、ほてり、消化不良、背中や筋肉の痛みなど |
| バルデナフィル | 頭痛、ほてり、鼻づまり、動悸など |
| アバナフィル | 頭痛、ほてり、鼻づまりなど |
一方、添加物やコーティングが異なるため、特定の製品だけで胃の違和感やアレルギー症状が出る可能性はあります。
ジェネリックへ変更して明らかに違う症状が出た場合は、成分が同じだからと我慢せず、製品名とメーカーを記録して相談しましょう。
ジェネリックへ変更しても用量は同じ?
同じ有効成分で同じ規格へ変更する場合は、基本的に同じ用量として扱われます。
例えば、バイアグラ50mgからシルデナフィル50mgへ変更する場合、有効成分量は同じです。
ただし、商品名が似ていても、有効成分や規格が異なる場合があります。
シルデナフィル50mgとタダラフィル20mgは、数字だけを見るとシルデナフィルの方が多く見えますが、別の有効成分であるため単純比較はできません。
「何mgか」だけで判断せず、有効成分名と含有量をセットで確認してください。
ジェネリックなら複数錠飲んでも安い?
価格が安いからといって、効果を強くする目的で複数錠を服用してはいけません。
同じ有効成分を重ねて服用すると、頭痛、血圧低下、動悸、視覚異常、持続勃起症などのリスクが高まります。
また、シルデナフィルとタダラフィルなど、異なるED治療薬を同じ日に併用することも避ける必要があります。
ジェネリックは価格を抑えるための選択肢であり、用量を増やすための薬ではありません。
オリジナルとジェネリックの選び方
| 重視すること | 選び方の目安 |
|---|---|
| ブランドや長い使用実績 | オリジナルを検討 |
| 価格を抑えたい | 承認ジェネリックを検討 |
| 錠剤の大きさや味が苦手 | 複数メーカーの製剤を比較 |
| 以前の製品で効果が安定している | 同じ製品を継続する選択肢 |
| 以前の製品で副作用が気になる | 用量や成分を含めて相談 |
どちらが優れているかではなく、正規品であること、適切な成分と用量を選ぶこと、継続しやすい価格であることが重要です。
個人輸入で海外ジェネリックを購入できる?
海外製のシルデナフィル、タダラフィル、バルデナフィル、アバナフィルなどは、個人輸入代行サイトで取り扱われる場合があります。
個人輸入では、自宅から注文でき、国内では取り扱いの少ないメーカーや規格を比較できる点を便利に感じる人もいます。
また、国内の自由診療と比べて、1錠あたりの価格を抑えられる場合があります。
一方、海外ジェネリックがすべて日本の承認ジェネリックと同じ審査を受けているとは限りません。
個人輸入で確認したいポイントは次の通りです。
- 有効成分の一般名
- 1錠あたりの含有量
- 製造会社
- 製造国
- 使用期限
- 包装の状態
- 保管方法
- 販売元や流通経路
「ジェネリック」と表示されていても、承認国、製造元、品質管理、流通経路を確認できない製品には注意が必要です。
海外ジェネリックと偽造品は別物
正規の製薬会社が製造し、販売国の規制当局から承認を受けた海外ジェネリックと、成分や製造元を偽った偽造品は別物です。
偽造ED治療薬では、次のような問題が起こる可能性があります。
- 有効成分が入っていない
- 表示量より少ない
- 表示量より多い
- 別のED治療薬成分が入っている
- 複数の医薬品成分が混ざっている
- 不純物や衛生上の問題がある
外箱や錠剤がオリジナルに似ていても、見た目だけで正規品かどうかを判断するのは困難です。
価格が極端に安い、製造元が不明、連絡先がない、医薬品名や含有量の表記が不自然な販売先は避けましょう。
硝酸薬との併用禁忌はジェネリックでも同じ
狭心症などに使われるニトログリセリンや硝酸イソソルビドとED治療薬を併用すると、血圧が急激に低下する危険があります。
これはオリジナルでもジェネリックでも変わりません。
亜硝酸アミルなどを含む、いわゆるポッパーとの併用もできません。
また、リオシグアトなど、併用できない薬があります。
価格や製造会社が違っても、有効成分が同じであれば、禁忌や注意事項も基本的に同じです。
すぐに対応した方がよい症状
ED治療薬の服用後に次の症状がある場合は、オリジナルかジェネリックかにかかわらず、通常の副作用として放置しないでください。
- 胸の痛みや圧迫感
- 強い息苦しさ
- 失神または強いめまい
- 突然の視力低下
- 突然の聴力低下
- 顔や喉の腫れ
- 痛みを伴う勃起が4時間以上続く
4時間以上続く勃起は持続勃起症の可能性があり、陰茎組織を守るため早急な対応が必要です。
実際によく聞かれる体験談
35歳 男性
「最初はバイアグラを使っていましたが、費用が高いのが気になり、同じ50mgの国内ジェネリックへ変更しました。服用条件をそろえて使うと、効果に大きな違いは感じませんでした。」
46歳 男性
「ジェネリックの方が効き始めるのが遅いと思っていましたが、その日は焼肉を食べた直後に服用していました。空腹時に飲むと、以前と同じように効果を感じました。」
58歳 男性
「オリジナルの方が安心して使えるため、価格は高くても継続しています。成分の差というより、長く使い慣れていることが選んでいる理由です。」
※上記は個人の感想であり、効果や作用開始時間には個人差があります。
まとめ
国内で承認されたED治療薬のジェネリックは、オリジナルと同じ有効成分を同じ量含み、治療上同等の効果と安全性が期待できるよう審査されています。
ジェネリックが安いのは、品質が低いからではなく、新しい有効成分の研究や大規模な臨床試験にかかる開発費を抑えられるためです。
一方、オリジナルとジェネリックでは、添加物、錠剤の形や色、味、包装、製造会社などが異なる場合があります。
そのため、飲みやすさや本人が感じる使用感に違いが出る可能性はありますが、添加物が異なるだけで効果が弱いとは判断できません。
「オリジナルの方が効いた」「ジェネリックは遅かった」と感じた場合は、食事、飲酒、服用時間、体調、性的刺激などの条件も確認しましょう。
価格を重視するなら承認ジェネリック、ブランドへの安心感や使い慣れた製品を重視するならオリジナルが選択肢になります。
個人輸入では海外ジェネリックを比較できる一方、未承認品や偽造品が混在する可能性があります。
商品名や価格だけで選ばず、有効成分、含有量、製造元、流通経路を確認してください。
オリジナルでもジェネリックでも、硝酸薬との併用禁止や1日の上限量など、安全上の注意点は変わりません。

