ニキビ跡の赤みはいつ消える?色素沈着との違いを紹介
監修:医師・薬剤師監修
「ニキビは治ったのに赤い跡だけが残っている」「赤みが少しずつ茶色くなってきた」「このまま一生消えないのでは」と悩んでいませんか。
ニキビの後に残る色には、主に赤色やピンク色の跡と、茶色や黒っぽい跡があります。見た目は似ていますが、皮膚の中で起きている変化は異なります。
赤いニキビ跡は、炎症後紅斑と呼ばれる状態であることが多く、ニキビの炎症によって広がった毛細血管や皮膚の修復反応が関係しています。一方、茶色い跡は炎症後色素沈着で、炎症の刺激によって増えたメラニンが皮膚に残っている状態です。
赤みや色素沈着は、へこみや盛り上がりを伴う本当の瘢痕とは異なり、時間とともに薄くなる可能性があります。
この記事では、ニキビ跡の赤みが消えるまでの目安、色素沈着との見分け方、跡を悪化させないケア、治療薬や美容医療について分かりやすく解説します。
ニキビ跡の赤みとは?
赤ニキビや膿を持ったニキビが治った後、平らな赤色やピンク色の跡が残ることがあります。
これは、ニキビの炎症によって毛細血管が広がったり、新しい血管が増えたりして、皮膚の表面から赤く見えている状態です。
触っても盛り上がりやへこみがなく、痛みや膿がない場合は、炎症そのものは治まり、赤みだけが残っている可能性があります。
ただし、赤みの中心に痛み、熱感、硬いしこりがある場合は、まだニキビの炎症が続いていることがあります。
ニキビ跡の赤みはいつ消える?
赤みが消えるまでの期間には個人差があります。
軽い赤みであれば数週間から数か月で徐々に目立たなくなることがありますが、炎症が強かった場合や同じ場所にニキビを繰り返した場合は、半年から1年以上残ることもあります。
赤みが長引きやすい主な条件は次のとおりです。
- 赤く腫れたニキビを繰り返している
- ニキビを潰したり強く触ったりした
- 紫外線対策をしていない
- スクラブやピーリングを頻繁に使っている
- 肌が乾燥して刺激を受けやすい
- 新しいニキビが同じ場所にできている
赤みを早く消したい場合も、最優先すべきなのは新しいニキビを増やさないことです。
新しい炎症が続いている状態では、赤みを治療しても次の跡が増えてしまいます。
赤みと色素沈着の違い
ニキビ跡の赤みと色素沈着は、色と原因が異なります。
| 比較項目 | 赤み | 色素沈着 |
|---|---|---|
| 主な色 | 赤色、ピンク色、赤紫色 | 茶色、褐色、黒っぽい色 |
| 主な原因 | 炎症後の血管拡張や皮膚の修復反応 | 炎症によって増えたメラニン |
| 触った状態 | 多くは平ら | 多くは平ら |
| 悪化しやすい要因 | 繰り返す炎症、摩擦、刺激 | 紫外線、摩擦、繰り返す炎症 |
| 自然に薄くなる可能性 | ある | ある |
赤みと色素沈着が同じ場所に重なり、赤茶色に見えることもあります。
見た目だけでは判断しにくい場合は、皮膚科で確認してもらいましょう。
赤みとへこみのあるニキビ跡は別のもの
ニキビ跡には、色だけが残るものと、皮膚の形が変わるものがあります。
指で触ってへこんでいる、光が当たると凹凸が目立つ場合は、萎縮性瘢痕と呼ばれるニキビ跡の可能性があります。
反対に、硬く盛り上がった跡は、肥厚性瘢痕やケロイドの可能性があります。
NHS(英国国民保健サービス)では、炎症の強い結節や嚢胞が破れて周囲の皮膚を傷つけると、瘢痕が生じやすいとされています。また、ニキビを潰す行為も瘢痕の原因になります。
へこみや盛り上がりは、赤みや色素沈着のように自然に完全消失することが難しいため、早めの皮膚科相談が大切です。
ニキビ跡が茶色くなる理由
ニキビの炎症が起こると、肌を守るためにメラニンをつくる細胞が刺激されます。
炎症が治まった後もメラニンが皮膚へ残ると、茶色い色素沈着として見えるようになります。
日焼けするとメラニンがさらに増え、色素沈着が濃くなったり、薄くなるまでの期間が長くなったりする可能性があります。
赤みが消えてきた後に茶色っぽく見える場合は、炎症後紅斑から色素沈着へ変化したのではなく、もともと両方が重なっていた可能性もあります。
ニキビ跡の赤みを悪化させるNG行動
ニキビやかさぶたを触る
ニキビを潰す、かさぶたを剥がす、赤い部分を何度も触ると、炎症が長引きます。
爪や器具で中身を押し出すと、皮膚の深い部分まで傷つき、へこみや盛り上がりを伴う瘢痕が残る可能性があります。
洗顔を何度も行う
皮脂や汚れを落とそうとして、1日に何度も洗顔するのは逆効果です。
洗いすぎると肌が乾燥し、赤みや刺激が強くなることがあります。
NHS(英国国民保健サービス)では、ニキビがある部位の洗浄は1日2回を目安とし、刺激の少ない洗浄料とぬるま湯を使うよう案内しています。熱すぎる水や冷たすぎる水、ニキビを押し出す行為は、悪化や瘢痕につながる可能性があります。
スクラブで強くこする
赤みや色素沈着は、皮膚の表面を削ればすぐに消えるものではありません。
粒子の粗いスクラブや硬いタオルでこすると、肌への摩擦によって炎症が続き、赤みや色素沈着が悪化する場合があります。
複数のピーリング成分を重ねる
AHA、BHA、レチノール、ビタミンCなどを一度に重ねると、刺激、乾燥、皮むけが強くなる可能性があります。
赤みが強い状態では、成分を増やすよりも、刺激の少ない洗顔と保湿を優先しましょう。
紫外線対策は赤みにも色素沈着にも重要
紫外線を浴びると、色素沈着の原因となるメラニンが増えやすくなります。
また、日焼けによって肌が炎症を起こすと、ニキビ跡の赤みも目立ちやすくなることがあります。
外出時は、ノンコメドジェニックテスト済み、または毛穴を詰まらせにくいと表示された日焼け止めを選びましょう。
帽子や日傘も併用し、汗をかいた後は必要に応じて日焼け止めを塗り直します。
日焼け止めは今ある跡を直接消す薬ではありませんが、色素沈着を濃くしないために欠かせない対策です。
保湿で肌への刺激を減らす
ニキビ肌でも保湿は必要です。
肌が乾燥すると、洗顔料やニキビ治療薬による刺激を感じやすくなり、赤みや皮むけが強くなることがあります。
洗顔後は、香料やアルコールの刺激が少なく、ノンコメドジェニックテスト済みの保湿剤を薄く塗りましょう。
油分の多いクリームが必ず悪いわけではありませんが、使用後にニキビが増える場合は、ジェルや乳液など軽い使用感の製品へ変更します。
新しいニキビを治療することが優先
赤みや色素沈着だけを治したくても、赤ニキビや膿を持つニキビが続いている場合は、まず現在のニキビ治療が必要です。
日本皮膚科学会の「尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン2023」では、ニキビの状態に応じて、アダパレン、過酸化ベンゾイル、抗菌薬、配合外用薬などが推奨されています。
炎症を早く抑え、新しいニキビを予防することで、次の赤みや色素沈着、瘢痕が増えるのを防ぎやすくなります。
アダパレン
アダパレンは、毛穴の出口へ古い角質がたまるのを抑え、白ニキビや新しい炎症性ニキビを予防する外用薬です。
使用初期には、乾燥、赤み、皮むけ、ヒリヒリ感が出ることがあります。
赤いニキビ跡だけを直接消す薬ではありませんが、新しいニキビを予防することで、跡が増えるのを防ぐ役割があります。
レチノイド系の成分は、軽度のニキビや色むらに使用されることがありますが、刺激を避けるため低頻度から始めることが勧められています。
妊娠中や妊娠している可能性がある人は、アダパレンを使用できません。
過酸化ベンゾイル
過酸化ベンゾイルは、ニキビの原因に関わる菌を減らし、毛穴詰まりを改善する外用薬です。
白ニキビから赤ニキビまで使用されますが、乾燥、赤み、皮むけ、刺激感が出ることがあります。
衣類、タオル、枕カバー、髪などを脱色する可能性があるため、使用時は注意してください。
すでに炎症が治まった平らな赤みに大量に塗っても、早く消えるとは限りません。ニキビがある範囲へ、指示された量を使用しましょう。
色素沈着に使われる成分
茶色い色素沈着には、肌の状態に応じてアゼライン酸、ビタミンC、レチノイド、ハイドロキノンなどが検討されることがあります。
ただし、製品によって成分濃度や刺激性が異なります。
複数の美白成分やピーリング剤を同時に使用すると、かぶれや炎症によって、かえって色素沈着が濃くなる可能性があります。
高濃度の成分を最初から広範囲へ使用せず、少ない頻度から肌の反応を確認してください。
赤みに使われるレーザーや光治療
長期間残る赤みには、血管へ反応するレーザーや光治療が検討されることがあります。
パルス色素レーザーなどは、ニキビ後に残る赤い跡を薄くする目的で使われることがあります。NHS(英国国民保健サービス)の関連施設でも、パルス色素レーザーがニキビ後の赤い跡を薄くする可能性があるとされています。
ただし、1回で完全に消えるとは限らず、複数回の治療が必要になる場合があります。
照射後の赤み、腫れ、内出血、色素沈着などが起こる可能性もあるため、治療経験のある医師へ相談しましょう。
赤みと色素沈着の治療方法を比較
| 状態 | 主な対策・治療 | 注意点 |
|---|---|---|
| 平らな赤み | 新しいニキビの治療、低刺激の保湿、紫外線対策、レーザー・光治療 | 強い摩擦やピーリングで悪化することがある |
| 茶色い色素沈着 | 紫外線対策、アゼライン酸、ビタミンC、レチノイドなど | 刺激性皮膚炎による悪化に注意 |
| へこんだ跡 | フラクショナルレーザー、マイクロニードル、サブシジョンなど | 自然消失しにくく、医療機関での治療が中心 |
| 盛り上がった跡 | 外用・注射・レーザーなどを症状に応じて検討 | 自己判断で削ったり潰したりしない |
ニキビ跡の治療薬を個人輸入する場合
国内では入手しにくい濃度のアダパレン、アゼライン酸、ハイドロキノンなどを探すため、個人輸入代行サイトを利用する人もいます。
個人輸入では、海外で流通している外用薬を比較し、自宅から注文できる点がメリットです。
一方で、ニキビ跡の赤みと色素沈着では適した成分が異なります。赤みに対して強い美白剤やピーリング剤を使うと、刺激によって赤みが長引く可能性があります。
高濃度のハイドロキノンやレチノイドでは、強い乾燥、かぶれ、腫れ、皮むけなどが起こる場合があります。
個人輸入を利用する場合は、有効成分、濃度、使用部位、使用頻度、禁忌を確認し、複数の刺激性成分を一度に開始しないでください。
強い赤み、腫れ、水ぶくれ、痛みが現れた場合は使用を中止し、皮膚科へ相談しましょう。
皮膚科へ相談した方がよい目安
次のような状態がある場合は、自己流のスキンケアだけで様子を見ず、皮膚科へ相談してください。
- 赤みが半年以上ほとんど変わらない
- 赤みが次第に強くなっている
- 痛みや熱感、膿がある
- 新しいニキビを繰り返している
- 茶色や黒い跡が広がっている
- へこみや盛り上がりがある
- 市販品で強いかぶれが出た
- ニキビ跡が精神的な負担になっている
赤みだと思っていた症状が、酒さ、湿疹、接触皮膚炎など別の皮膚疾患である可能性もあります。
まとめ|赤みと色素沈着を見分けて刺激の少ないケアを続けよう
ニキビ跡の赤みは、炎症後の血管拡張や皮膚の修復反応によって起こります。
軽い赤みは数週間から数か月で薄くなる場合がありますが、炎症が強かった場合やニキビを繰り返している場合は、半年から1年以上残ることもあります。
赤色やピンク色の平らな跡は炎症後紅斑、茶色や黒っぽい平らな跡は炎症後色素沈着である可能性があります。
どちらも、ニキビを触らない、洗いすぎない、保湿をする、紫外線を防ぐ、新しいニキビを治療することが基本です。
へこみや盛り上がりを伴う跡は自然に消えにくいため、早めに皮膚科へ相談しましょう。
ニキビ跡を早く消そうとして肌をこすったり、複数の強い成分を重ねたりせず、赤みと色素沈着の違いに合った方法を選ぶことが大切です。

