まつ毛育毛剤って本当に効果あるの?伸びる仕組みと注意点を解説
医師・薬剤師監修
「まつ毛育毛剤を使えば本当に長くなる?」「美容液と何が違うの?」と気になる方は多いでしょう。
結論からいうと、医薬品として承認された有効成分を含むまつ毛育毛剤には、まつ毛を長く・太く・濃くする効果が期待できます。一方で、ドラッグストアや通販で販売されている一般的な「まつ毛美容液」は、まつ毛そのものを発毛させる医薬品とは役割が異なります。
つまり、「まつ毛育毛剤」という言葉でも中身は同じではありません。実際の効果を考えるには、医薬品なのか、化粧品・美容液なのかを分けて考えることが重要です。
まつ毛はどうやって伸びる?
まつ毛にも頭髪と同じように毛周期があります。
毛周期は、毛が成長する「成長期」、成長が止まる「退行期」、抜け落ちる準備をする「休止期」などに分かれます。
まつ毛は頭髪より成長期が短いため、髪の毛のように何十センチも伸び続けることはありません。
まつ毛育毛剤は、この毛周期のうち成長期に働きかけることで、まつ毛を長く・太く・濃く見せる方向へ作用します。
医薬品のまつ毛育毛剤には本当に効果がある?
代表的な有効成分として知られているのが「ビマトプロスト」です。
ビマトプロストはもともと緑内障や高眼圧症の治療に使われてきた成分ですが、使用者のまつ毛が長く濃くなる副作用が確認されたことから、まつ毛貧毛症の治療にも用いられるようになりました。
FDA(アメリカ食品医薬品局)では、ビマトプロストを有効成分とする製品が、まつ毛の長さ・太さ・濃さを改善する目的で承認されています。
つまり、医薬品としてのまつ毛育毛剤には、効果を裏付ける臨床データがあります。
まつ毛美容液とは何が違う?
市販のまつ毛美容液は、基本的には化粧品として扱われます。
保湿成分や美容成分によって、まつ毛の乾燥や切れ毛を防ぎ、ハリ・コシを与えることは期待できます。
一方で、医薬品のように毛周期へ働きかけて「まつ毛を生やす」「長くする」といった治療効果を目的としたものではありません。
まつ毛美容液は「今あるまつ毛を健やかに保つもの」、医薬品のまつ毛育毛剤は「まつ毛の成長そのものに働きかけるもの」と考えると分かりやすいでしょう。
どれくらいで効果を実感する?
まつ毛は毛周期に沿って少しずつ変化するため、数日使っただけで急に伸びるわけではありません。
医薬品のまつ毛育毛剤では、数週間から数か月かけて変化を実感するケースがあります。
効果の感じ方には個人差がありますが、毎日継続して使用することが重要です。
途中でやめると、新しく伸びたまつ毛も毛周期に従って徐々に元の状態へ戻っていくことがあります。
たくさん塗れば早く伸びる?
「早く伸ばしたいから多めに塗る」という使い方はおすすめできません。
まつ毛育毛剤は、決められた量を適切な場所へ使用することで効果と安全性が確認されています。
必要以上に塗っても効果が比例して高くなるわけではなく、目の周囲の色素沈着や刺激などの副作用が起こりやすくなる可能性があります。
まつ毛育毛剤は「多く塗るほど早く伸びる薬」ではありません。
どこに塗るのが正しい?
一般的には、上まぶたのまつ毛の生え際に沿って使用します。
目の中へ直接入れたり、下まつ毛へ自己判断で塗ったりするのは避けましょう。
また、余分な薬液が皮膚へ広がると、その部分の産毛が濃くなることがあります。
決められた用法に従い、必要な範囲だけへ薄く塗ることが大切です。
副作用はある?
医薬品のまつ毛育毛剤では、目の充血、かゆみ、刺激感、まぶたの色素沈着などが起こることがあります。
また、薬液が皮膚へ繰り返し付着すると、その部分の色が濃く見えることがあります。
目の周囲は皮膚が薄く敏感なため、「美容目的だから安全」と軽く考えないことが重要です。
強い赤み、痛み、視界の異常などがある場合は使用を中止し、眼科などへ相談してください。
まぶたがくぼむことがあるって本当?
プロスタグランジン関連薬では、長期間の使用により眼の周囲の脂肪が減少し、まぶたがくぼんだように見える変化が報告されています。
この変化は「プロスタグランジン関連眼窩周囲症」と呼ばれることがあります。
すべての人に起こるわけではありませんが、目元の見た目に関わる副作用として知っておく必要があります。
まぶたのくぼみや左右差などが気になった場合は、自己判断で続けず医師へ相談しましょう。
目の色が変わることもある?
ビマトプロストなどのプロスタグランジン関連薬では、虹彩の色素沈着が報告されています。
ただし、まつ毛育毛目的では上まぶたの生え際へ使用するため、目の中へ直接使用する点眼薬とは使い方が異なります。
それでも、薬が目の中へ入らないよう適切に使用することが重要です。
目に入ってしまった場合や、目の色・見え方に変化を感じた場合は医療機関へ相談してください。
コンタクトレンズをしていても使える?
コンタクトレンズを使用している人は、製品ごとの使用方法に注意する必要があります。
ビマトプロストを含む製品では、コンタクトレンズを外した状態で使用し、一定時間経過してから再装着するよう指示されることがあります。
コンタクトレンズ使用者は、処方時の説明や添付文書を必ず確認しましょう。
妊娠中・授乳中でも使える?
妊娠中や授乳中は、自己判断でまつ毛育毛剤を使用するのは避けましょう。
美容目的であっても医薬品である以上、妊娠・授乳への影響を考える必要があります。
妊娠中、妊娠の可能性がある場合、授乳中の場合は、使用前に必ず医師へ相談してください。
まつ毛が抜ける原因が別にあることも
まつ毛が少ない・抜ける原因は、もともとの体質だけではありません。
ビューラーやマスカラ、つけまつ毛、まつ毛エクステによる刺激、目をこする癖、皮膚炎、円形脱毛症、甲状腺疾患などが関係することもあります。
急にまつ毛が大量に抜けた場合や、左右差が強い場合は、育毛剤だけで対応するのではなく原因を確認することが大切です。
まつ毛エクステと併用してもいい?
まつ毛エクステやまつ毛パーマをしている場合、接着剤や薬剤による刺激が目元のトラブルにつながることがあります。
さらにまつ毛育毛剤を使用すると、刺激感が強くなる可能性もあります。
目元に赤みやかゆみがある状態では、複数の美容施術や薬を重ねて使わないことが重要です。
海外製のまつ毛育毛剤は使っても大丈夫?
インターネットでは海外製のまつ毛育毛剤が販売されていますが、日本国内で承認されていない医薬品もあります。
個人輸入品では、日本の制度に基づいて品質・有効性・安全性が確認されていない場合があります。
目の周囲に使用する薬だからこそ、成分や品質が確認できる製品を医師の管理下で使うことが大切です。
使うのをやめたら元に戻る?
まつ毛育毛剤によって長く・濃くなったまつ毛も、使用を中止するとその状態が永久に続くわけではありません。
毛周期によって徐々にまつ毛が生え替わり、元の状態へ近づいていきます。
効果を維持するには、医師の指示のもとで継続使用が必要になることがあります。
効果が出ない人もいる?
医薬品のまつ毛育毛剤でも、効果の程度には個人差があります。
もともとの毛包の状態や、まつ毛が少ない原因によっては、期待したほど変化しないこともあります。
また、数日や1~2週間で「効かない」と判断するのは早い場合があります。
正しい方法で一定期間使用しても変化が乏しい場合は、使用量を増やすのではなく医師へ相談しましょう。
美容液と医薬品、どちらを選べばいい?
「まつ毛が切れやすい」「乾燥が気になる」という場合には、まつ毛美容液で保湿やケアを行う方法があります。
一方、まつ毛そのものが少ない、短い、細いことを医学的に改善したい場合には、医療機関でまつ毛貧毛症について相談する選択肢があります。
目的が「ケア」なのか「発毛・成長を促す治療」なのかで、選ぶものは変わります。
まとめ
まつ毛育毛剤にはさまざまな商品がありますが、医薬品として承認された有効成分を含む製品には、まつ毛を長く・太く・濃くする効果が期待できます。
一方、市販の一般的なまつ毛美容液は、保湿やハリ・コシを与えることが中心で、医薬品と同じ発毛効果を期待するものではありません。
医薬品のまつ毛育毛剤には、充血、刺激感、まぶたの色素沈着、目元のくぼみなどの副作用が起こる可能性があります。
「美容のためだから」と自己流で多量に塗ったり、海外製品を安易に使用したりせず、正しい用法で使用することが重要です。急なまつ毛の脱毛や目の症状がある場合は、眼科や皮膚科などへ相談しましょう。

