ミノキシジルで頭皮がかゆい・赤い原因は?使用を中止すべき症状
監修:医師・薬剤師
ミノキシジル外用薬を使い始めてから、「頭皮がかゆい」「赤くなった」「フケが増えた」と感じることがあります。
ミノキシジル外用薬では、頭皮の発疹・発赤、かゆみ、かぶれ、フケ、使用部位の熱感などが副作用として報告されています。国内のミノキシジル5%製剤の説明書でも、これらの症状が現れた場合は使用を中止し、医師または薬剤師へ相談するよう定められています。
ただし、軽い乾燥や刺激感と、治療を続けるべきではない強い皮膚炎を自分で区別するのは簡単ではありません。
特に、赤みがどんどん広がる、強い腫れや痛みがある、顔まで発疹が広がるといった場合は、無理に使い続けないことが大切です。
この記事では、ミノキシジルで頭皮がかゆくなる原因、赤みやフケとの関係、使用を中止した方がよい症状、刺激を減らすための使い方を解説します。
ミノキシジルで頭皮がかゆくなることはある?
あります。
PMDA(医薬品医療機器総合機構)に掲載されている国内ミノキシジル製剤の説明書では、皮膚症状として次の副作用が挙げられています。
- 頭皮の発疹
- 頭皮の発赤
- かゆみ
- かぶれ
- フケ
- 使用部位の熱感
これらの症状は、ミノキシジルそのものへの反応だけでなく、製剤に含まれるアルコールなどの添加物による刺激が関係している場合があります。
たとえば国内のミノキシジル5%製剤には、製品によってエタノールや保湿・溶解目的の添加物などが含まれています。リアップX5では添加物としてエタノール、1,3-ブチレングリコールなどが記載されています。
「ミノキシジルが合わない」と思っていても、実際には基剤やアルコールによる刺激性皮膚炎が関係しているケースもあります。
原因1:アルコールなどによる乾燥・刺激
液体タイプのミノキシジル外用薬には、有効成分を溶かしたり、頭皮へ広げたりするためにアルコール類が使われることがあります。
アルコールは蒸発するときに皮膚の水分も奪いやすいため、もともと乾燥肌や敏感肌の人では、つっぱり感、かゆみ、フケなどが目立つことがあります。
次のような症状が中心であれば、乾燥や軽い刺激が関係している可能性があります。
- 塗った直後だけ少しヒリヒリする
- 頭皮がつっぱる
- 細かい乾燥性のフケが増えた
- 強い腫れや痛みはない
ただし、症状が毎回強くなる場合や赤みを伴う場合は、単なる乾燥と決めつけず使用を中止して相談してください。
原因2:接触皮膚炎・かぶれ
ミノキシジル外用薬を塗った部分が赤くなり、強くかゆい場合は、接触皮膚炎が起きている可能性があります。
接触皮膚炎には、成分そのものによる刺激性のものと、体質的なアレルギー反応によって起こるアレルギー性のものがあります。
国内製剤の説明書では、過去に薬や化粧品などで発疹・発赤、かゆみ、かぶれなどを起こしたことがある人は、使用前に医師または薬剤師へ相談するよう案内されています。
塗るたびに赤みやかゆみが強くなる場合は、「慣れれば治る」と考えて続けない方が安全です。
原因3:頭皮に傷や湿疹がある状態で使用した
ミノキシジル外用薬は、正常な頭皮へ使用することを前提としています。
PMDA(医薬品医療機器総合機構)の一般用ミノキシジル製剤では、傷、湿疹、炎症や発赤がある頭皮への使用を避けるよう記載されています。
すでに炎症がある部分へ塗ると、刺激が強くなったり、薬の吸収状態が変わったりする可能性があります。
次のような状態では、いったん使用を避けましょう。
- 頭皮をかき壊している
- 日焼けして赤くなっている
- 湿疹がある
- 傷や出血がある
- カラーやパーマ後に強い刺激が残っている
FDA(アメリカ食品医薬品局)のミノキシジル外用薬のラベルでも、赤み、炎症、感染、刺激、痛みがある頭皮には使用しないよう注意されています。
原因4:塗る量や回数が多すぎる
「たくさん塗れば早く生える」と考えて、規定量より多く使うのは適切ではありません。
国内のミノキシジル5%製剤では、用法・用量を超えて多く使用しても効果は高まらず、副作用が起こる可能性が高くなると明記されています。
FDA(アメリカ食品医薬品局)の5%ミノキシジル外用液でも、使用量や使用頻度を増やしても発毛が早くなるわけではなく、副作用が増える可能性があるとされています。
かゆみや赤みがあるときに、効いていないと思って量を増やすのは逆効果です。
原因5:シャンプー・育毛剤など別の刺激が重なっている
ミノキシジルを使い始めた時期に、シャンプー、育毛剤、整髪料、ヘアカラーなども変更していると、どの製品が刺激の原因なのか分からなくなることがあります。
国内製剤では、ミノキシジル使用中にほかの育毛剤や頭皮用外用剤を併用しないよう注意されています。ほかの外用薬がミノキシジルの吸収へ影響する可能性があるためです。
また、FDA(アメリカ食品医薬品局)の製品情報では、カラーやパーマ自体が頭皮刺激を起こす場合があるため、施術前にはミノキシジルを洗い流し、施術後24時間は頭皮に刺激がないことを確認してから再開する方法が案内されています。
かゆみがあっても使い続けていい?
軽い刺激感が一時的に出ることはありますが、国内製剤の説明書上は、頭皮の発疹・発赤、かゆみ、かぶれ、フケ、熱感が現れた場合、副作用の可能性があるため使用を中止し、医師または薬剤師へ相談することになっています。
そのため、「少しくらいなら我慢して続けた方が発毛にいい」と自己判断するのはおすすめできません。
一度中止して症状の経過を確認し、必要に応じて皮膚科やAGAを診療する医療機関へ相談しましょう。
特に使用を中止すべき頭皮症状
次の症状がある場合は、使用を続けないでください。
- 強い赤みが広がっている
- 強いかゆみで眠れない
- 頭皮が腫れている
- 水ぶくれやただれがある
- ジュクジュクして液が出る
- 強い痛みや熱感がある
- 頭皮以外にも発疹や赤みが出た
- 使用するたびに症状が悪化する
ミノキシジル製剤では、発疹や発赤が頭皮以外に現れることもあるとされています。
顔や首まで腫れる、呼吸が苦しいなど全身性のアレルギー反応を疑う症状がある場合は、速やかな医療対応が必要です。
皮膚症状以外で中止すべき症状
ミノキシジル外用薬では、まれに頭皮以外の症状も現れる可能性があります。
国内製剤の説明書では、次の症状も使用中止と相談の対象です。
- 頭痛
- めまい
- 気が遠くなる感じ
- 胸の痛み
- 心拍が速くなる
- 原因不明の急激な体重増加
- 手足のむくみ
特に胸痛、失神しそうなめまい、強い動悸などがある場合は、単なる頭皮の副作用とは考えず、速やかに医療機関へ相談してください。
かゆみを減らすためにできること
決められた量を守る
製品ごとに定められた量と回数を守ります。
たくさん塗ったり、塗り忘れた分をまとめて使用したりしてはいけません。FDA(アメリカ食品医薬品局)の製品情報でも、塗り忘れた場合は次回から通常どおり使用し、追加して埋め合わせないよう案内されています。
頭皮が乾いた状態で塗る
入浴後や洗髪後は、頭皮を十分に乾かしてから使用します。
汗や水分が多く残った状態では、薬液が流れて顔や首へ付着したり、必要な部位へ均一に塗れなかったりする可能性があります。
低刺激のシャンプーを使う
頭皮が敏感になっている場合は、強い洗浄力のあるシャンプーや、爪を立てた洗髪を避けます。
FDA(アメリカ食品医薬品局)のミノキシジル外用薬情報でも、洗髪する場合はマイルドなシャンプーの使用が案内されています。
洗うときは指の腹を使い、強くこすらないようにしましょう。
完全に乾くまで触らない
塗布直後に帽子をかぶったり、枕へ頭をつけたりすると、薬液が別の場所へ付着する可能性があります。
FDA(アメリカ食品医薬品局)の5%ミノキシジル外用液では、完全に乾かしてから就寝や帽子の着用をするよう案内されています。
フケが増えた場合はどうする?
ミノキシジル使用後のフケは、乾燥や刺激性皮膚炎によって起こる場合があります。
細かく乾いたフケが少量出る程度でも、かゆみや赤みを伴う場合は注意が必要です。
また、脂っぽい黄色いフケ、強い赤み、湿疹がある場合は、脂漏性皮膚炎など別の頭皮疾患が重なっている可能性があります。
この場合、フケだけを抑えるために自己判断で別の育毛剤や薬を重ねず、皮膚科で診てもらいましょう。
「初期脱毛」と赤み・かゆみは別
ミノキシジルを使い始めると、一時的に抜け毛が増える場合があります。これはいわゆる初期脱毛として知られています。
しかし、初期脱毛だから頭皮が赤くなったり、強くかゆくなったりするわけではありません。
FDA(アメリカ食品医薬品局)の5%ミノキシジル外用液では、開始直後に一時的に抜け毛が増える場合がある一方、頭皮の刺激や赤みについては別の副作用として扱われています。
「抜け毛が増えたうえに頭皮も赤いから、薬が効いている証拠」と考えて我慢するのは避けてください。
別のミノキシジル製品なら使えることもある?
製品によってミノキシジル濃度だけでなく、アルコールや基剤などの添加物が異なります。
そのため、ある製品で刺激が出ても、別の剤形や処方で同じ反応が出るとは限りません。
ただし、原因がミノキシジルそのものへのアレルギーであれば、製品を変更しても症状が再発する可能性があります。
自己判断で次々と製品を試すのではなく、強いかぶれが出た場合は皮膚科や医師・薬剤師へ相談したうえで変更しましょう。
こんな場合はミノキシジル以外の原因も確認する
頭皮のかゆみや赤みが、必ずしもミノキシジルだけで起きているとは限りません。
次のような病気でも似た症状が出ます。
- 脂漏性皮膚炎
- アトピー性皮膚炎
- 接触皮膚炎
- 頭皮の感染症
- 乾癬
また、急激に髪が抜ける、斑状に脱毛する、頭髪以外も抜けるといった場合は、壮年性脱毛症以外の脱毛症である可能性があります。国内のミノキシジル製剤でも、このような脱毛が見られた場合は使用を中止して相談するよう記載されています。
よくある質問
ミノキシジルを塗ると少しヒリヒリします。普通ですか?
軽い刺激を感じる人はいますが、毎回続く、赤みやかゆみを伴う場合は副作用の可能性があります。説明書上も発赤、かゆみ、熱感などは使用中止と相談の対象です。
かゆい部分だけ避けて塗ればよいですか?
炎症や湿疹がある頭皮には使用しないことが基本です。症状がある状態で周囲だけ塗り続けるより、いったん使用を中止して原因を確認してください。
かゆみ止めを一緒に塗ってもよいですか?
自己判断で頭皮用の外用薬を重ねるのは避けてください。国内製剤では、ほかの育毛剤や頭皮用外用剤との併用を避けるよう案内されています。
ミノキシジルをやめると髪はどうなりますか?
ミノキシジルによって得られた発毛効果を維持するには継続使用が必要で、中止すると徐々に元の状態へ戻るとされています。 ただし、副作用が出ている場合は発毛効果より安全性を優先し、医師へ相談してください。
かゆみがあるけれど我慢できるなら使い続けてもよいですか?
おすすめできません。国内製剤では、かゆみや発赤などが現れた場合は直ちに使用を中止し、医師または薬剤師へ相談するよう定められています。
まとめ
ミノキシジル外用薬では、頭皮のかゆみ、赤み、かぶれ、フケ、熱感などが副作用として起こることがあります。
原因としては、ミノキシジルそのものへの反応だけでなく、アルコールなどの添加物による乾燥・刺激、接触皮膚炎、すでに炎症のある頭皮への使用、塗りすぎなどが考えられます。
特に、強い赤み、腫れ、水ぶくれ、ジュクジュクした炎症、頭皮以外への発疹がある場合は、使用を続けないでください。
また、胸痛、動悸、めまい、急激な体重増加、手足のむくみなどがある場合も、ミノキシジルによる副作用の可能性があるため使用を中止し、医療機関へ相談する必要があります。
「効いている証拠だから」と頭皮の炎症を我慢する必要はありません。症状が出た場合は一度使用を中止し、皮膚科や処方医、薬剤師へ相談して、製剤の変更や別の治療方法を検討しましょう。

