代謝を上げて太らないコツ|筋肉・食事・生活習慣の整え方
監修:医師・薬剤師監修
「以前と同じ量しか食べていないのに太る」「食事を減らしても体重が落ちにくい」「代謝を上げるには何をすればよい?」と感じていませんか。
一般に「代謝を上げる」とは、身体が1日に消費するエネルギーを増やし、食事から摂ったエネルギーが余りにくい状態をつくることです。
ただし、特定の食べ物やサプリメントを摂るだけで、基礎代謝が急激に高くなるわけではありません。
太りにくい身体を目指すには、筋肉量を維持し、日常の活動量を増やしながら、食べすぎや睡眠不足を防ぐことが重要です。
この記事では、代謝の基本的な仕組みと、無理なく続けられる食事・運動・生活習慣について分かりやすく解説します。
代謝とはどのような働き?
代謝とは、食事から摂った栄養素をエネルギーへ変えたり、筋肉や皮膚などの組織をつくり直したりする身体の働きです。
体重管理に関係する1日のエネルギー消費は、主に次の3つに分けられます。
| エネルギー消費の種類 | 主な内容 |
|---|---|
| 基礎代謝 | 呼吸、体温維持、心臓の拍動など、安静時にも使われるエネルギー |
| 身体活動による消費 | 運動、歩行、通勤、家事、仕事中の移動などで使うエネルギー |
| 食事誘発性熱産生 | 食べ物を消化・吸収するときに使うエネルギー |
この中で、自分の行動によって変えやすいのは、身体活動による消費と筋肉量です。
代謝を上げたい場合は、基礎代謝だけに注目せず、1日全体で身体を動かす量を増やすことが大切です。
年齢とともに代謝が落ちやすい理由
年齢を重ねると、筋肉量が少しずつ減りやすくなります。
筋肉が減ると安静時に消費するエネルギーが少なくなるだけでなく、歩く、階段を上る、荷物を持つといった日常動作でも消費量が減ります。
さらに、車での移動やデスクワークが増えると、若い頃より身体を動かす時間が少なくなります。
その結果、食事量が以前と変わらなくても、消費しきれなかったエネルギーが脂肪として蓄積されやすくなります。
筋力トレーニングで筋肉量を維持する
太りにくい身体をつくるためには、筋肉量を維持することが重要です。
特に、太もも、お尻、背中、胸などの大きな筋肉を動かすと、全身を効率よく鍛えられます。
自宅では、次のような運動から始められます。
- 椅子から立ち上がる運動
- スクワット
- 壁を使った腕立て伏せ
- かかとの上げ下げ
- ペットボトルを使った筋力運動
運動習慣がない人は、1日10回のスクワットからでも構いません。
週2~3回を目安に続け、筋肉痛が強い日は休みましょう。
毎日激しい運動をするよりも、無理のない強度で数か月続ける方が筋肉量の維持につながります。
ウォーキングで1日の消費量を増やす
ウォーキング、自転車、水泳などの有酸素運動は、運動中のエネルギー消費を増やし、体重管理に役立ちます。
まとまった運動時間を確保できない人は、10分程度のウォーキングを1日2~3回に分けても構いません。
例えば、昼休みに歩く、近距離の移動では車を使わない、買い物で少し遠い駐車場所を選ぶなど、生活の中へ取り入れましょう。
体重を減らしたい人でも、最初から長時間歩く必要はありません。現在より1日10分多く動くことから始めると続けやすくなります。
座りっぱなしの時間を減らす
1日の運動時間を増やしても、それ以外の時間を座って過ごしていると、活動量は十分に増えないことがあります。
デスクワークや在宅勤務では、1時間に一度は立ち上がりましょう。
コピーを取りに行く、飲み物を用意する、電話中に歩く、軽くストレッチするといった行動でも構いません。
運動する時間を増やすだけでなく、動かない時間を短くすることも代謝を維持するポイントです。
毎食たんぱく質を摂る
筋肉を維持するには、運動だけでなく、筋肉の材料となるたんぱく質も必要です。
たんぱく質を含む主な食品には、次のようなものがあります。
- 肉
- 魚
- 卵
- 豆腐、納豆、豆乳
- 牛乳、ヨーグルト
夕食だけに大量の肉を食べるのではなく、朝食、昼食、夕食へ分けて摂りましょう。
朝食に卵や納豆、昼食に魚や鶏肉、夕食に豆腐や豚肉を組み合わせると、1日を通してたんぱく質を補えます。
プロテインは食事で不足するたんぱく質を補う食品ですが、飲むだけで基礎代謝が大幅に高くなるわけではありません。
食事を抜くダイエットは避ける
体重を減らすために朝食や夕食を抜くと、短期間では体重が減ることがあります。
しかし、必要なエネルギーやたんぱく質が不足すると、脂肪だけでなく筋肉まで減る可能性があります。
筋肉量が落ちると、長期的には消費エネルギーが少なくなり、太りやすい状態につながります。
食事を完全に抜くのではなく、余分なカロリーを減らしながら、筋肉を維持できる食事を続けましょう。
最初に減らしたい食品と飲み物
食事量を大幅に減らす前に、次のような食品や飲み物の回数を見直しましょう。
- 砂糖入りの清涼飲料水
- 甘いカフェラテやミルクティー
- 菓子パン
- スナック菓子
- 揚げ物
- 夜食
- アルコール
甘い飲み物は満腹感を得にくく、気づかないうちに摂取カロリーが増えます。
水、無糖のお茶、ブラックコーヒーなどへ変更するだけでも、1日の摂取量を減らしやすくなります。
食物繊維を取り入れて食べすぎを防ぐ
野菜、海藻、きのこ、豆類、玄米、全粒粉製品などに含まれる食物繊維は、食事のかさを増やし、満足感を得やすくします。
丼物や麺類だけで食事を済ませると、炭水化物に偏りやすくなります。
卵、豆腐、肉、魚、野菜などを組み合わせ、主食、主菜、副菜がそろうように意識しましょう。
食物繊維を急に増やしすぎると、お腹の張りや下痢、便秘が起こることがあるため、少しずつ増やしてください。
辛い物やサウナだけでは脂肪は減らない
辛い料理を食べたり、入浴やサウナで汗をかいたりすると、代謝が上がったように感じることがあります。
しかし、汗をかいた直後に減る体重の多くは水分です。水分を補給すれば体重は戻ります。
身体を温めることはリラックスや睡眠には役立ちますが、それだけで体脂肪が大きく減るわけではありません。
汗をかいた量を脂肪が燃えた量と考えず、食事と身体活動のバランスを整えましょう。
睡眠不足を改善する
睡眠不足が続くと、日中の眠気や疲労によって、身体を動かす量が減ります。
夜遅くまで起きていることで、夜食や間食の機会も増えやすくなります。
毎朝同じ時間に起き、夕方以降のカフェインや寝酒を控えましょう。
寝る直前までスマートフォンを見る習慣も、寝つきを悪くする場合があります。
大きないびき、睡眠中の無呼吸、起床時の頭痛、日中の強い眠気がある場合は、睡眠時無呼吸症候群が隠れている可能性があります。
体重は毎日の変化ではなく平均で見る
体重は、飲食量、水分、塩分、便通などによって、1日の中でも変動します。
前日より500g増えたからといって、そのすべてが脂肪になったわけではありません。
毎日同じ時間帯、同じ条件で測定し、1~4週間の平均的な変化を確認しましょう。
体重だけでなく、腹囲、歩数、筋力トレーニングの回数、間食や飲酒の回数を記録すると、改善すべき習慣を見つけやすくなります。
太りにくい1日の過ごし方
| 時間帯 | おすすめの行動 |
|---|---|
| 朝 | 同じ時間に起きて朝の光を浴び、卵や納豆などでたんぱく質を摂る |
| 通勤・移動 | 階段を使い、歩く距離を少し増やす |
| 仕事中 | 1時間に一度立ち上がり、数分身体を動かす |
| 昼 | 丼や麺だけにせず、肉・魚・卵・野菜を追加する |
| 夕方 | ウォーキングや筋力トレーニングを行う |
| 夜 | 食べすぎと飲酒を避け、就寝直前の夜食を控える |
ダイエット薬を検討する場合
食事や運動を続けても体重が減らず、肥満に伴う糖尿病、高血圧、脂質異常症などがある場合は、医療機関でダイエット薬が検討されることがあります。
ダイエット薬には、食欲を抑える薬、胃から食べ物が移動する速度を遅くする薬、脂肪の吸収を抑える薬などがあります。
ただし、薬を使えば代謝が永久に高くなり、好きなだけ食べても太らなくなるわけではありません。
ダイエット薬を使用する場合も、食事、運動、睡眠、体重記録を続けることが重要です。
ダイエット薬を個人輸入する場合の注意点
海外で流通しているダイエット薬を比較したい、通院する時間を取りにくいという理由から、個人輸入代行サイトを利用する人もいます。
個人輸入では、国内では入手しにくい商品を自宅から注文できる点がメリットです。
一方、体重が増えた背景に、甲状腺機能低下症、糖尿病、更年期、睡眠時無呼吸症候群、薬の副作用などが隠れている場合があります。
ダイエット薬によっては、吐き気、嘔吐、下痢、便秘、腹痛、脱水、低血糖などが起こる可能性があります。
個人輸入を利用する場合も、有効成分、含有量、用法・用量、禁忌、併用薬を確認し、自己判断で増量や複数薬の併用をしないでください。
医療機関へ相談した方がよい症状
次のような状態がある場合は、代謝が落ちただけと考えず、内科や内分泌内科などへ相談してください。
- 短期間で急に体重が増えた
- 食事量が少ないのに体重が増え続ける
- 顔や脚に強いむくみがある
- 寒がり、便秘、強い眠気がある
- 喉が異常に渇き、尿量が増えた
- 動悸、息切れ、胸痛がある
- 大きないびきや無呼吸を指摘された
- 薬を飲み始めてから体重が増えた
まとめ|筋肉と日常の活動量を増やして太りにくい習慣をつくろう
代謝を上げて太りにくい状態をつくるには、特定の食品やサプリメントだけに頼らず、筋肉量と身体活動量を維持することが重要です。
週2~3回の筋力トレーニングとウォーキングを取り入れ、座りっぱなしの時間を減らしましょう。
食事では、肉、魚、卵、大豆製品などから毎食たんぱく質を摂り、甘い飲み物、菓子、夜食、飲酒などの余分なカロリーを見直します。
極端な食事制限は筋肉量を減らし、かえって代謝を維持しにくくなる可能性があります。
睡眠時間を確保し、毎日の体重だけでなく、腹囲や活動量を数週間単位で確認することも大切です。
「食べても太らない身体」を目指すのではなく、食べたエネルギーを日常生活で使える身体と習慣をつくることが、長期的な体重管理のコツです。

