性欲とEDは一緒に低下するの?それとも性欲が先に減退する?
監修:医師・薬剤師監修
「性欲が落ちてきた気がする」「勃起力も以前より弱い」「これは男性更年期なのか、EDなのか」と悩む男性は少なくありません。
結論からいうと、性欲低下とEDは一緒に起こることもありますが、必ず同じタイミングで低下するわけではありません。人によっては性欲が先に落ちることもあれば、勃起力の低下が先に現れることもあります。
性欲は「性的な気持ちが湧くかどうか」、EDは「性的刺激があったときに十分な勃起が得られるか・維持できるか」の問題です。似ているようで、関係する仕組みは異なります。
つまり、性欲が低い=必ずED、ED=必ず性欲がない、ではありません。性欲はあるのに勃起が維持できない人もいれば、勃起機能は残っているのに、そもそも性行為への興味が薄れている人もいます。
性欲低下とEDの違い
| 項目 | 性欲低下 | ED |
|---|---|---|
| 主な問題 | 性的な興味・欲求が湧きにくい | 勃起の硬さや維持が不十分 |
| 関係しやすい要因 | テストステロン低下、ストレス、抑うつ、睡眠不足、関係性 | 血流障害、糖尿病、動脈硬化、神経障害、心理的不安 |
| 本人の感覚 | そもそもしたい気持ちが出ない | したい気持ちはあるが身体が反応しない |
| ED薬との関係 | 性欲そのものは直接増えない | 性的刺激がある場合に勃起を助ける |
性欲低下は、性的な興味や欲求そのものが弱くなる状態です。性的なことを考える回数が減る、誘われても気分が乗らない、以前ほど興奮しないといった変化として現れます。
一方、EDは性欲があっても、勃起が十分に硬くならない、挿入後に萎える、勃起を維持できない状態です。
「したい気持ちはあるのにできない」のがED、「そもそもしたい気持ちが湧きにくい」のが性欲低下です。
性欲とEDは一緒に低下することがある
性欲低下とEDは別の症状ですが、同じ原因から同時に起こることがあります。
代表的なのが、テストステロン低下、男性更年期、糖尿病、うつ状態、睡眠不足、慢性疲労、強いストレスです。
テストステロンは、男性の性欲、朝立ち、勃起機能、筋肉量、気力、集中力などに関係するホルモンです。このテストステロンが低下すると、性的な興味が薄れるだけでなく、勃起の反応も弱くなることがあります。
テストステロンが大きく低下している場合は、性欲と勃起機能の両方が落ちることがあります。
また、糖尿病や高血圧、脂質異常症などの生活習慣病がある人では、血管や神経の働きが悪くなり、EDが起こりやすくなります。そこへ疲労感や気分の落ち込みが重なると、性欲まで低下しているように感じることがあります。
性欲が先に減退するケース
性欲が先に落ちるケースでは、勃起機能そのものはまだ保たれていることがあります。
例えば、性的刺激があれば勃起はできるが、そもそも性行為への気持ちが起きないという状態です。
この場合、原因として考えやすいのは次のようなものです。
- テストステロン低下
- 男性更年期
- 慢性的な疲労
- 睡眠不足
- 仕事や家庭のストレス
- うつ状態
- パートナーとの関係性の変化
- 過度の飲酒
- 一部の抗うつ薬や睡眠薬などの影響
性欲が先に減る場合は、陰茎の血流よりも、ホルモン・睡眠・メンタル・生活環境の影響を先に考える必要があります。
特に、以前より朝立ちが減った、疲れが抜けない、イライラや気分の落ち込みがある、筋力が落ちた、内臓脂肪が増えたという人では、男性更年期やテストステロン低下が関係している可能性があります。
勃起力の低下が先に出るケース
反対に、性欲はあるのに勃起力が先に落ちるケースもあります。
この場合、「したい気持ちはある」「性的な興奮もある」「でも硬さが足りない」「途中で萎える」という形で現れます。
原因としては、次のようなものが考えられます。
- 加齢による血流低下
- 高血圧
- 糖尿病
- 脂質異常症
- 喫煙
- 肥満
- 動脈硬化
- 睡眠時無呼吸症候群
- 性行為への緊張や失敗不安
勃起は、性的刺激を受けた後に陰茎の血管が広がり、海綿体へ血液が流れ込むことで起こります。血管の働きが落ちると、性欲があっても勃起が十分に保てません。
そのため、EDは「性欲がなくなった結果」だけではなく、血管の不調として先に現れることがあります。
特に、糖尿病、高血圧、脂質異常症、喫煙習慣がある人は、性欲の有無にかかわらずEDが出やすくなります。
EDが続くと性欲も下がることがある
最初は勃起力の問題だけだったのに、失敗体験が続くことで性欲まで落ちることがあります。
例えば、次のような心理の流れです。
- 一度、中折れを経験する
- 次も失敗するのではと不安になる
- 性行為前から緊張する
- 緊張でさらに勃起しにくくなる
- 性行為そのものを避ける
- 結果的に性欲が低下したように感じる
この場合、性欲が本当に消えたというより、失敗への不安によって性的な場面を避けるようになっていることがあります。
EDと性欲低下は別の症状ですが、長引くと互いに悪循環を作ります。早い段階で原因を切り分けることが大切です。
性欲低下がEDを引き起こすこともある
勃起には性的刺激や興奮が必要です。
性欲が低下していると、性的刺激に対する脳の反応が弱くなり、陰茎への血流を増やす神経の働きも十分に起こりにくくなります。
そのため、性欲が低い状態では、ED薬を飲んでも「思ったほど効かない」と感じることがあります。
ED治療薬は性欲を直接高める薬ではありません。シルデナフィル、タダラフィル、バルデナフィルなどは、性的刺激があったときに勃起を助ける薬です。
つまり、性的な気分がほとんど湧かない状態では、ED薬だけで十分な満足感を得られない場合があります。
どちらが先に低下したかで考えるべき原因
| 先に出た変化 | 考えやすい原因 | 確認したいこと |
|---|---|---|
| 性欲が先に低下 | テストステロン低下、ストレス、睡眠不足、抑うつ、薬の影響 | 朝立ち、疲労感、気分、睡眠、ホルモン値 |
| EDが先に出た | 血流低下、糖尿病、高血圧、動脈硬化、緊張 | 血圧、血糖、脂質、喫煙、肥満、運動習慣 |
| 同時に低下 | 男性更年期、糖尿病、うつ、慢性疲労、生活習慣病 | テストステロン、生活習慣病、睡眠、メンタル |
| ED薬が効きにくい | 性的刺激不足、テストステロン低下、飲酒、食事、薬の使い方 | 服用タイミング、用量、食事、性欲の有無 |
朝立ちは重要なサイン
性欲低下やEDを考えるうえで、朝立ちは一つの参考になります。
朝立ちは、睡眠中の自律神経や血流、ホルモン状態と関係して起こります。
朝立ちがあるのに性行為のときだけ勃起しにくい場合は、緊張、不安、パートナーとの関係、プレッシャーなどの心因性EDが関係している可能性があります。
一方で、朝立ちが明らかに減り、性欲も落ち、疲労感や気分の落ち込みがある場合は、テストステロン低下や男性更年期を考える必要があります。
朝立ちの減少は、性欲低下とEDの両方を見直す重要なサインです。
テストステロン低下ではどちらが先に出やすい?
テストステロン低下では、まず性欲低下として自覚する人がいます。
「性行為をしたい気持ちが湧かない」「性的なことを考えなくなった」「パートナーに誘われても面倒に感じる」といった変化です。
その後、朝立ちの減少や勃起力低下に気づくケースもあります。
ただし、すべての人がこの順番になるわけではありません。血管性EDが先にある人では、性欲は保たれているのに勃起だけが弱くなることがあります。
「性欲が先か、EDが先か」だけで原因を断定するのではなく、朝立ち、疲労感、気分、生活習慣病の有無を合わせて考える必要があります。
ED薬を飲めば性欲も戻る?
ED薬で勃起がうまくいくようになると、自信が戻り、結果的に性行為への意欲が回復することはあります。
しかし、それはED薬が性欲を直接増やしているというより、失敗不安が軽くなった結果です。
テストステロン低下や抑うつが強い場合、ED薬を飲んでも性的な気分が湧かず、十分な効果を感じにくいことがあります。
性欲低下が主な悩みの場合は、ED薬だけでなく、ホルモン、睡眠、ストレス、気分の状態を確認することが大切です。
性欲低下とEDが同時にあるときの検査
性欲低下とEDが同時にある場合は、単にED薬を試すだけでなく、背景にある病気を確認することが重要です。
医療機関では、次のような項目を確認することがあります。
- 総テストステロン
- 遊離テストステロン
- 血糖値、HbA1c
- 脂質
- 血圧
- 肝機能、腎機能
- 甲状腺機能
- うつや不安の有無
- 睡眠時無呼吸症候群の可能性
- 服用中の薬
テストステロンは時間帯によって変動し、朝に高くなりやすいため、午前中に採血することがあります。
性欲低下とEDが同時にある場合は、ED薬だけでなく、ホルモンと生活習慣病の確認が重要です。
生活習慣で見直したいポイント
睡眠を整える
睡眠不足は性欲にも勃起機能にも影響します。
就寝前の飲酒、スマホ、夜更かしを減らし、朝の疲労感やいびきが強い場合は睡眠時無呼吸症候群も確認しましょう。
内臓脂肪を減らす
肥満はテストステロン低下、糖尿病、高血圧、EDと関係します。
まずは体重の3〜5%程度の減量を目標にし、夜食、甘い飲料、飲酒量を見直します。
運動習慣を作る
ウォーキングや軽い筋トレは、血流、代謝、睡眠、気分の改善に役立ちます。
過度な追い込みより、続けられる運動を選ぶことが重要です。
飲酒を減らす
飲酒は一時的に緊張を和らげる一方で、飲み過ぎると勃起力を下げ、睡眠の質も悪化させます。
ED薬を使用する場合も、過度の飲酒は効果を感じにくくする原因になります。
個人輸入でED薬や男性ホルモン関連商品を購入する場合
個人輸入代行では、シルデナフィル、タダラフィル、バルデナフィルなどのED治療薬や、男性ホルモン関連商品を比較できる場合があります。
自宅から成分や価格を比較できる点はメリットですが、性欲低下とEDを混同したまま選ぶと、期待した効果が得られないことがあります。
購入前には、次の点を確認してください。
- 悩みが性欲低下なのか、EDなのか
- 朝立ちがあるか
- 疲労感や気分の落ち込みがあるか
- 有効成分
- 1錠当たりの含有量
- 服用タイミングと作用時間
- 硝酸薬やリオシグアトを使っていないか
- 心臓病、低血圧、肝臓病、腎臓病の有無
- ほかのED薬との重複
- 製造元と使用期限
ED薬は性欲を直接高める薬ではありません。また、テストステロン製品を自己判断で使用すると、不妊、多血症、前立腺疾患の見落とし、睡眠時無呼吸の悪化などにつながる可能性があります。
妊活中の男性では、外からテストステロンを補うことで精子形成が抑えられる場合があります。自己判断で使用しないでください。
医療機関へ相談する目安
次のような場合は、泌尿器科、男性更年期外来、内分泌内科などへ相談してください。
- 性欲低下が3か月以上続いている
- 朝立ちが明らかに減った
- EDや中折れを繰り返している
- 性欲低下とEDが同時にある
- 疲労感、抑うつ、イライラがある
- 糖尿病、高血圧、脂質異常症がある
- 睡眠の質が悪い、いびきが強い
- ED薬を使っても効果を感じにくい
- 個人輸入した薬を使うか迷っている
- テストステロン補充療法を検討している
胸痛、息切れ、失神、強い抑うつ、自殺を考えるほどの精神状態がある場合は、早急に医療機関へ相談してください。
まとめ
性欲低下とEDは、一緒に起こることもありますが、必ず同時に低下するわけではありません。
性欲低下は「性的な気持ちが湧きにくい状態」、EDは「性的刺激があっても十分に勃起できない・維持できない状態」です。
テストステロン低下や男性更年期では、性欲が先に減退し、その後に朝立ちの減少やEDが目立つことがあります。一方で、高血圧、糖尿病、動脈硬化などでは、性欲はあるのに勃起力だけが先に低下することがあります。
EDが続くと失敗不安から性行為を避けるようになり、結果的に性欲まで落ちたように感じることもあります。
ED薬は勃起を助ける薬であり、性欲そのものを直接高める薬ではありません。性欲低下が強い場合は、テストステロン、睡眠、ストレス、抑うつ、生活習慣病を確認することが重要です。
個人輸入代行ではED薬や男性ホルモン関連商品を比較できますが、性欲低下なのかEDなのかを切り分けたうえで、成分、含有量、禁忌、併用薬を確認して選びましょう。

