リベルサス7mgと14mgでは体重減少に差がある?増量を考えるタイミング
医師・薬剤師監修
「リベルサス7mgを飲んでいるけれど、14mgに増やした方がもっと体重が落ちる?」「いつ増量を考えるべき?」と気になる方もいるのではないでしょうか。
結論からいうと、臨床試験では7mgより14mgの方が平均体重減少量が大きい傾向が確認されています。ただし、14mgにすれば必ず大きく痩せるわけではなく、副作用や血糖コントロール、現在の治療効果を含めて判断する必要があります。
リベルサスは通常、3mgから開始して7mgへ増量し、7mgを4週間以上続けても効果が不十分な場合に14mgへの増量が検討されます。
この記事では、7mgと14mgの体重減少の違いや、増量を考えるタイミング、増量前に確認したいポイントについて分かりやすく解説します。
リベルサス7mgと14mgでは体重減少に差がある?
リベルサスの有効成分セマグルチドは、GLP-1受容体作動薬に分類される薬です。血糖値に応じてインスリン分泌を促すほか、食欲や胃内容排出などにも影響するため、治療中に体重が減少することがあります。
2型糖尿病患者を対象としたPIONEER 1試験では、26週間の治療後、プラセボとの差を考慮した体重変化は7mgで約-0.9kg、14mgで約-2.3kgでした。試験薬を継続できた人を中心に評価した解析では、7mgで約-1.0kg、14mgで約-2.6kgでした。
| 用量 | 26週時点の体重変化の目安 |
|---|---|
| 7mg | 約-1.0kg前後 |
| 14mg | 約-2.3~2.6kg前後 |
この結果を見ると、平均的には14mgの方が体重減少量は大きい傾向があります。
ただし、これはあくまで臨床試験の平均値であり、個人ごとの減量幅を保証するものではありません。もともとの体重、食事、運動、糖尿病の状態、服用方法などによって結果は変わります。

国内試験でも14mgの方が体重減少は大きい?
日本人を含む臨床試験でも、14mgの方が7mgより体重減少が大きい傾向が確認されています。
ノボ ノルディスクの添付文書に記載された国内試験では、26週までの平均体重変化は7mgで-1.2kg、14mgで-2.4kgでした。52週時点では、7mgで-0.8kg、14mgで-2.9kgでした。
| 期間 | 7mg | 14mg |
|---|---|---|
| 26週 | -1.2kg | -2.4kg |
| 52週 | -0.8kg | -2.9kg |
このように、平均値では14mgの方が体重減少幅が大きい結果になっています。
一方で、体重変化にはかなり個人差があります。「7mgでは全く減らない」「14mgにすれば必ず倍減る」といった単純な関係ではありません。
リベルサスはいつ14mgへ増量する?
PMDAの患者向医薬品ガイドでは、リベルサスは通常3mgから開始し、4週間以上服用した後に7mgへ増量します。そして、7mgを4週間以上服用しても効果が不十分な場合には、14mgへ増量されることがあります。
つまり、7mgを飲み始めて数日で体重が減らないからといって、すぐ14mgへ増量するものではありません。
一般的な流れは次のようになります。
| 段階 | 基本的な考え方 |
|---|---|
| 3mg | 開始量として4週間以上服用 |
| 7mg | 通常の維持用量 |
| 14mg | 7mgを4週間以上使用しても効果不十分な場合に検討 |
「体重がもっと落ちてほしい」という理由だけで自己判断して増量せず、医師が血糖値や副作用などを見ながら判断します。

「効果不十分」は体重だけで判断する?
リベルサスは、日本では2型糖尿病の治療薬として承認されています。
そのため、増量の判断では体重だけを見るのではなく、HbA1cや血糖値など糖尿病治療としての効果を確認することが基本です。PMDAの添付文書でも、患者の状態に応じて用量を調節するとされています。
実際には、医師は次のような点を総合的に確認します。
- HbA1cや血糖値が目標に近づいているか
- 7mgを十分な期間服用しているか
- 服用方法を正しく守れているか
- 吐き気や下痢などの副作用が強くないか
- 体重や食欲に変化があるか
- 他の糖尿病治療薬との組み合わせ
したがって、「1か月で○kg減らなければ14mg」という一律の増量基準はありません。
14mgにすると副作用も増える?
リベルサスでは、吐き気、下痢、便秘、腹痛などの消化器症状がみられることがあります。
PIONEER 1試験でも、経口セマグルチド群では軽度~中等度の消化器症状が代表的な副作用として報告され、用量が高くなるほど治療中止率も高くなる傾向がみられました。
そのため、7mgの時点で強い吐き気や食欲低下、下痢などが続いている場合は、14mgへ増量すると症状が強くなる可能性があります。
「副作用があるほど痩せる」という考え方も適切ではありません。
複数のPIONEER試験を解析した研究では、経口セマグルチドによる体重減少のうち、消化器副作用が占める影響は小さいと報告されています。
7mgで体重が落ちないときに確認したいこと
増量を考える前に、服用方法が正しいか確認することも重要です。
リベルサスは食事や飲み物の影響を受けやすい薬で、服用方法を守らないと吸収量が低下します。
PMDAの添付文書では、
- 1日の最初の飲食前に空腹の状態で服用する
- 約120mL以下の水で1錠飲む
- 服用後少なくとも30分は飲食しない
- 他の経口薬も少なくとも30分避ける
と定められています。
例えば、服用してすぐコーヒーを飲む、朝食を食べる、大量の水で飲むといった行動が続いている場合、薬の吸収が低下し、期待した効果が得られにくくなる可能性があります。
増量を考える前に、まず毎日の服用方法が正しいかを確認しましょう。
7mgのまま続けた方がよい場合もある?
もちろんあります。
7mgで血糖値が十分に改善している場合や、副作用がほとんどなく安定して治療できている場合には、必ずしも14mgへ増量する必要はありません。
また、体重減少のスピードだけを追いかけて増量すると、吐き気や食欲低下などによって治療を継続しにくくなることもあります。
リベルサスは短期間で急激に体重を落とすことを目的とした薬ではありません。
治療効果と副作用のバランスを見ながら、無理なく続けられる用量を選ぶことが重要です。
14mgを7mg錠2錠で代用してもいい?
自己判断で7mg錠を2錠飲むのは避けてください。
PMDAの添付文書では、14mgを投与する際に7mg錠を2錠使用しないよう明記されています。リベルサスは錠剤ごとに吸収特性があるため、単純に合計量が同じだからと考えることはできません。
14mgが必要と判断された場合は、14mg錠を1錠使用します。
増量を考える前に医師へ相談した方がよいケース
次のような場合は、自分で増量せず医師へ相談してください。
- 7mgで吐き気や下痢が強い
- 食事や水分が十分取れない
- 強い腹痛が続く
- 低血糖が疑われる症状がある
- 短期間で体重が大きく減っている
- 7mgを正しく服用しているのに血糖値が改善しない
特に強い腹痛や嘔吐が続く場合などは、急性膵炎などの重い副作用を否定する必要があります。PMDAの最新添付文書にも、急性膵炎などの重大な副作用への注意が記載されています。

まとめ
リベルサス7mgと14mgを比較すると、臨床試験では14mgの方が平均的な体重減少量は大きい傾向が確認されています。
ただし、14mgへ増量すれば必ず大きく体重が落ちるわけではなく、効果には個人差があります。
リベルサスは通常、3mgを4週間以上使用して7mgへ増量し、7mgをさらに4週間以上使用しても効果が不十分な場合に14mgへの増量が検討されます。
増量を判断するときは体重だけではなく、HbA1cや血糖値、副作用、服用方法などを総合的に確認することが重要です。
「もっと痩せたいから」という理由だけで自己判断して増量したり、7mgを2錠飲んだりせず、現在の治療効果を医師と確認しながら適切な用量を選びましょう。

