ED治療薬を初めて使うときに起こりやすい失敗5つ|効かないと判断する前に確認
医師・薬剤師監修
初めてED治療薬を使ったときに、「思ったほど効かなかった」「途中で萎えた」「飲んだけれど勃起しなかった」と感じることがあります。
しかし、1回うまくいかなかっただけで「自分にはED治療薬が効かない」と判断するのは早い場合があります。ED治療薬は、飲み方や食事、飲酒、服用タイミング、性的刺激の有無などによって効果の感じ方が変わるためです。
今回は、初めてED治療薬を使う人が起こしやすい失敗を5つに分けて、効かないと判断する前に確認したいポイントを解説します。
失敗1.飲めば自動的に勃起すると思っている
ED治療薬で最も多い誤解のひとつが、「薬を飲めば何もしなくても勃起する」というものです。
シルデナフィル、タダラフィル、バルデナフィル、アバナフィルなどのPDE5阻害薬は、性的刺激があるときに陰茎への血流を増やしやすくすることで、勃起を補助する薬です。
つまり、薬そのものが性欲を高めたり、強制的に勃起させたりするわけではありません。
ED治療薬を飲んでも、性的な刺激や興奮がなければ十分な勃起は起こりにくいということです。
「飲んだのに勃起しなかった」という場合は、まず性的刺激が十分だったかを振り返ってみましょう。
失敗2.服用タイミングが早すぎる・遅すぎる
ED治療薬は、種類によって効果が現れ始めるまでの時間や持続時間が異なります。
例えば、シルデナフィルは一般に性行為の約1時間前に使用されます。一方、タダラフィルは作用時間が長いため、性行為のタイミングを比較的広く取ることができます。
服用してすぐ性行為を始めると、まだ薬が十分に吸収されていない可能性があります。逆に、作用時間を大きく過ぎてから性行為をすると、十分な効果を感じられないことがあります。
「何分前に飲むか」は薬ごとに違うため、自分が使っているED治療薬の服用タイミングを確認することが大切です。
失敗3.脂っこい食事の直後に飲んでいる
ED治療薬の中には、食事の影響を受けやすいものがあります。
特にシルデナフィルなどは、高脂肪食の直後に服用すると吸収が遅れ、効果が現れるまで時間がかかったり、十分な効果を感じにくくなったりすることがあります。
「夕食で焼肉や揚げ物をたくさん食べ、その直後にED治療薬を飲んだ」というケースでは、薬の吸収が予定どおり進まない可能性があります。
初回使用時は、できるだけ薬の特徴に合った食事条件で試したほうが、効果を正しく判断しやすくなります。
なお、タダラフィルは比較的食事の影響を受けにくいとされていますが、どの薬でも処方時の指示を守ることが基本です。
失敗4.お酒を飲みすぎている
性行為前にお酒を飲む人は多いですが、多量の飲酒はED治療薬の効果を感じにくくする原因になります。
少量であれば緊張が和らぐこともありますが、アルコール量が増えると神経反応が鈍くなり、性的刺激に対する反応や勃起の維持が弱くなることがあります。
また、ED治療薬自体にも血管を広げる作用があるため、多量飲酒を組み合わせると、めまいや立ちくらみなどが出やすくなることもあります。
「薬が効かなかった」のではなく、「飲酒の影響で勃起しにくかった」という可能性もあります。
初めて効果を確認するときは、できるだけ多量飲酒を避けることをおすすめします。
失敗5.1回だけで「効かない」と決めつける
初回のED治療薬では、「ちゃんと効くだろうか」「途中で萎れないだろうか」と緊張しやすくなります。
このプレッシャーによって性的興奮より不安が強くなり、薬を飲んでいても勃起しにくくなることがあります。
また、その日の疲労、睡眠不足、飲酒量、パートナーとの状況などによっても勃起状態は変わります。
1回の使用だけで効果判定をせず、正しい条件で複数回試したうえで判断することが大切です。
ただし、自己判断で服用量を増やしたり、短時間に追加服用したりすることは避けてください。
ED治療薬は性欲を高める薬ではない
ED治療薬と「精力剤」を同じように考える人もいますが、役割は異なります。
PDE5阻害薬は陰茎の血流を改善し、勃起をサポートする薬です。性欲そのものを高める作用はありません。
そのため、性欲がほとんどない状態、強い疲労がある状態、パートナーとの関係で強いストレスを感じている状態では、ED治療薬だけでは十分な効果を感じにくい場合があります。
「性欲はあるけれど勃起しない」のか、「そもそも性的な気分にならない」のかを分けて考えることも重要です。
途中で萎れた場合も「薬が効いていない」とは限らない
薬を飲んで一度は十分に勃起したのに、途中で萎れた場合には、薬がまったく効いていないとは言えません。
勃起が一度起きているということは、薬が一定程度作用している可能性があります。
その後に萎れる原因としては、性的刺激が弱くなった、緊張した、硬さを何度も確認して不安になった、疲労が強かったなどが考えられます。
「勃起したかどうか」だけでなく、「どの場面で硬さが落ちたか」を確認すると原因を整理しやすくなります。
薬の種類が自分に合っていない可能性もある
ED治療薬は、どれも同じではありません。
シルデナフィル、タダラフィル、バルデナフィル、アバナフィルでは、効果が現れるまでの時間、作用時間、食事の影響などに違いがあります。
例えば、性行為のタイミングを細かく決めること自体が緊張につながる人では、作用時間が長いタイプのほうが使いやすい場合があります。
一方、短時間で効果を期待したい人では別の薬が選ばれることもあります。
1種類で十分な効果が得られなくても、「ED治療薬すべてが効かない」とは限りません。
自己判断で2錠飲むのはNG
「1錠で効かなかったから次は2錠飲もう」と考えるのは危険です。
ED治療薬には、それぞれ1回あたりの最大用量や服用間隔が決められています。
過量に服用すると、頭痛、ほてり、動悸、めまい、血圧低下などの副作用が強くなる可能性があります。
効果が不十分な場合は自己増量せず、医師に相談して用量や薬の種類を見直しましょう。
他のED治療薬と一緒に飲んでもいい?
シルデナフィルを飲んで効かなかったからといって、その日のうちにタダラフィルなど別のED治療薬を追加することも避けてください。
同じPDE5阻害薬を重ねて使用すると、血圧低下などの副作用リスクが高まる可能性があります。
薬を変更する場合は、適切な服用間隔も含めて医師の指示に従いましょう。
併用してはいけない薬もある
ED治療薬には重要な禁忌があります。
特に、狭心症などの治療で使用される硝酸薬・一酸化窒素供与薬との併用は、血圧が危険なほど低下する可能性があるため禁忌です。
「ED治療薬は性機能の薬だから、ほかの薬とは関係ない」と考えず、服用中の薬を必ず医師へ伝えてください。
持病がある人や複数の薬を使用している人は、特に自己判断でED治療薬を使用しないことが重要です。
偽造薬にも注意
ED治療薬はインターネット上でも多数販売されていますが、正規の医薬品ではない偽造品が流通することがあります。
偽造薬では、有効成分が表示より少ない、逆に過剰に含まれている、不純物や別成分が混入しているなどの可能性があります。
「飲んでもまったく効かなかった」という場合、そもそも使用した薬が正規品ではない可能性も否定できません。
安全性と効果を確認するためにも、医療機関など適切な経路で入手することが大切です。
正しく使っても効きにくい場合は?
適切な用量・タイミングで複数回使用し、食事や飲酒などの条件にも問題がないのに十分な勃起が得られない場合には、EDそのものの原因を確認する必要があります。
糖尿病、高血圧、脂質異常症、肥満、喫煙、神経疾患、テストステロン低下などが関係している場合があります。
また、自慰では問題ないのに性行為だけ勃起しにくい場合には、心因性EDが関係することもあります。
「薬が弱い」と考えるだけでなく、EDの原因そのものを確認することが重要です。
こんな症状が出たら医療機関へ
ED治療薬を使用したあとに、強い胸痛、失神しそうなめまい、視覚や聴覚の急な異常などが現れた場合は、速やかに医療機関へ相談してください。
また、勃起が4時間以上続く持続勃起症は、放置すると陰茎組織に障害を残す可能性があるため緊急対応が必要です。
副作用が強い場合は「効いている証拠」と考えて我慢せず、医療機関へ相談しましょう。
まとめ
初めてED治療薬を使って十分な効果を感じられなくても、すぐに「自分には効かない」と判断する必要はありません。
特に起こりやすい失敗は、①飲めば自動的に勃起すると思う、②服用タイミングが合っていない、③脂っこい食事の直後に飲む、④飲酒量が多い、⑤1回だけで効果を判断することです。
ED治療薬は、正しい用法・用量と性的刺激があって初めて十分な効果を発揮しやすくなります。
何度か正しく使用しても十分な効果が得られない場合は、自己判断で増量や併用をせず、医師に相談して薬の種類・用量やEDの原因を見直しましょう。

