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ダイエット目的でマンジャロを使用すると副作用で薄毛になるって本当?

ダイエット薬

ダイエット目的でマンジャロを使用すると副作用で薄毛になるって本当?原因と対処法を解説

監修:医師・薬剤師

マンジャロを使って体重が落ち始めた人の中には、「最近、抜け毛が増えた気がする」「マンジャロを使うと薄毛になるという話を見たけど本当?」と不安になる人もいるでしょう。

結論からいうと、マンジャロの有効成分であるチルゼパチドの使用中に、脱毛症が報告されているのは事実です。米国のMOUNJARO(チルゼパチド)の最新処方情報にも、市販後に報告された皮膚・皮下組織の副作用として「alopecia(脱毛症)」が記載されています。

さらに、日本で肥満症治療薬として承認されている同じ有効成分のゼップバウンド(チルゼパチド)では、脱毛症が「1~5%未満」の副作用として添付文書に記載されています。

ただし、ここで重要なのは、「チルゼパチドが直接毛根を傷つけて髪を抜いている」とは限らないことです。

チルゼパチドによって短期間で体重が大きく減少したり、食事量が減ってたんぱく質・鉄・亜鉛などの栄養摂取が不足したりすると、身体へのストレスをきっかけとして「休止期脱毛」が起こる可能性があります。

この記事では、マンジャロ使用中に薄毛が起こる可能性、なぜ体重減少で抜け毛が増えることがあるのか、どのような脱毛なら受診した方がよいのかを分かりやすく解説します。

まず知っておきたい|マンジャロとゼップバウンドは同じ「チルゼパチド」

マンジャロとゼップバウンドには、どちらもチルゼパチドという同じ有効成分が使われています。

チルゼパチドはGIP受容体とGLP-1受容体の両方へ作用し、血糖値や食欲などへ影響する薬です。

ただし、日本での承認目的には違いがあります。

2026年8月現在、日本のマンジャロの効能・効果は「2型糖尿病」です。

一方、日本ではチルゼパチドを有効成分とするゼップバウンドが肥満症治療薬として承認され、2025年4月から販売されています。

そのため、単純な美容目的の減量として「マンジャロを使う」という場合には、日本の承認された使用目的とは異なることがあります。

肥満症の薬物治療が必要かどうかはBMIだけではなく、肥満に関連する健康障害などを含めて医師が判断します。

チルゼパチドで本当に薄毛になることはある?

あります。

日本のゼップバウンド添付文書では、「その他の副作用」の項目に脱毛症が掲載されています。発現頻度は1~5%未満に分類されています。

米国で肥満症治療に使用されるZepboundの臨床試験でも、脱毛は、

  • 5mg:5%
  • 10mg:4%
  • 15mg:5%
  • プラセボ:1%

と報告されています。

つまり、「チルゼパチドで薄毛になるという話は完全なデマ」というわけではありません。

一方で、使用した人の大部分に脱毛が起こるわけでもありません。

「マンジャロを使えば必ず髪が薄くなる」と考える必要もありません。

なぜマンジャロで抜け毛が増えるの?

現時点では、チルゼパチドが毛包そのものを直接攻撃して脱毛を起こしていると確定しているわけではありません。

むしろ、体重減少に伴う身体的ストレスや食事量の低下など、複数の要因が関係している可能性があります。

原因1|短期間で大きく体重が減った

チルゼパチドは体重減少効果が大きい薬です。

SURMOUNT-1試験では、肥満または過体重の成人を対象として72週間治療したところ、チルゼパチド群で大きな体重減少が確認されました。

体重が減ること自体が悪いわけではありません。

しかし、身体にとって短期間の大きな体重変化は一種のストレスになります。

強い身体的ストレスがかかると、本来成長期にある毛髪の一部が休止期へ移行し、その後まとまって抜ける「休止期脱毛」が起こることがあります。

ダイエット後に、

  • シャンプー時の抜け毛が増える
  • ドライヤー後に髪が大量に落ちる
  • 頭部全体のボリュームが減る

という場合には、このタイプの脱毛が考えられます。

チルゼパチド使用中の脱毛は、「薬そのもの」だけでなく、薬によって起こった急速な体重減少が関係している可能性も考える必要があります。

原因2|食欲が落ちて食事量が減りすぎる

チルゼパチドでは食欲減退が副作用として起こることがあります。

日本の肥満症用チルゼパチド製剤の臨床試験でも、悪心、下痢、便秘、食欲減退などの消化器症状が主な副作用として報告されています。

食欲が落ちることで体重を減らしやすくなる一方、「食べなくても平気だから」と必要以上に食事量を減らしてしまうことがあります。

例えば、

  • 朝食を抜く
  • 昼食はヨーグルトだけ
  • 夕食もほとんど食べない

という生活になれば、エネルギーだけでなく髪の材料となる栄養素まで不足します。

「食べられないほど効いている=ダイエットが成功している」とは考えない方がよいでしょう。

原因3|たんぱく質不足

髪の主成分はケラチンというたんぱく質です。

そのため、ダイエット中に肉・魚・卵・大豆製品などを極端に減らすと、身体が必要とするたんぱく質を確保しにくくなります。

チルゼパチドによって食欲がかなり低下している人では、本人が思っている以上に摂取量が減っている場合があります。

特に、

  • プロテインだけで食事を済ませる
  • 野菜だけ食べる
  • 1日1食にする

など極端な食事制限を重ねると、健康的な減量とはいえません。

薄毛を防ぐ意味でも、減量中は「食べない」ではなく「必要な栄養を確保しながら摂取エネルギーを調整する」ことが重要です。

原因4|鉄・亜鉛などの不足

食事量が大幅に減少すると、たんぱく質だけでなく鉄や亜鉛などの微量栄養素も不足する可能性があります。

特に女性では月経による鉄の喪失もあるため、もともと鉄が不足気味の状態で強い食事制限を行うと、鉄欠乏が目立つようになることがあります。

脱毛が気になる場合には、食事内容だけでなく、必要に応じて医療機関で貧血や鉄の状態などを確認することもあります。

ただし、「抜け毛=鉄不足」「抜け毛=亜鉛不足」と自己判断して大量のサプリメントを飲むことはおすすめできません。

マンジャロによる薄毛はAGAと同じ?

必ずしも同じではありません。

男性型脱毛症(AGA)では、主に男性ホルモン由来のDHT(ジヒドロテストステロン)が毛包へ作用し、髪の成長期が短くなることによって薄毛が進行します。

典型的には、

  • 生え際が後退する
  • 頭頂部が薄くなる
  • 徐々に数年かけて進行する

という特徴があります。

一方、急激な体重減少などに伴う休止期脱毛では、特定の部位だけではなく頭部全体から均等に抜け毛が増えることがあります。

そのため、チルゼパチド使用中に抜け毛が増えたとしても、すべてをAGAと考える必要はありません。

女性ではどんな抜け方に注意?

女性でもチルゼパチドによる体重減少中に脱毛を感じることがあります。

米国Zepboundの臨床データでも脱毛症が確認されています。

女性では、

  • 分け目が以前より目立つ
  • 髪全体のボリュームが減った
  • 髪を結んだとき束が細くなった

などで変化に気づくことがあります。

一方で女性の薄毛には、鉄欠乏、甲状腺機能異常、女性型脱毛症などほかの原因もあります。

チルゼパチドを使用しているという理由だけで、すべて薬の副作用と決めつけないことも重要です。

いつ頃から抜け毛が増える?

休止期脱毛の場合、体重が減った直後に髪が抜け始めるとは限りません。

身体的なストレスを受けた毛髪が休止期へ移行し、実際に抜け落ちるまでには時間差があります。

そのため、

「マンジャロを使い始めてすぐではなく、しばらくしてから急に抜け毛が増えた」

ということもあり得ます。

抜け毛が始まった時期だけを見るのではなく、数か月前からの、

  • 体重の変化
  • 食事量
  • 体調
  • ストレス

などを振り返ることが大切です。

抜け毛が出たらマンジャロをすぐ中止すべき?

自己判断で中止するのはおすすめできません。

マンジャロを2型糖尿病治療として使用している場合、突然中止すれば血糖管理へ影響する可能性があります。日本でのマンジャロの効能・効果は2型糖尿病です。

また、肥満症治療としてチルゼパチドを使用している場合も、体重減少の速度や副作用を含めて医師が治療を調整します。

抜け毛が増えた場合は、

  • どの程度体重が減ったか
  • 食事量が極端に減っていないか
  • たんぱく質を取れているか
  • ほかに体調変化がないか

を確認し、処方医へ相談しましょう。

薄毛が気になったときの対処法1|減量ペースを確認する

体重は速く落ちれば落ちるほどよいわけではありません。

食欲がほとんどなく、短期間に大幅に体重が減っているのであれば、現在の治療や食事内容を見直した方がよい場合があります。

特に、吐き気や嘔吐などが強く、十分に食事や水分を取れない状態が続いている場合は医師へ相談してください。

薄毛だけを見るのではなく、「身体に無理のない減量になっているか」を確認することが重要です。

対処法2|食事を抜きすぎない

チルゼパチドによって食欲が減っていると、食事を抜くことが簡単になります。

しかし、健康的に体重を減らすためには必要な栄養素を確保しなければなりません。

少量でも、

  • 乳製品
  • 大豆食品

などのたんぱく質源を毎日の食事へ取り入れましょう。

食事量がかなり少なくなっている場合は、管理栄養士などへ相談する方法もあります。

対処法3|サプリだけで解決しようとしない

抜け毛が増えると、亜鉛、鉄、ビオチンなどのサプリメントを購入したくなるかもしれません。

しかし、原因となる栄養素が不足しているかどうかを確認せず、サプリメントだけ追加しても改善するとは限りません。

また、鉄や亜鉛は過剰摂取による問題もあります。

まず毎日の食事量と内容を確認し、必要に応じて血液検査などで不足の有無を確認することが大切です。

ミノキシジルを使った方がいい?

抜け毛が増えたからといって、すぐミノキシジルが必要とは限りません。

休止期脱毛が原因であれば、原因となった体重減少や栄養状態が落ち着くことで改善する可能性があります。

一方、もともとAGAや女性型脱毛症があり、減量をきっかけに薄毛が目立つようになった可能性もあります。

そのため、

  • 生え際だけが後退している
  • 頭頂部だけ薄くなっている
  • 半年以上脱毛が続いている

場合は皮膚科やAGA治療を扱う医療機関へ相談するとよいでしょう。

どのくらいで髪は戻る?

急激な体重減少などをきっかけとした休止期脱毛であれば、原因となる状態が改善することで毛周期も徐々に正常化していく可能性があります。

ただし、髪は1か月で一気に元通りになるものではありません。

抜け毛が落ち着いてから新しい髪が伸び、見た目のボリュームが戻るまでには時間がかかります。

体重減少が止まった翌週に髪が元通りになるわけではないため、数か月単位で経過を見る必要があります。

こんな抜け毛は医療機関へ相談

チルゼパチド使用中に次のような変化がある場合は、処方医や皮膚科へ相談しましょう。

  • 突然大量に髪が抜け始めた
  • 頭皮が見えるほど急激に薄くなった
  • 円形に髪が抜けている
  • 頭皮に赤み・痛み・強いかゆみがある
  • 半年以上抜け毛が続いている
  • 強い疲労や息切れなどもある

円形脱毛症、甲状腺疾患、鉄欠乏、AGAなど、チルゼパチドとは別の病気が隠れている可能性もあります。

「痩せるほど抜け毛が増える」状態は放置しない

チルゼパチドの治療中に、

「どんどん痩せているから順調」

と思っていても、同時に、

  • 筋肉が大きく落ちた
  • 強い疲労感がある
  • 抜け毛が増えた
  • 食事がほとんど取れない

状態になっているのであれば、減量の仕方を見直す必要があります。

体重の数字だけを減らすことが肥満症治療の目的ではありません。

筋肉量や栄養状態をできるだけ維持しながら、健康状態を改善することが重要です。

マンジャロと薄毛について整理

疑問 答え
チルゼパチドで脱毛は報告されている? 報告あり。国内ゼップバウンドでも副作用として記載
使えば必ず薄毛になる? ならない。発症するのは一部
薬が直接毛根を壊す? それだけが原因とは確認されていない
急激な減量は関係する? 休止期脱毛のきっかけになる可能性がある
抜け毛が出たら即中止? 自己判断せず処方医へ相談

よくある質問

マンジャロを使うと本当にハゲますか?

必ず薄毛になるわけではありません。ただし、同じ有効成分チルゼパチドの国内肥満症治療薬ゼップバウンドでは、脱毛症が1~5%未満の副作用として添付文書に記載されています。

マンジャロで薄毛になるのは薬の副作用ですか?

チルゼパチド使用中の脱毛症は副作用として報告されています。一方で、急速な体重減少や食事量低下などによる休止期脱毛が関係している可能性もあり、原因を単純に薬の直接作用だけとは断定できません。米国のMOUNJARO処方情報でも市販後の脱毛症が記載されています。

どれくらいの人に脱毛が起こりますか?

米国Zepboundの肥満症臨床試験では、脱毛はチルゼパチド群で4~5%、プラセボ群で1%でした。 日本の添付文書では脱毛症は1~5%未満に分類されています。

抜け毛が増えたらマンジャロをやめた方がいいですか?

自己判断で中止せず処方医へ相談してください。特にマンジャロを2型糖尿病の治療として使用している場合は、突然中止すると血糖管理へ影響する可能性があります。日本でのマンジャロの効能・効果は2型糖尿病です。

栄養をしっかり取れば薄毛を防げますか?

すべての脱毛を予防できるとは限りませんが、食事量を極端に減らさず、十分なたんぱく質や必要な栄養素を確保することは重要です。特に食欲減退が強い場合は、食事内容について処方医や管理栄養士へ相談しましょう。

まとめ

「マンジャロを使用すると薄毛になることがある」という情報には、一定の根拠があります。

マンジャロと同じ有効成分チルゼパチドを使用した日本の肥満症治療薬ゼップバウンドでは、脱毛症が1~5%未満の副作用として正式に添付文書へ記載されています。

米国Zepboundの臨床試験でも、脱毛はチルゼパチド群で4~5%、プラセボ群では1%でした。

一方で、チルゼパチドが直接毛根を攻撃して髪を抜いていると単純に考えることはできません。

チルゼパチドによって大きな体重減少が起こることが確認されており、 急速な減量、食欲低下、摂取エネルギーやたんぱく質不足などが重なり、休止期脱毛につながっている可能性も考える必要があります。

そのため、抜け毛が気になった場合は「薄毛になったからすぐ薬をやめる」のではなく、まず体重減少のペースや食事内容を確認しましょう。

大量の抜け毛が続く、頭皮が見えるほど急激に薄くなった、円形に抜ける、半年以上続くといった場合は、チルゼパチド以外の脱毛症も含めて皮膚科などで確認することをおすすめします。

なお、2026年8月現在、日本のマンジャロは2型糖尿病治療薬であり、肥満症を適応として承認されているチルゼパチド製剤はゼップバウンドです。 美容目的だけで自己判断して使用するのではなく、治療の必要性や副作用について医師と相談したうえで使用しましょう。

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