痛風の薬にはどんな種類がある?コルヒチンと尿酸降下薬の違いを解説
監修:医師・薬剤師監修
痛風の薬というと、「痛み止め」「コルヒチン」「尿酸値を下げる薬」など、いくつかの名前を聞いたことがある人も多いでしょう。
しかし、痛風の薬は大きく分けると、今起きている痛風発作の痛みや炎症を抑える薬と、尿酸値を下げて将来の発作を防ぐ薬に分かれます。
この違いを理解しないまま薬を使うと、「尿酸値を下げる薬を飲んだのに痛みがすぐ引かない」「発作中に薬を始めたら逆に痛みが出た」「コルヒチンを多く飲み過ぎた」といったトラブルにつながることがあります。
コルヒチンは痛風発作の炎症を抑える薬であり、尿酸値を長期的に下げる薬ではありません。一方、アロプリノールやフェブキソスタットなどの尿酸降下薬は、発作時の痛み止めではなく、尿酸値を管理して再発を防ぐための薬です。
痛風の薬は大きく2種類に分かれる
| 分類 | 主な薬 | 目的 | 使う場面 |
|---|---|---|---|
| 発作を抑える薬 | NSAIDs、コルヒチン、ステロイド薬 | 痛み・腫れ・炎症を抑える | 痛風発作が起きたとき |
| 尿酸値を下げる薬 | アロプリノール、フェブキソスタット、トピロキソスタット、ドチヌラド、ベンズブロマロンなど | 尿酸値を下げ、再発や痛風結節を防ぐ | 発作を繰り返す人、高尿酸血症が続く人 |
痛風発作は、関節にたまった尿酸結晶に対して身体の免疫が反応し、強い炎症を起こすことで発生します。そのため、発作中はまず炎症を抑える治療が中心になります。
一方、痛風発作を何度も繰り返す背景には、血液中の尿酸値が高い状態が続いていることがあります。尿酸降下薬は、この高尿酸状態を改善し、尿酸結晶が増えないようにする薬です。
痛風治療では、「発作を止める治療」と「尿酸値を下げる治療」を分けて考えることが重要です。
痛風発作を抑える薬
痛風発作が起きているときは、関節が赤く腫れ、少し触れただけでも強い痛みが出ることがあります。
この急性期に使われる主な薬は、NSAIDs、コルヒチン、副腎皮質ステロイド薬です。Mayo Clinicでも、痛風発作の治療薬としてNSAIDs、コルヒチン、ステロイド薬が挙げられています。
NSAIDs
NSAIDsは、非ステロイド性抗炎症薬と呼ばれる薬です。
痛風発作で起きている強い炎症を抑え、痛みや腫れを和らげます。一般的には、ナプロキセン、インドメタシン、ロキソプロフェンなどの成分が使われることがあります。
NSAIDsは発作時の痛みを抑える薬として使いやすい一方、胃腸障害、腎機能への影響、血圧上昇、心血管系への負担などに注意が必要です。
特に、胃潰瘍の既往がある人、腎機能が低下している人、高齢者、抗凝固薬を使用している人は、自己判断で使用しないでください。
コルヒチン
コルヒチンは、痛風発作の炎症に関わる白血球の働きを抑える薬です。
痛風発作の初期や、発作が起こりそうな前兆があるときに使われることがあります。また、尿酸降下薬を始めた直後に発作が起こりやすい人では、発作予防として少量使われることもあります。
ただし、コルヒチンは尿酸値を下げる薬ではありません。今ある尿酸を体外へ出したり、尿酸の産生を抑えたりする薬ではなく、発作時の炎症反応を抑える薬です。
コルヒチンは用量を守ることが非常に重要です。PMDA(医薬品医療機器総合機構)は、コルヒチンの高用量使用によって重い中毒症状が起こるおそれがあり、痛風発作に用いる場合でも1日最大投与量に注意する必要があるとしています。
痛みが強いからといって、コルヒチンを短時間に何錠も追加してはいけません。下痢、吐き気、嘔吐、腹痛などが出た場合は、過量や副作用の可能性があります。
副腎皮質ステロイド薬
ステロイド薬は、強い炎症を抑える薬です。
NSAIDsが使いにくい人、腎機能や胃腸への影響が心配な人、複数の関節に発作が出ている人などで検討されることがあります。
内服薬、注射薬、関節内注射など、症状や状態によって使い分けられます。
ただし、糖尿病、高血圧、感染症、胃潰瘍などがある人では注意が必要です。自己判断で手元のステロイド薬を使うのではなく、医師の判断に従ってください。
尿酸値を下げる薬とは?
尿酸降下薬は、血液中の尿酸値を下げることで、痛風発作の再発や痛風結節、尿路結石などを防ぐために使われます。
尿酸降下薬には、大きく分けて次の種類があります。
| 分類 | 主な成分 | 働き |
|---|---|---|
| 尿酸生成抑制薬 | アロプリノール、フェブキソスタット、トピロキソスタット | 体内で尿酸が作られる量を抑える |
| 尿酸排泄促進薬 | ベンズブロマロン、プロベネシドなど | 尿から尿酸を排泄しやすくする |
| 尿酸再吸収阻害薬 | ドチヌラドなど | 腎臓で尿酸が再吸収されるのを抑える |
日本の高尿酸血症・痛風の治療では、アロプリノールやフェブキソスタットなどの尿酸生成抑制薬、尿酸排泄に関わる薬などが、患者の状態に応じて使い分けられます。
アロプリノール
アロプリノールは、尿酸生成抑制薬の代表的な成分です。
体内でプリン体から尿酸が作られる過程に関わるキサンチンオキシダーゼという酵素を抑え、尿酸値を下げます。
長く使われている薬で、痛風や高尿酸血症の治療で広く使用されています。
注意点として、腎機能が低下している人では用量調整が必要になる場合があります。また、まれに重い薬疹が起こることがあり、発疹、発熱、のどの痛み、目の充血、口内炎などが出た場合はすぐに受診が必要です。
アロプリノールは痛み止めではないため、発作中の痛みをすぐに消す目的で飲む薬ではありません。
フェブキソスタット
フェブキソスタットも、尿酸生成を抑える薬です。
アロプリノールと同じく、キサンチンオキシダーゼを阻害して尿酸値を下げます。
腎機能が低下している人でも使いやすい場合がありますが、患者の心血管リスクや持病によって慎重な判断が必要です。
尿酸値を下げる力が比較的しっかりしている一方、治療開始直後に尿酸値が急に変動すると痛風発作が誘発されることがあります。
フェブキソスタットを始めた直後に発作が起きても、「薬が合わない」と自己判断で中止しないでください。開始初期の発作予防として、コルヒチンやNSAIDsを併用することがあります。
トピロキソスタット
トピロキソスタットも、尿酸生成抑制薬の一つです。
尿酸を作る酵素を抑えることで尿酸値を下げます。アロプリノールやフェブキソスタットと同じ系統に分類されますが、製品ごとに用法や用量が異なります。
腎機能、肝機能、併用薬などを確認しながら使用する必要があります。
ベンズブロマロン
ベンズブロマロンは、尿酸を尿中へ排泄しやすくする薬です。
尿酸が体内で多く作られているタイプより、尿酸の排泄が低下しているタイプで検討されることがあります。
注意点として、尿中の尿酸が増えるため、尿路結石がある人や結石を起こしやすい人では慎重な判断が必要です。十分な水分摂取や尿の管理が重要になります。
また、肝機能障害にも注意が必要です。服用中は定期的な血液検査が必要になることがあります。
ドチヌラド
ドチヌラドは、尿酸トランスポーターに作用し、腎臓で尿酸が再吸収されるのを抑えることで尿酸値を下げる薬です。
尿酸排泄に関わる薬の中でも、比較的新しい選択肢として使われています。
尿酸を尿から出しやすくする薬であるため、尿路結石のリスクや腎機能、尿の状態を確認しながら使用します。
コルヒチンと尿酸降下薬の違い
| 項目 | コルヒチン | 尿酸降下薬 |
|---|---|---|
| 主な目的 | 痛風発作の炎症を抑える | 尿酸値を下げて再発を防ぐ |
| 尿酸値への作用 | 直接下げない | 下げる |
| 使う時期 | 発作初期、発作予防 | 長期管理 |
| 効果の考え方 | 痛みや腫れの悪化を抑える | 尿酸結晶を減らす方向へ導く |
| 注意点 | 過量で重い中毒症状の危険 | 開始初期に発作が起こることがある |
コルヒチンは「発作対策」、尿酸降下薬は「再発予防」と考えると分かりやすいです。
コルヒチンを飲んでも尿酸値は下がりません。反対に、尿酸降下薬を飲んでも、今起きている関節の激痛がすぐに消えるわけではありません。
痛風治療では、この2つを混同しないことが大切です。
尿酸降下薬を始めると発作が起こることがある理由
尿酸降下薬を開始すると、血液中の尿酸値が下がります。
一見良いことのように思えますが、尿酸値が急に変動すると、関節にたまっていた尿酸結晶が動き、痛風発作が起こることがあります。
そのため、尿酸降下薬は少量から開始し、尿酸値を見ながら徐々に調整することがあります。
Mayo Clinicでも、尿酸値を下げる薬を始めたときに痛風発作が起こる場合があり、発作予防としてNSAIDs、コルヒチン、低用量ステロイドなどが使われることがあるとされています。
尿酸降下薬を始めて発作が出たからといって、自己判断で中止しないことが重要です。中止と再開を繰り返すと、尿酸値が安定せず、かえって発作を繰り返す原因になります。
発作中に尿酸降下薬を始めてもいい?
以前は、痛風発作中に尿酸降下薬を新たに開始することは避ける考え方が一般的でした。
現在は、患者の状態や医師の判断によって、発作治療と並行して尿酸降下薬を開始する場合もあります。ただし、自己判断で始めるべきではありません。
すでに尿酸降下薬を継続している人が発作を起こした場合、自己判断で中断しないよう指導されることがあります。
発作中に尿酸降下薬を始めるか、継続するか、中止するかは、発作の状態、過去の治療歴、腎機能、併用薬によって変わります。
薬を選ぶときに確認すること
痛風の薬は、痛みの強さだけで選ぶものではありません。
次のような項目を確認しながら、薬の種類を決めます。
- 発作が起きているか
- 尿酸値がどの程度高いか
- 痛風発作の回数
- 痛風結節の有無
- 尿路結石の有無
- 腎機能
- 肝機能
- 胃潰瘍や消化管出血の既往
- 高血圧、糖尿病、脂質異常症の有無
- 服用中の薬
同じ痛風でも、腎臓が弱い人、胃が弱い人、尿路結石がある人では、適した薬が変わります。
痛風発作時にやってはいけないこと
- 痛い関節を強く揉む
- 長時間入浴して温める
- 飲酒する
- 激しい運動をする
- コルヒチンを自己判断で増やす
- 尿酸降下薬を勝手に中止する
- 家族や知人の薬を飲む
発作時は、患部を安静にして、冷やすことが基本です。痛みが強い場合は早めに医療機関へ相談しましょう。
個人輸入で痛風の薬を購入する場合
個人輸入代行では、コルヒチン、アロプリノール、フェブキソスタットなど、国内外の痛風関連薬やジェネリック医薬品を比較できる場合があります。
通院の時間が取りにくい人や、同じ成分の薬を価格や容量で比較したい人にとって、自宅から注文できる点はメリットです。
ただし、痛風の薬は使い分けが重要です。
発作を抑える薬と尿酸値を下げる薬を混同して購入すると、痛みが改善しないだけでなく、副作用や発作悪化につながる可能性があります。
購入前には、次の内容を必ず確認してください。
- 有効成分
- 1錠当たりの含有量
- 発作時に使う薬か、尿酸値を下げる薬か
- 1日の上限量
- 腎機能や肝機能に応じた注意
- 胃潰瘍、心臓病、腎臓病、尿路結石の有無
- 抗菌薬、抗真菌薬、降圧薬、抗凝固薬などとの相互作用
- 下痢、発疹、肝機能障害などの副作用
- 製造元と使用期限
特にコルヒチンは、用量を誤ると重い副作用を起こす可能性があります。痛みが強いからといって、自己判断で追加服用しないでください。
医療機関へ相談する目安
次のような場合は、内科、整形外科、リウマチ科、泌尿器科などへ相談してください。
- 初めて関節が赤く腫れて激しく痛む
- 痛風発作を繰り返している
- 足の親指以外の関節にも痛みが出る
- 膝や足首が大きく腫れている
- 発熱や寒気を伴う
- 尿酸値が高い状態が続いている
- 尿路結石を起こしたことがある
- 腎機能が低下している
- コルヒチンで下痢や吐き気が出た
- 尿酸降下薬を始めた後に発作が増えた
- 個人輸入した薬の成分や用量が分からない
発熱、悪寒、強い腫れを伴う関節痛は、痛風ではなく細菌感染による化膿性関節炎の可能性もあります。放置すると関節が傷むことがあるため、早急な受診が必要です。
まとめ
痛風の薬は、今起きている発作を抑える薬と、尿酸値を下げて再発を防ぐ薬に分かれます。
発作時には、NSAIDs、コルヒチン、ステロイド薬などで痛みや炎症を抑えます。
一方、アロプリノール、フェブキソスタット、トピロキソスタット、ドチヌラド、ベンズブロマロンなどは、尿酸値を下げて将来の発作を予防する薬です。
コルヒチンは痛風発作の炎症を抑える薬であり、尿酸値を下げる薬ではありません。尿酸降下薬は再発予防のための薬であり、発作時の痛み止めではありません。
尿酸降下薬を始めた直後は、尿酸値の変動によって発作が起こることがあります。そのため、少量から開始し、必要に応じて発作予防薬を併用することがあります。
個人輸入代行では痛風関連薬を比較できますが、発作時の薬と尿酸降下薬の違いを理解し、有効成分、含有量、上限量、腎機能・肝機能への注意を確認することが重要です。

