性感染症は症状がなくても検査した方がいい?無症状感染が多い理由
医師・薬剤師監修
「痛みもかゆみもないのに性感染症の検査は必要?」「相手に症状がなければ大丈夫?」と考える方は少なくありません。
結論からいうと、性感染症は症状がほとんど出ないまま感染していることがあるため、感染リスクのある性行為があった場合は、症状がなくても検査を検討する価値があります。
クラミジアや淋菌感染症などは、特に女性で無症状のことがあり、気づかないまま感染が続くケースがあります。
「症状がない=感染していない」とは限りません。
- 性感染症とは?
- なぜ性感染症は無症状が多い?
- クラミジアは特に無症状が多い?
- 男性も無症状のことはある?
- 淋菌感染症も症状がないことがある?
- 喉にも性感染症はうつる?
- 直腸感染も無症状が多い?
- 梅毒も症状が消えることがある?
- HIVも症状だけでは分からない?
- 症状がなくても検査した方がいいのはどんなとき?
- コンドームを使っていれば絶対安心?
- パートナーが「検査で陰性」なら大丈夫?
- 感染した翌日に検査しても分かる?
- クラミジア・淋菌はどうやって検査する?
- 梅毒・HIVは血液検査?
- 自宅の検査キットでも大丈夫?
- 性感染症は放置すると自然に治る?
- 女性では不妊につながることもある?
- 男性にも合併症はある?
- パートナーも一緒に治療する必要がある?
- 治療後すぐ性行為をしてもいい?
- 一度治ればもうかからない?
- 性感染症の検査は恥ずかしくない?
- どこで検査できる?
- こんな症状がある場合は早めに受診を
- まとめ
性感染症とは?
性感染症(STI)は、主に性的接触によって感染する病気の総称です。
代表的なものには、クラミジア感染症、淋菌感染症、梅毒、性器ヘルペス、尖圭コンジローマ、HIV感染症などがあります。
性器同士の接触だけでなく、オーラルセックスや肛門性交などでも感染することがあります。
なぜ性感染症は無症状が多い?
感染しても、病原体がすぐに強い炎症を起こすとは限らないからです。
また、軽い違和感や少量のおりもの増加など、症状があっても本人が気づきにくい場合があります。
感染しているのに日常生活にほとんど支障がないため、検査を受けるまで気づかないケースがあります。
クラミジアは特に無症状が多い?
クラミジア感染症は、無症状感染が多い代表的な性感染症です。
特に女性では、感染していても自覚症状がほとんどないことがあります。
症状が出る場合は、おりものの変化、不正出血、下腹部痛、排尿時の違和感などがみられることがあります。
症状がなくても放置すると、骨盤内炎症性疾患や不妊につながる可能性があります。
男性も無症状のことはある?
あります。
クラミジアや淋菌感染症では、男性でも症状が軽かったり、ほとんど出なかったりするケースがあります。
尿道からの分泌物や排尿痛がないからといって、感染していないとは限りません。
パートナーが陽性だった場合は、自分に症状がなくても検査を受けることが重要です。
淋菌感染症も症状がないことがある?
あります。
女性では無症状のことも多く、男性でも部位によっては症状が目立たないことがあります。
特に咽頭や直腸に感染した場合、違和感がほとんどないケースがあります。
オーラルセックスによる咽頭感染では、喉が痛くなくても感染していることがあります。
喉にも性感染症はうつる?
うつることがあります。
クラミジアや淋菌は、オーラルセックスによって咽頭へ感染することがあります。
咽頭感染では症状が出にくく、風邪との区別も難しいです。
性器の検査だけでは咽頭感染を見逃すことがあるため、性行為の内容に応じて検査部位を選ぶ必要があります。
直腸感染も無症状が多い?
あります。
肛門性交などでクラミジアや淋菌が直腸へ感染することがあります。
症状が出る場合は、肛門周囲の痛み、分泌物、出血などがみられますが、まったく症状がないケースもあります。
感染リスクのある部位を考えて検査することが重要です。
梅毒も症状が消えることがある?
あります。
梅毒では、感染初期にしこりや潰瘍などが出ても、治療しなくても一時的に消えることがあります。
そのため、「自然に治った」と誤解してしまう人もいます。
症状が消えても感染がなくなったとは限らず、体内で感染が進行することがあります。
HIVも症状だけでは分からない?
分かりません。
HIV感染初期には発熱、喉の痛み、リンパ節の腫れなど風邪に似た症状が出る人もいますが、無症状の人もいます。
その後、長期間症状がほとんどない時期が続くことがあります。
HIV感染の有無は症状だけでは判断できないため、検査が必要です。
症状がなくても検査した方がいいのはどんなとき?
新しいパートナーと性行為をした、コンドームを使わなかった、コンドームが途中で外れた・破れた、相手の感染状況が分からない場合などは検査を考えるタイミングです。
また、パートナーが性感染症と診断された場合は、自分に症状がなくても検査が重要です。
複数のパートナーがいる場合や、性感染症の既往がある場合も定期的な検査を検討します。
コンドームを使っていれば絶対安心?
コンドームは多くの性感染症の感染リスクを下げる有効な方法です。
ただし、使用開始が遅かった、途中で外れた、破損した場合は十分な予防効果が得られないことがあります。
また、性器ヘルペスや尖圭コンジローマなど、コンドームで覆われていない皮膚同士の接触で感染するものもあります。
コンドームは重要な予防法ですが、感染リスクを完全にゼロにするものではありません。
パートナーが「検査で陰性」なら大丈夫?
検査時期によっては注意が必要です。
感染してから検査で陽性になるまでには一定の期間が必要な性感染症があります。
感染直後に検査すると、感染していても陰性となる可能性があります。
いつ検査したか、最後にリスクのある性行為がいつだったかを確認することが大切です。
感染した翌日に検査しても分かる?
性感染症の種類によっては、感染直後では正確に判定できないことがあります。
検査には「適切なタイミング」があり、病原体や抗体が検出できるまで時間が必要です。
不安だからとすぐ検査して陰性でも、時期が早すぎれば再検査が必要になることがあります。
クラミジア・淋菌はどうやって検査する?
男性では尿検査、女性では膣分泌物などを使った検査が行われます。
咽頭感染が疑われる場合は喉、直腸感染が疑われる場合は直腸から検体を採取することがあります。
性行為の内容によって適切な検査部位が異なるため、医療機関へ正確に伝えることが重要です。
梅毒・HIVは血液検査?
一般的には血液検査で調べます。
梅毒では抗体検査などを組み合わせて判断し、HIVでも抗原・抗体検査などが行われます。
どちらも感染時期によって検査精度が変わるため、適切な検査時期を確認しましょう。
自宅の検査キットでも大丈夫?
自宅で採取して郵送する検査サービスもあります。
医療機関へ行きにくい人にとって便利ですが、陽性だった場合は医療機関で診断や治療を受ける必要があります。
検査キットを使う場合も、検査対象の性感染症や検査時期、採取方法を確認することが大切です。
性感染症は放置すると自然に治る?
自然に症状が軽くなることはありますが、感染そのものがなくなったとは限りません。
クラミジアや淋菌などでは、症状がなくなっても病原体が残っている可能性があります。
症状が消えたから治ったと判断せず、適切な検査と治療を受けましょう。
女性では不妊につながることもある?
あります。
クラミジアや淋菌感染症を放置すると、感染が子宮や卵管へ広がり、骨盤内炎症性疾患を起こすことがあります。
卵管に炎症や癒着が起こると、不妊や子宮外妊娠のリスクにつながる可能性があります。
無症状だからこそ、感染に気づかず長期間放置されることが問題になります。
男性にも合併症はある?
あります。
クラミジアや淋菌では、精巣上体炎などを起こすことがあります。
陰嚢の痛みや腫れなどがみられることがあります。
症状が強くなる前に感染を発見し、治療することが大切です。
パートナーも一緒に治療する必要がある?
性感染症が確認された場合は、パートナーの検査や治療も重要です。
自分だけ治療しても、感染しているパートナーとの性行為によって再感染する可能性があります。
いわゆる「ピンポン感染」を防ぐためにも、パートナーと一緒に対応することが大切です。
治療後すぐ性行為をしてもいい?
性感染症の種類や治療内容によって異なります。
治療が完了し、必要に応じて治癒確認を行うまで性行為を控えるよう指示されることがあります。
症状がなくなったからすぐ再開するのではなく、医師の指示に従いましょう。
一度治ればもうかからない?
多くの性感染症では、治療後でも再感染する可能性があります。
クラミジアや淋菌は、治療したから免疫がついて一生感染しないというものではありません。
新たな感染を防ぐため、コンドームの適切な使用や必要に応じた検査を続けることが重要です。
性感染症の検査は恥ずかしくない?
性感染症は特別な人だけが感染する病気ではありません。
性的接触があれば、誰でも感染する可能性があります。
検査を受けることは、本人とパートナー双方の健康を守るための一般的な健康管理です。
どこで検査できる?
泌尿器科、婦人科、性感染症内科などで相談できます。
自治体や保健所などで、一部の性感染症について匿名・無料検査を実施している場合もあります。
検査できる項目や予約方法は施設によって異なるため、事前に確認するとよいでしょう。
こんな症状がある場合は早めに受診を
排尿時の強い痛み、性器から膿のような分泌物が出る、下腹部の強い痛み、発熱、陰嚢の強い痛みや腫れ、性器の潰瘍などがある場合は早めに受診しましょう。
妊娠中または妊娠の可能性がある場合も、性感染症が疑われれば早めの相談が重要です。
症状が強い場合は、検査結果を待って自己判断するのではなく医療機関で評価を受けましょう。
まとめ
性感染症は、感染していても症状がほとんど出ないことがあるため、「症状がない=感染していない」とは判断できません。
特にクラミジア、淋菌の咽頭感染、HIVなどでは無症状の期間があり、本人が気づかないままパートナーへ感染させる可能性があります。
新しいパートナーとの性行為、コンドームを使用しなかった性行為、パートナーの感染が判明した場合などは、症状がなくても検査を検討しましょう。
また、性感染症ごとに検査できる時期や検査部位が異なるため、最後にリスクのある性行為があった時期と内容を医療機関へ伝えることが重要です。
無症状感染を早期に発見することは、本人の合併症を防ぐだけでなく、パートナーへの感染拡大を防ぐことにもつながります。

