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甲状腺機能が低下すると太りやすくなる?むくみ・だるさとの関係

女性ホルモン・黄体ホルモン

甲状腺機能が低下すると太りやすくなる?むくみ・だるさとの関係

医師・薬剤師監修

「食べる量は変わっていないのに体重が増えた」「最近むくみやすく、だるさも続く」という場合、甲状腺機能の低下が関係していることがあります。

結論からいうと、甲状腺機能が低下すると、代謝が落ちることで体重が増えやすくなり、むくみ・寒がり・便秘・だるさなどの症状が出ることがあります。

ただし、体重増加のすべてが甲状腺の病気によるものではありません。生活習慣、睡眠不足、加齢、薬の影響などでも似た症状は起こります。

「最近太った=甲状腺機能低下症」と自己判断するのではなく、ほかの症状や血液検査と合わせて確認することが大切です。

甲状腺とはどんな臓器?

甲状腺は首の前側にある小さな臓器で、甲状腺ホルモンを分泌しています。

このホルモンは、身体のエネルギー消費、体温、心拍、腸の動きなどに関わります。

甲状腺ホルモンは、身体全体の「代謝のアクセル」のような役割を持っています。

甲状腺機能低下症とは?

甲状腺機能低下症は、甲状腺ホルモンの分泌が不足し、身体の代謝が低下した状態です。

代表的な原因のひとつが橋本病です。

橋本病では、自己免疫の影響によって甲状腺に慢性的な炎症が起こり、徐々に甲状腺機能が低下することがあります。

女性に多い病気ですが、男性にも起こります。

なぜ甲状腺機能が低下すると太りやすい?

甲状腺ホルモンが不足すると、基礎代謝が低下します。

その結果、以前と同じ食事量でもエネルギー消費が減り、体重が増えやすくなることがあります。

ただし、甲状腺機能低下による体重増加は、脂肪だけではなく体内にたまった水分も関係します。

急に何kgも太ることはある?

甲状腺機能低下症では、数kg程度の体重増加がみられることがあります。

ただし、短期間で10kg以上増えた場合などは、甲状腺以外の原因も考える必要があります。

体重増加のスピードや程度だけで診断することはできません。

むくみが出やすくなる理由

甲状腺機能が低下すると、皮膚や皮下組織に水分を引き込みやすい物質がたまり、むくみのような変化が起こることがあります。

このむくみは、心不全や腎臓病でみられる一般的な浮腫とは性質が異なることがあります。

顔やまぶたがむくんで見える、手足が腫れぼったいといった症状が出ることがあります。

朝に顔がむくむこともある?

あります。

特にまぶたや顔まわりの腫れぼったさを感じる人もいます。

ただし、朝の顔のむくみは、塩分の多い食事、飲酒、睡眠不足などでも起こります。

むくみだけで甲状腺の病気と決めつけるのは避けましょう。

だるさが強くなるのはなぜ?

代謝が低下すると、身体のエネルギー産生も低下しやすくなります。

そのため、十分寝ても疲れが取れない、何をするにも億劫、身体が重いといった症状が出ることがあります。

「疲れているだけ」と思っていたら、実は甲状腺機能低下症が隠れていたというケースもあります。

寒がりになることもある?

あります。

甲状腺ホルモンは熱産生にも関係するため、不足すると寒さを感じやすくなります。

以前より厚着が必要になった、周囲の人より寒がるようになった場合は、ほかの症状と合わせて確認するとよいでしょう。

寒がり・むくみ・体重増加・だるさが組み合わさる場合は、甲状腺機能を確認する理由のひとつになります。

便秘も関係する?

甲状腺機能が低下すると、腸の動きもゆっくりになることがあります。

その結果、便秘がちになる人もいます。

もともと便秘ではなかったのに、体重増加や寒がりと同時に便秘も出てきた場合は注意しましょう。

脈が遅くなることもある?

あります。

甲状腺ホルモンが不足すると心拍数が低下し、脈が遅くなることがあります。

動悸よりも「脈が遅い」「身体が重い」と感じるケースが多いです。

徐脈が強い場合やめまいを伴う場合は、医療機関で確認しましょう。

肌や髪にも変化が出る?

甲状腺機能低下症では、皮膚が乾燥しやすくなったり、髪がパサついたりすることがあります。

また、抜け毛が増えたように感じる人もいます。

乾燥肌・抜け毛・寒がり・便秘・むくみなどが同時に出る場合は、甲状腺機能低下症を疑う材料になります。

AGAや女性の薄毛と間違うことはある?

あります。

AGAや女性型脱毛症では、特定の部位を中心に徐々に髪が細くなることが多いです。

一方、甲状腺機能低下症では、頭全体の髪が薄く感じたり、抜け毛が広範囲に増えたりすることがあります。

急に全体的な抜け毛が増え、ほかにだるさや寒がりがある場合は、甲状腺の確認も検討しましょう。

月経にも影響する?

甲状腺機能低下症では、月経不順や過多月経がみられることがあります。

ホルモンバランス全体に影響するためです。

月経の変化と体重増加、むくみ、寒がりなどが同時にある場合は婦人科や内科で相談しましょう。

コレステロールが高くなることもある?

あります。

甲状腺機能が低下すると、脂質代謝が低下し、LDLコレステロールが上昇することがあります。

健康診断で急にコレステロールが高くなった場合、背景に甲状腺機能低下症がないか確認することがあります。

食生活だけが原因とは限りません。

血液検査では何を見る?

甲状腺機能を確認する代表的な検査がTSHとFT4です。

TSHは脳下垂体から分泌され、甲状腺へ「ホルモンを作るように」と指示するホルモンです。

甲状腺機能が低下すると、一般的にはTSHが高くなり、FT4が低くなります。

症状だけでは判断しにくいため、診断には血液検査が重要です。

TSHだけ高い場合は?

TSHが高くてもFT4が正常な場合、「潜在性甲状腺機能低下症」と呼ばれることがあります。

この場合、全員がすぐ治療を始めるわけではありません。

TSHの値、年齢、症状、妊娠希望、心血管リスクなどを含めて判断します。

検査値だけを見て自己判断で甲状腺ホルモン薬を使用しないようにしましょう。

橋本病なら必ず薬が必要?

必ずしもそうではありません。

橋本病と診断されても、甲状腺ホルモンの値が正常で症状がなければ、定期的な検査だけで経過を見ることがあります。

橋本病があることと、甲状腺機能低下症で治療が必要なことは同じではありません。

甲状腺ホルモン薬を飲めば痩せる?

甲状腺機能低下症がある人が適切に治療すると、代謝が正常化し、むくみが改善して体重が減ることがあります。

しかし、甲状腺機能が正常な人がダイエット目的で甲状腺ホルモンを使うのは危険です。

過剰に服用すると、動悸、不整脈、骨量低下などにつながる可能性があります。

治療にはどんな薬を使う?

甲状腺機能低下症では、不足している甲状腺ホルモンを補うため、レボチロキシンなどが使用されます。

血液検査を見ながら用量を調整します。

薬の量は症状だけではなく、TSHやFT4などの検査値を確認して決めます。

薬を飲み始めたらすぐ元気になる?

症状の改善には時間がかかることがあります。

甲状腺ホルモンの値が整っても、だるさやむくみがすぐ完全になくなるとは限りません。

自己判断で量を増やさず、指示されたタイミングで血液検査を受けましょう。

体重が戻らない場合もある?

あります。

甲状腺治療によって代謝が正常化しても、すべての体重増加が甲状腺の影響だったとは限りません。

脂肪として増えた分は、食事や運動の見直しが必要になることがあります。

治療を始めれば自動的に以前の体重へ戻るとは限りません。

ダイエットしても痩せないときは甲状腺を疑う?

食事や運動を見直しても体重が増え続ける場合、甲状腺機能を確認することは選択肢のひとつです。

特に、寒がり、便秘、むくみ、だるさ、脈が遅いなどが同時にある場合は受診を検討しましょう。

ただし、「痩せにくい」という症状だけで甲状腺機能低下症と判断することはできません。

むくみが強い場合は心臓や腎臓も確認

むくみは甲状腺機能低下症以外にも、心不全、腎臓病、肝疾患などで起こります。

足のむくみと息切れがある、尿量が減っている、短期間で急に体重が増えた場合などは別の病気にも注意が必要です。

むくみが強い場合は、「甲状腺のせいだろう」と決めつけず原因を確認しましょう。

いつ受診したほうがいい?

体重増加だけでなく、むくみ、強いだるさ、寒がり、便秘、皮膚の乾燥、抜け毛などが続く場合は、内科や内分泌内科へ相談するとよいでしょう。

健康診断でTSHの異常を指摘された場合も、必要に応じて再検査を行います。

症状がゆっくり進むため、「年齢のせい」と思って見逃されることもあります。

強い眠気や意識低下がある場合は?

重度の甲状腺機能低下症では、非常にまれですが意識障害や低体温など重い状態になることがあります。

意識がもうろうとする、強い低体温、呼吸が遅いなどの症状がある場合は、速やかな医療対応が必要です。

まとめ

甲状腺機能が低下すると基礎代謝が落ち、体重が増えやすくなるほか、むくみ・だるさ・寒がり・便秘などが出ることがあります。

体重増加の一部には脂肪だけでなく、体内にたまった水分が関係している場合もあります。

ただし、これらの症状は睡眠不足、生活習慣、心臓・腎臓の病気などでも起こります。

「食べていないのに太る」「むくみとだるさが続く」という場合は、TSHやFT4などの血液検査で甲状腺機能を確認することが大切です。

甲状腺機能低下症が確認された場合は、不足するホルモンを補う治療を行います。ダイエット目的で甲状腺ホルモン薬を自己使用することは避け、医師の管理下で治療しましょう。

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