勃起はするけど硬さが足りないのはED?挿入できない原因を解説
医師・薬剤師監修
「勃起はするけれど、挿入できるほど硬くならない」「途中までは勃つのに、いざ挿入しようとすると柔らかくなる」と悩む男性は少なくありません。
結論からいうと、勃起そのものは起こっていても、性行為に十分な硬さを得られない、または維持できない状態はED(勃起不全)に含まれる可能性があります。
EDは「まったく勃起しない状態」だけではありません。NIDDK(米国国立糖尿病・消化器・腎疾病研究所)でも、勃起はできても性行為に十分な時間維持できない状態などをEDの症状として挙げています。
硬さ不足には血流、緊張、飲酒、生活習慣、持病など複数の原因が関係するため、症状が続く場合は原因を分けて考えることが重要です。
- 勃起するのに硬くない状態もED?
- 「硬さ不足」とはどんな状態?
- 挿入しようとすると萎えるのはなぜ?
- 一人では勃起できるのにパートナーとはできない場合は?
- 朝立ちがあるならEDではない?
- 血流が悪いと硬さが落ちる?
- 糖尿病があると硬くなりにくい?
- 年齢とともに硬さは落ちる?
- お酒を飲むと硬さが足りなくなる?
- 喫煙も硬さに関係する?
- 睡眠不足でも勃起力は落ちる?
- 運動不足や肥満も関係する?
- 男性ホルモンが低いと硬さが落ちる?
- 薬の副作用でEDになることもある?
- コンドームを付けると萎える場合は?
- 挿入できなくても前戯では硬い場合は?
- ED治療薬は硬さ不足にも効く?
- ED治療薬を飲めば勝手に勃起する?
- 薬を飲んでも硬くならない場合は?
- 心因性EDでも治療薬を使うことはある?
- 硬さを自分で確認する方法は?
- 何回失敗したらED?
- 若くてもEDになる?
- EDは病気のサインになることもある?
- 病院ではどんなことを調べる?
- こんな場合は早めに相談を
- まとめ
勃起するのに硬くない状態もED?
はい。EDは「勃起できるか・できないか」の二択ではありません。
勃起はするものの陰茎が十分硬くならない、途中で柔らかくなる、挿入前に萎えてしまうなどもEDでみられる症状です。
性行為に十分な硬さを得られない、またはその硬さを維持できない状態が繰り返されるなら、EDを疑うひとつの目安になります。
「硬さ不足」とはどんな状態?
勃起時の陰茎には血液が流れ込み、その血液が海綿体内に保たれることで硬さが生まれます。
血液の流入が十分でなかったり、流れ込んだ血液を保持できなかったりすると、勃起はしても十分な硬さにならないことがあります。
「少し大きくなるが柔らかい」「手で支えないと挿入しづらい」という場合も、勃起機能の低下が関係している可能性があります。
挿入しようとすると萎えるのはなぜ?
よくある原因のひとつが、緊張やプレッシャーです。
「今回は失敗できない」「また萎えたらどうしよう」と考えると交感神経が優位になり、勃起に必要なリラックス状態が崩れやすくなります。
前戯では勃起できるのに、挿入直前だけ硬さが落ちる場合は、心因性EDの要素が関係していることがあります。
一人では勃起できるのにパートナーとはできない場合は?
自慰では十分な硬さがあるのに、パートナーとの性行為になると硬くならない場合は、心理的要因を考えやすくなります。
過去の失敗経験、妊娠への不安、パートナーを満足させなければというプレッシャー、関係性のストレスなどが影響することがあります。
ただし、一人で勃起できるから身体的なEDを完全に否定できるわけではありません。
朝立ちがあるならEDではない?
朝立ちや睡眠中の勃起が保たれている場合、神経や血管の機能がある程度保たれている可能性を考える材料になります。
医療機関でも、必要に応じて夜間勃起の状態を調べる検査が行われることがあります。
ただし、朝立ちがあるからEDではないとは言い切れません。
血流が悪いと硬さが落ちる?
勃起の硬さには陰茎へ十分な血液が流れ込むことが必要です。
動脈硬化、高血圧、糖尿病、肥満などによって血管機能が低下すると、陰茎への血流が不足しやすくなります。
NIDDK(米国国立糖尿病・消化器・腎疾病研究所)でも、心血管疾患、糖尿病、高血圧などはEDの原因になり得るとされています。
以前より少しずつ硬さが落ちてきた場合は、血管系の影響も考える必要があります。
糖尿病があると硬くなりにくい?
糖尿病では、血管だけでなく勃起に関係する神経にも影響が出ることがあります。
そのため、性的刺激は感じていても十分な硬さまで勃起しにくくなることがあります。
EDが糖尿病など生活習慣病に気づくきっかけになる場合もあります。
年齢とともに硬さは落ちる?
加齢によって血管機能や男性ホルモンなどが変化し、勃起に時間がかかったり硬さが低下したりすることはあります。
ただし、EDを単なる老化現象として放置する必要はありません。NIDDKでもEDは加齢に伴う当然の現象ではないとしています。
年齢にかかわらず、困っている場合は治療を検討できます。
お酒を飲むと硬さが足りなくなる?
少量の飲酒では緊張がほぐれることがありますが、飲みすぎると中枢神経の働きが抑えられ、性的刺激への反応が低下します。
その結果、性欲はあるのに勃起が十分硬くならないことがあります。
「飲んだ日のほうが挿入できない」という場合は、まず飲酒量を減らして変化を確認してみましょう。
喫煙も硬さに関係する?
喫煙は血管へ負担をかけ、動脈硬化のリスクを高めます。
陰茎の血管は細いため、血管機能の低下が勃起力へ現れることがあります。
禁煙はEDだけでなく、心血管系全体の健康を考えるうえでも重要です。
睡眠不足でも勃起力は落ちる?
睡眠不足や慢性的な疲労が続くと、性欲や性的刺激への反応が低下することがあります。
さらにストレスが強いと、勃起を妨げる心理的要因も重なります。
仕事が忙しい時期だけ硬さが落ちる場合は、睡眠や疲労、ストレスとの関係も確認しましょう。
運動不足や肥満も関係する?
関係する可能性があります。
肥満、運動不足、高血圧、糖尿病などは血管機能と密接に関係します。
NIDDKでは、身体活動を増やす、健康的な体重を維持する、飲酒を控える、禁煙するなどの生活改善がED対策として挙げられています。
男性ホルモンが低いと硬さが落ちる?
テストステロンが低下すると、性欲低下などとともにEDへ影響することがあります。
ただし、EDの原因がすべて男性ホルモン不足というわけではありません。
性欲そのものが落ちた、疲れやすいなどの症状もある場合は、必要に応じてホルモン検査を行うことがあります。
薬の副作用でEDになることもある?
あります。
一部の降圧薬、抗うつ薬、利尿薬などではEDが起こることがあります。
新しい薬を飲み始めてから硬さが落ちた場合でも、自己判断で薬を中止せず医師・薬剤師へ相談してください。
コンドームを付けると萎える場合は?
コンドームを装着する間に刺激が途切れたり、「早く付けなければ」と焦ったりすることで勃起が弱くなる人もいます。
サイズが合っていないコンドームが刺激や圧迫感を生み、性行為へ集中できない場合もあります。
装着に慣れることや、自分に合ったサイズを選ぶことも対策のひとつです。
挿入できなくても前戯では硬い場合は?
前戯では十分な勃起がある場合、挿入へのプレッシャーが症状を強くしている可能性があります。
「挿入できる硬さを維持しなければ」と意識するほど、かえって勃起が弱くなることがあります。
一度の失敗をきっかけに、次回から同じことを心配して繰り返すケースも珍しくありません。
ED治療薬は硬さ不足にも効く?
シルデナフィル、タダラフィル、バルデナフィル、アバナフィルなどのPDE5阻害薬は、性的刺激が起きた際に陰茎への血流を増やし、勃起を得たり維持したりしやすくする薬です。
「勃起はするが硬さが足りない」というタイプでも、ED治療薬が選択肢になることがあります。
ED治療薬を飲めば勝手に勃起する?
いいえ。
PDE5阻害薬は性的刺激によって起こる勃起反応をサポートする薬であり、飲んだだけで自動的に勃起する薬ではありません。
焦らず十分な性的刺激を得ることも重要です。
薬を飲んでも硬くならない場合は?
服用タイミングや食事、飲酒などによって十分な効果が出ないことがあります。
また、重度の血管障害や神経障害などがある場合は、内服薬だけでは十分改善しないケースもあります。
1回効かなかっただけで「薬が効かない体質」と判断したり、自己判断で量を増やしたりしないようにしましょう。
心因性EDでも治療薬を使うことはある?
あります。
一度しっかり勃起して性行為が成功すると、「次も失敗するかもしれない」という不安が軽減されることがあります。
心理的な要因が強い場合には、カウンセリングなどを組み合わせることもあります。
硬さを自分で確認する方法は?
「挿入できる程度まで硬くなるか」「途中で硬さが落ちないか」「自慰と性行為で差があるか」などを振り返ってみましょう。
症状が出た状況、飲酒、睡眠、ストレスなどを記録すると原因を整理しやすくなります。
毎回ではなく特定の状況だけで起こるのかも重要な情報です。
何回失敗したらED?
一度挿入できなかっただけでEDと決める必要はありません。
疲労や緊張、飲酒などによって一時的に勃起が弱くなることは誰にでもあります。
同じ状態が繰り返される、数か月続く、性行為への不安が強くなっている場合は一度相談するとよいでしょう。
若くてもEDになる?
なります。
若い年代では心理的要因が目立つ場合がありますが、肥満、糖尿病、薬剤、喫煙など身体的な要因が関係することもあります。
「若いからEDではない」と決めつける必要はありません。
EDは病気のサインになることもある?
あります。
EDは陰茎だけの問題ではなく、血管や神経、ホルモンなど全身の状態と関係しています。
NIDDKでも、EDが別の健康問題の症状として現れる場合があるとされています。
特に高血圧・糖尿病・脂質異常症などがある人では、勃起力の変化を放置しないことが大切です。
病院ではどんなことを調べる?
医療機関では、勃起の状況、性欲、射精、持病、服用薬、ストレスなどを確認します。
必要に応じて血液検査や血流の検査などが行われます。
硬さの悩みだけでも、泌尿器科やEDを扱う医療機関へ相談して構いません。
こんな場合は早めに相談を
硬さ不足が何度も続く、朝立ちも明らかに減った、性欲自体が低下した場合は一度相談するとよいでしょう。
また、陰茎が急に曲がってきた、勃起時に痛みがある場合は、ペロニー病など別の病気が関係している可能性があります。
症状が急に変化した場合は、「年齢や疲れのせい」と決めつけないようにしましょう。
まとめ
勃起はするものの挿入できるほど硬くならない、または途中で柔らかくなってしまう状態もEDに含まれる可能性があります。
原因には、陰茎への血流不足、高血圧や糖尿病などの生活習慣病、飲酒、喫煙、薬の副作用、男性ホルモン、緊張やプレッシャーなどがあります。
一人では十分勃起できるのにパートナーとの性行為だけで硬さが落ちる場合は心理的要因が関係している可能性がありますが、身体的原因と心理的原因が重なっていることもあります。
一度だけの失敗でEDと判断する必要はありません。しかし、硬さ不足が繰り返される、挿入できない状態が続く、性行為そのものが不安になっている場合は、ED治療を検討するタイミングです。
ED治療薬によって改善できるケースもあるため、自己判断で悩み続けず、医師・薬剤師や泌尿器科などへ相談しましょう。

