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中用量ピルで生理を早める・遅らせる方法はどう違う?月経移動の仕組み

中用量ピル

中用量ピルで生理を早める・遅らせる方法はどう違う?月経移動の仕組み

医師・薬剤師監修

「旅行と生理が重なりそう」「大切な予定の日だけは月経を避けたい」というとき、中用量ピルを使って月経の時期を動かす方法があります。

月経移動には「予定より早く生理を起こす方法」と「予定が終わるまで生理を遅らせる方法」があり、どちらもホルモン剤を使いますが、飲み始める時期と出血を起こすタイミングが異なります。

日本産科婦人科学会のガイドラインでは、月経を早める場合は月経周期の5〜7日目以内からエストロゲン・プロゲスチン配合剤などを使用し、遅らせる場合は次回月経予定日の数日前から予定終了まで使用する方法が示されています。

「早める」は予定より前に薬を中止して出血を起こす方法、「遅らせる」は予定が終わるまでホルモンを補い続けて出血を待たせる方法、と考えると分かりやすいでしょう。

中用量ピルで生理を早める・遅らせる方法の違い

月経移動では、女性ホルモンの変化を利用して消退出血を起こす時期を調整します。

早める方法と遅らせる方法を簡単に比較すると、次のようになります。

方法 飲み始める時期の目安 出血が起こるタイミング 特徴
生理を早める 月経開始後5〜7日目頃まで 服用終了後2〜5日程度 予定日には薬を飲まなくてよい場合が多い
生理を遅らせる 次回月経予定日の3〜7日前頃 服用をやめたあと 予定期間中も服用を続ける

日本産科婦人科学会の資料では、周期を短縮する場合、月経周期5〜7日目以内から10〜14日程度服用し、中止後2〜5日で消退出血が起こる方法が示されています。月経を延長する場合は、月経予定日の3〜7日前から中用量EP配合剤などを服用し、遅らせたい時期まで継続します。


生理を早める方法はどういう仕組み?

生理を早めたい場合は、現在の月経が始まって比較的早い時期からホルモン剤を服用します。

一定期間ホルモンを補ったあとに服用をやめると、体内のホルモン量が低下します。その変化によって子宮内膜が剥がれ、月経のような「消退出血」が起こります。

つまり、本来の次回月経を待つのではなく、薬の中止によって予定より前に出血を起こすのが「早める方法」です。

ガイドラインでは、月経周期の5〜7日目以内に開始し、10〜14日間程度服用したあと中止すると、通常2〜5日ほどで消退出血が起こるとされています。

早める方法のメリット

予定より前に月経を済ませられれば、旅行や試験、スポーツなどの当日は薬を飲まずに過ごせる場合があります。

そのため、旅行中に毎日ピルを持ち歩きたくない人や、予定期間中の吐き気などを避けたい人に検討されることがあります。

一方、早める方法は月経開始後の比較的早い段階から準備する必要があるため、予定直前では間に合わない場合があります。

生理を遅らせる方法はどういう仕組み?

生理を遅らせる場合は、次回月経が始まる前からホルモン剤を服用します。

通常であれば黄体ホルモンなどが低下すると子宮内膜が剥がれて月経が始まりますが、外からホルモンを補い続けることで、その低下を一時的に起こさないようにします。

そのため、ピルを飲んでいる間は月経を待たせ、予定が終わって服用を中止すると消退出血が起こるという仕組みです。

日本産科婦人科学会のガイドラインでは、月経周期が安定しており次回月経を予測できる場合、月経予定日の3〜7日前から中用量EP配合剤などを服用し、遅らせたい日まで継続する方法が示されています。


早めるのと遅らせるのはどちらが使いやすい?

一概にどちらがよいとは言えません。

予定まで十分な時間がある場合は、早める方法を選べる可能性があります。一方、予定が数日〜1週間程度先に迫っている場合は、遅らせる方法が検討されることがあります。

状況 検討されやすい方法
予定まで数週間ある 早める方法を検討しやすい
次の月経予定日が近い 遅らせる方法を検討することがある
予定中に薬を飲みたくない 早める方法が向く場合がある
急に予定が決まった 遅らせる方法が現実的なことがある

ただし、月経周期が不規則な場合には次回月経日を予測しにくいため、希望通りに移動できないこともあります。

月経移動は「旅行の何日前に受診したか」「現在の月経周期の何日目か」によって使える方法が変わります。

中用量ピルにはどんな薬が使われる?

日本では、中用量のエストロゲン・プロゲスチン配合剤として、ノルゲストレルとエチニルエストラジオールを含むプラノバール配合錠などがあります。PMDAでも、プラノバール配合錠は医療用医薬品として承認・情報公開されています。

ただし、月経移動で使う薬や服用スケジュールは、年齢、喫煙歴、既往歴、現在の月経周期などによって異なります。

「以前この飲み方だったから」と、余った薬を自己判断で使用しないようにしてください。

中用量ピルを飲むとどんな副作用がある?

中用量ピルでは、ホルモンの影響によって次のような症状がみられることがあります。

  • 吐き気
  • 頭痛
  • 乳房の張り
  • むくみ
  • 不正出血

症状の程度には個人差があります。

また、エストロゲンを含む薬では、まれですが血栓症に注意が必要です。PMDAでも、エストロゲン・プロゲスチン配合剤では年齢や喫煙、肥満、家族歴などにかかわらず血栓症が起こる可能性があるとして注意喚起されています。

突然の脚の痛み・腫れ、胸の痛み、息苦しさ、激しい頭痛、見え方の異常などが出た場合は服用を中止し、速やかに医療機関を受診してください。

月経移動用のピルに避妊効果はある?

月経移動を目的に処方された中用量ピルについて、自己判断で「避妊薬としても使える」と考えるのは避けてください。

服用開始の時期や飲み方が、避妊目的の低用量ピルとは異なるためです。

月経移動中に妊娠を避けたい場合は、コンドームなど別の避妊方法について医師に確認しましょう。

PMDAのホルモン配合剤の添付文書でも、製剤や適応によっては避妊目的で使用しないよう明記されています。

薬をやめたら何日後に生理が来る?

中用量ピルを使って月経を移動した場合、服用終了後すぐに出血するとは限りません。

早める方法では、ガイドライン上、服用終了から2〜5日程度で消退出血が起こることが目安とされています。

遅らせる場合も、薬を中止してホルモン量が低下すると数日後に出血するのが一般的です。

ただし、出血開始日は個人差があり、希望した日へ1日単位で正確に動かせるとは限りません。


予定が決まったらいつ婦人科へ相談する?

できるだけ早めがおすすめです。

生理を早める方法は月経周期の前半から服用を始める必要があるため、予定日の直前に受診しても選べないことがあります。

受診時には、

  • 直近の月経開始日
  • 普段の月経周期
  • 生理を避けたい日
  • 現在飲んでいる薬
  • 喫煙の有無
  • 血栓症などの既往歴

などを伝えられるようにしておくと、服用方法を決めやすくなります。

まとめ

中用量ピルを使った月経移動には、「生理を早める方法」と「遅らせる方法」があります。

早める方法は、月経周期の前半から服用して薬を中止し、予定より前に消退出血を起こす方法です。

一方、遅らせる方法は、次回月経予定日の数日前から服用を始め、予定終了までホルモンを補うことで出血を後ろへずらします。

予定まで時間があるほど選択肢が増えるため、旅行・試験・結婚式などの日程が決まったら、できるだけ早めに婦人科へ相談するのがおすすめです。

月経周期や体調によって適切な服用開始日は異なります。自己判断で飲み始める日や服用期間を変更せず、医師から指示された方法で使用しましょう。

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