デュタステリドとフィナステリドを一緒に飲む意味はある?併用を避ける理由
医師・薬剤師監修
AGA治療について調べていると、「フィナステリドよりデュタステリドのほうがDHTを強く抑えるなら、2つを一緒に飲めばもっと効果が高くなるのでは?」と考える方もいるかもしれません。
結論からいうと、フィナステリドとデュタステリドを自己判断で併用することは、一般的なAGA治療として推奨されません。
どちらもAGAの原因に関係する5α還元酵素を阻害し、DHT(ジヒドロテストステロン)の産生を抑える薬です。作用する仕組みが重なるため、2種類を一緒に使っても単純に効果が2倍になるわけではありません。
AGA治療では通常、フィナステリドまたはデュタステリドのどちらかを選び、必要に応じてミノキシジルなど作用の異なる治療を組み合わせます。
- フィナステリドとデュタステリドは何が違う?
- では2種類を飲めばもっとDHTを抑えられる?
- 併用の有効性は確立している?
- 併用すると副作用も増える?
- 性欲低下が出やすくなる?
- EDが起こることもある?
- フィナステリドが効かないならデュタステリドを追加する?
- どのくらい使ってから「効かない」と判断する?
- 3か月で変化がなければ薬を変える?
- フィナステリドからデュタステリドへ切り替える理由は?
- デュタステリドのほうが必ず発毛する?
- フィナステリド1mg+デュタステリド0.5mgなら効果が強い?
- 交互に飲めばいい?
- 朝にフィナステリド、夜にデュタステリドなら?
- デュタステリドは体内に長く残る?
- フィナステリドとミノキシジルの併用とは違う?
- デュタステリドとミノキシジルも併用できる?
- ミノキシジル内服との併用は?
- 治療効果を高めたいなら何をすればいい?
- AGAがかなり進行している場合は2剤併用したほうがいい?
- 個人輸入で両方持っている場合は?
- 飲み忘れた日にもう一方を代わりに飲んでもいい?
- 副作用が出たらデュタステリドからフィナステリドへ戻す?
- 肝機能にも注意が必要?
- PSA値にも影響する?
- 女性が触ってはいけない薬なの?
- どちらの薬を選ぶべき?
- まず確認したいのは本当にAGAかどうか
- こんな場合は医師・薬剤師へ相談を
- まとめ
フィナステリドとデュタステリドは何が違う?
どちらも5α還元酵素阻害薬ですが、阻害する酵素の種類に違いがあります。
5α還元酵素には主にⅠ型とⅡ型があり、フィナステリドは主としてⅡ型を阻害します。
一方、デュタステリドはⅠ型とⅡ型の両方を阻害します。
そのため、デュタステリドのほうがDHT産生をより広い範囲で抑える作用を持っています。
では2種類を飲めばもっとDHTを抑えられる?
理論上は作用が重なりますが、それが臨床的に大きな発毛効果につながるとは限りません。
デュタステリド自体がⅠ型・Ⅱ型の両方の5α還元酵素を阻害するため、そこへフィナステリドを追加しても作用の大部分が重複します。
「作用が重なる=効果もそのまま足し算になる」とは考えないことが重要です。
併用の有効性は確立している?
フィナステリドとデュタステリドを同時に使用する治療について、一般的なAGA治療として十分な有効性・安全性が確立されているわけではありません。
日本皮膚科学会の男性型および女性型脱毛症診療ガイドラインでは、男性AGAに対してフィナステリド内服とデュタステリド内服はいずれも治療選択肢として推奨されていますが、2剤を同時に併用する標準治療は示されていません。
基本的には「どちらを使うか」を選択する薬であり、「両方を一緒に使う」ことを前提とした治療ではありません。
併用すると副作用も増える?
可能性を考える必要があります。
フィナステリド、デュタステリドともに、性欲低下、勃起機能不全、射精障害などの性機能関連副作用が報告されています。
デュタステリドでは、臨床試験で勃起不全、リビドー減退、精液量減少などが報告されています。
作用が似ている薬を重ねることで、効果だけでなく副作用への懸念も増えるため、自己判断で併用するメリットは大きくありません。
性欲低下が出やすくなる?
必ず起こるわけではありません。
ただし、どちらの薬でも性欲低下が報告されているため、2剤を重ねて使用する場合は注意が必要です。
「髪を増やしたいから多少副作用があっても2種類飲む」という使い方は避けましょう。
EDが起こることもある?
フィナステリド、デュタステリドともに勃起機能不全が副作用として報告されています。
もちろん、AGA治療中のEDが必ず薬によるものとは限りません。
ストレス、睡眠不足、飲酒、生活習慣病など別の原因もあります。
服用開始後に明らかな性機能の変化を感じた場合は、自己判断で薬を増減せず医師へ相談しましょう。
フィナステリドが効かないならデュタステリドを追加する?
通常は「追加」より「切り替え」を検討します。
フィナステリドを十分な期間使用してもAGAの進行が抑えられない場合、デュタステリドへ変更する方法があります。
2剤を同時に飲み続けるのではなく、AGAの進行状態や副作用などを確認しながら治療薬を見直します。
どのくらい使ってから「効かない」と判断する?
AGA治療は数週間で判断する治療ではありません。
毛髪には毛周期があるため、一般的には少なくとも数か月継続して経過を確認します。
1〜2か月で髪が増えないからといって、自己判断でデュタステリドを追加する必要はありません。
3か月で変化がなければ薬を変える?
3か月程度では、十分な変化を実感できない人もいます。
抜け毛の減少が先に現れ、見た目の密度変化にはさらに時間がかかることがあります。
治療効果は一般に6か月程度をひとつの目安として評価します。
フィナステリドからデュタステリドへ切り替える理由は?
フィナステリドでAGAの進行抑制が十分でない場合、より広く5α還元酵素を阻害するデュタステリドが選択されることがあります。
一方で、副作用の出方や治療費なども考慮します。
「デュタステリドのほうが強そうだから全員変更すべき」というものではありません。
デュタステリドのほうが必ず発毛する?
効果には個人差があります。
デュタステリドではフィナステリドより強くDHTを抑える作用がありますが、AGAの進行度や毛包の状態によって治療効果は異なります。
薬の強さだけでなく、その人に合った治療を続けることが大切です。
フィナステリド1mg+デュタステリド0.5mgなら効果が強い?
自己判断でこのような組み合わせを行うべきではありません。
フィナステリドのAGA治療での通常用量は1日0.2mg、必要に応じて1mgまで、デュタステリドは通常1日0.1mg、必要に応じて0.5mgまで使用されます。
それぞれの上限量を組み合わせればさらに効く、という考え方は適切ではありません。
交互に飲めばいい?
「今日はフィナステリド、明日はデュタステリド」のように自己判断で交互に飲む方法もおすすめできません。
薬ごとに体内での動きや半減期が異なるため、単純に交互へ切り替えるものではありません。
処方された薬を決められた用法で継続しましょう。
朝にフィナステリド、夜にデュタステリドなら?
時間を分けても作用の重複は変わりません。
朝と夜に分ければ副作用がなくなるわけでもありません。
服用時間をずらしても、2つの5α還元酵素阻害薬を併用すること自体は同じです。
デュタステリドは体内に長く残る?
デュタステリドはフィナステリドより半減期が長い薬です。
そのため、服用を中止しても体内からすぐに完全に消えるわけではありません。
切り替え時も自己判断で薬を重ねるのではなく、医師の指示に従いましょう。
フィナステリドとミノキシジルの併用とは違う?
違います。
フィナステリドやデュタステリドはDHTを抑えてAGAの進行を抑える薬です。
一方、ミノキシジル外用薬は毛包へ作用し、発毛を促す方向に働きます。
作用機序が異なるため、「DHTを抑える薬+発毛を促す薬」という組み合わせはAGA治療で用いられます。
デュタステリドとミノキシジルも併用できる?
治療方法として検討されることがあります。
デュタステリドでAGAの進行を抑えながら、外用ミノキシジルで発毛を促すという考え方です。
同じ働きの薬を2つ重ねるより、作用の異なる治療を組み合わせるほうが合理的な場合があります。
ミノキシジル内服との併用は?
ミノキシジル内服薬は、AGA治療目的では国内未承認です。
動悸、むくみ、血圧低下など全身性の副作用にも注意が必要です。
「フィナステリド+デュタステリド+ミノキシジル内服」のように自己判断で薬を増やしていくのは避けてください。
治療効果を高めたいなら何をすればいい?
まず、処方された薬を毎日継続することが重要です。
飲み忘れが多い状態で「効かない」と判断し、薬を追加しても適切な評価ができません。
同じ照明・角度で定期的に頭髪写真を撮影し、3か月・6か月・1年単位で変化を確認するとよいでしょう。
AGAがかなり進行している場合は2剤併用したほうがいい?
進行しているからといって、フィナステリドとデュタステリドを両方使う必要があるとは限りません。
AGAが進行している場合は、薬剤の選択、ミノキシジル外用、植毛などを含めて治療方針を検討します。
進行度に応じて治療方法を増やす場合も、「同じ作用の薬を重ねる」ことが必ずしも適切ではありません。
個人輸入で両方持っている場合は?
手元に2種類あるからといって、一緒に服用することは避けましょう。
AGA治療薬には副作用や禁忌があり、製品によって成分量も異なります。
使用する場合は、成分名・含有量・用法を確認し、医師・薬剤師へ相談することが重要です。
飲み忘れた日にもう一方を代わりに飲んでもいい?
おすすめできません。
フィナステリドを忘れたからデュタステリドを代用する、といった使い方をする薬ではありません。
飲み忘れた場合は、忘れた薬の服用方法に従い、別のAGA治療薬で穴埋めしないようにしましょう。
副作用が出たらデュタステリドからフィナステリドへ戻す?
治療変更が検討されることはあります。
ただし、性機能の変化などが本当に薬によるものかを確認する必要があります。
自己判断でその日のうちに薬を切り替えたり、両方を少量ずつ飲んだりしないようにしましょう。
肝機能にも注意が必要?
フィナステリド、デュタステリドはいずれも肝臓で代謝されます。
肝機能障害がある場合は慎重な判断が必要です。
健康診断で肝機能異常を指摘されている場合や肝疾患がある場合は、服用前に医師へ伝えましょう。
PSA値にも影響する?
フィナステリドやデュタステリドは、前立腺がん検診などで利用されるPSA値を低下させることがあります。
そのため、PSA検査を受ける際には薬を服用していることを医師へ伝える必要があります。
AGA治療薬だから他の検査には関係ない、と考えないことが大切です。
女性が触ってはいけない薬なの?
特に妊娠中または妊娠する可能性のある女性は注意が必要です。
フィナステリドやデュタステリドは、男子胎児の生殖器発達へ影響する可能性があるためです。
割れたり漏れたりした薬剤へ妊婦が直接触れないよう注意する必要があります。
どちらの薬を選ぶべき?
AGAの進行状況、これまでの治療効果、副作用、費用などによって判断します。
フィナステリドで十分に維持できている場合は、そのまま継続する選択肢があります。
一方、十分な期間治療しても進行がみられる場合は、デュタステリドへの切り替えを検討することがあります。
「強い薬ほど良い」のではなく、必要な効果を得ながら無理なく長期継続できる治療を選ぶことが大切です。
まず確認したいのは本当にAGAかどうか
治療しているのに抜け毛が急激に増える場合、すべてAGAの進行とは限りません。
円形脱毛症、休止期脱毛、甲状腺疾患、栄養不足など別の原因が隠れていることがあります。
薬を2種類へ増やす前に、「治療が効かない理由」を確認することが重要です。
こんな場合は医師・薬剤師へ相談を
フィナステリドを6か月以上続けても明らかに進行している、デュタステリドへ変更したい、副作用が気になる場合は相談しましょう。
また、急激な脱毛、円形の脱毛、頭皮の強い炎症などがある場合はAGA以外の病気も考えます。
治療効果に不満があるときほど、自己判断で薬を追加するのではなく、現在の治療を一度評価することが大切です。
まとめ
デュタステリドとフィナステリドは、どちらも5α還元酵素を阻害してDHTを減らすAGA治療薬であり、基本的にはどちらか一方を使用します。
デュタステリドはⅠ型・Ⅱ型の両方の5α還元酵素を阻害するため、そこへフィナステリドを追加しても作用の多くが重複します。
2種類を同時に飲めば単純に効果が2倍になるという根拠はなく、性欲低下や勃起機能不全などの副作用への懸念もあるため、自己判断での併用は避けましょう。
フィナステリドで十分な効果が得られない場合は、デュタステリドを「追加」するのではなく「切り替える」方法を検討します。また、発毛をさらに促したい場合は、作用の異なる外用ミノキシジルなどを組み合わせる方法があります。
AGA治療は長期的に続けることが基本です。治療効果を高めたいからと薬を次々追加せず、6か月〜1年単位で経過を確認しながら、自分に合った治療方法を選びましょう。

