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EDと生活習慣の関係とは?勃起力を低下させる原因と改善方法

ED勃起不全

EDと生活習慣の関係とは?勃起力を低下させる原因と改善方法

監修:医師・薬剤師監修

「以前より勃起が弱くなった」「途中で硬さを保てない」「朝立ちが減った」と感じても、年齢のせいだと諦めている男性は少なくありません。

しかし、ED(勃起不全)は加齢だけで起こるものではありません。喫煙、飲酒、運動不足、肥満、睡眠不足、ストレス、食生活の乱れなど、毎日の生活習慣が大きく関係しています。

勃起は陰茎へ十分な血液が流れ込むことで起こるため、血管を傷つける生活習慣は、そのまま勃起力の低下につながります。生活習慣を改善することは、EDだけでなく、糖尿病、高血圧、動脈硬化などの予防にも重要です。

EDとはどのような状態?

EDとは、性行為に必要な勃起が得られない、または勃起を十分に維持できない状態です。

まったく勃起しない場合だけでなく、次のような状態もEDに含まれます。

  • 性的刺激があっても硬くなりにくい
  • 挿入できるほどの硬さがない
  • 性行為の途中で萎えてしまう
  • 勃起するまでに以前より時間がかかる
  • 朝立ちの回数や硬さが低下した

NIDDK(アメリカ国立糖尿病・消化器・腎疾病研究所)では、EDを性行為に十分な硬さの勃起を得られない、または維持できない状態とし、糖尿病、心臓病、肥満、喫煙、過度の飲酒などが原因になると報告しています。

EDと性欲低下は同じではありません。性欲があっても陰茎へ血液が十分に流れず勃起できないこともあれば、勃起機能に問題がなくても、テストステロン低下やストレスによって性欲が落ちることもあります。

生活習慣がEDを引き起こす仕組み

性的刺激を受けると、脳から神経を通して陰茎へ信号が送られます。その後、陰茎の血管が広がり、海綿体へ血液が流れ込むことで勃起が起こります。

つまり、勃起には次の働きが必要です。

  • 性的刺激を感じる脳の働き
  • 刺激を伝える神経
  • 陰茎へ血液を送る血管
  • 血液を陰茎内に保つ機能
  • 性欲に関係するテストステロン

喫煙、糖尿病、高血圧、肥満などによって血管の内側が傷つくと、血管が十分に広がらなくなります。その結果、陰茎へ流れ込む血液が減り、勃起の硬さや持続力が低下します。

日本泌尿器科学会のED診療ガイドラインでも、糖尿病、肥満・運動不足、心血管疾患・高血圧、喫煙、テストステロン低下などがEDの危険因子として挙げられています。特に肥満、運動不足、喫煙は、改善できる可能性がある要因とされています。

EDにつながりやすい生活習慣

喫煙

たばこに含まれるニコチンには、血管を収縮させる作用があります。また、喫煙を続けることで血管の内側が傷つき、動脈硬化が進みやすくなります。

陰茎の血管は心臓や脚の血管より細いため、全身の動脈硬化が軽い段階でも、勃起力低下として症状が現れることがあります。

NIDDK(アメリカ国立糖尿病・消化器・腎疾病研究所)では、喫煙は心臓や血管の病気と関係し、EDにつながるため、禁煙はEDと全身の健康にとって重要な対策とされています。

加熱式たばこや電子たばこへ替えるだけでは、血管への影響を完全に避けられるとは限りません。勃起力改善を目指す場合は、たばこの種類を変えるのではなく、禁煙を目標にすることが大切です。

過度の飲酒

少量の飲酒で緊張が和らぐ人もいますが、飲み過ぎると脳から陰茎へ送られる神経の信号が弱くなります。

性欲はあるのに勃起しない、勃起しても途中で萎えるといった状態は、飲酒量が多い日に起こりやすくなります。

さらに、長期間の大量飲酒は肝機能や男性ホルモンのバランスへ影響し、性欲低下やEDを悪化させる可能性があります。NHS(英国国民保健サービス)でも、飲み過ぎは一時的なEDの原因になるとされています。

飲酒後にED治療薬を服用すると、顔のほてり、頭痛、めまい、血圧低下が強く現れる場合もあります。

運動不足

運動不足が続くと、筋肉量が減り、体脂肪や内臓脂肪が増えやすくなります。血糖、血圧、コレステロールも悪化し、陰茎へ血液を送る血管が傷つきやすくなります。

座っている時間が長く、通勤や買い物でもほとんど歩かない人は、週に数回運動している人よりも、1日の総活動量が不足している可能性があります。

NIDDK(アメリカ国立糖尿病・消化器・腎疾病研究所)では、身体活動を増やし、健康的な体重を保つことが、ED症状の改善や糖尿病、高血圧の予防に役立つとされています。

肥満

肥満、特にお腹周りに内臓脂肪が多い状態は、糖尿病、高血圧、脂質異常症のリスクを高めます。

これらの病気が重なるメタボリックシンドロームでは、血管の働きが低下し、陰茎へ十分な血液を送れなくなることがあります。

また、肥満ではテストステロンが低下しやすく、性欲低下、疲れやすさ、筋力低下などがEDと同時に現れる場合があります。

糖分や脂肪の多い食生活

甘い飲料、菓子、揚げ物、脂身の多い肉、加工食品を頻繁に取る食生活は、体重増加、糖尿病、脂質異常症につながります。

血糖値が高い状態が続くと、陰茎の血管だけでなく、性的刺激を伝える神経も傷つきます。糖尿病のある男性では、糖尿病のない男性よりも早い年代からEDが現れることがあります。

NIDDK(アメリカ国立糖尿病・消化器・腎疾病研究所)では、糖尿病、心臓病、肥満のリスクを高める食生活は、EDの可能性も高めるとしています。

睡眠不足

睡眠不足が続くと、疲労やストレスが増え、性的刺激への反応が弱くなります。

また、睡眠中にはテストステロンが分泌されるため、睡眠時間が短い、夜中に何度も目が覚めるといった状態が続くと、性欲や朝立ちが低下する場合があります。

大きないびき、睡眠中の呼吸停止、日中の強い眠気がある場合は、睡眠時無呼吸症候群が隠れている可能性があります。日本泌尿器科学会のED診療ガイドラインでも、睡眠時無呼吸症候群はEDの関連因子として取り上げられています。

ストレスと性行為へのプレッシャー

勃起にはリラックスした状態が必要です。仕事や家庭のストレスが強いと交感神経が優位になり、陰茎の血管が広がりにくくなります。

一度勃起に失敗すると、「また途中で萎えるのではないか」と考え、次の性行為でも緊張することがあります。この不安が続くと、血管や神経に大きな異常がなくてもEDが繰り返されます。

朝立ちや自慰では十分に勃起できるのに、パートナーとの性行為だけで勃起できない場合は、心理的な影響が強い可能性があります。

EDの原因になりやすい生活習慣の比較

生活習慣 EDにつながる仕組み 見直すポイント
喫煙 血管を収縮させ、動脈硬化を進める 本数を減らすだけでなく禁煙を目指す
過度の飲酒 神経伝達や男性ホルモンへ影響する 飲酒量と休肝日を見直す
運動不足 血流、体重、血糖、血圧が悪化しやすい 歩行と筋トレを組み合わせる
肥満 動脈硬化やテストステロン低下につながる 体重だけでなく腹囲も確認する
食生活の乱れ 糖尿病や脂質異常症を引き起こす 糖分、脂肪、塩分を取り過ぎない
睡眠不足 疲労、ストレス、ホルモン低下を招く 睡眠時間といびきを確認する
ストレス 緊張で陰茎の血管が広がりにくくなる 仕事や性行為への不安を整理する

ED改善のために始めたい生活習慣

1日20~30分歩く

運動習慣がない人は、最初から激しい筋トレやランニングをする必要はありません。

通勤時に一駅分歩く、昼休みに10分歩く、エレベーターではなく階段を使うなど、1日合計20~30分程度の歩行から始めましょう。

胸の痛み、強い息切れ、動悸がある人は、運動を始める前に医療機関へ相談してください。

週2~3回の筋トレを行う

スクワット、かかと上げ、壁を使った腕立て伏せなどは、自宅でも行えます。

筋肉量が増えると、血糖を利用しやすくなり、体重管理にも役立ちます。10回程度から始め、無理なく続けることが重要です。

体重の5%減少を目標にする

体重80kgの人であれば、まず4kg程度の減量が目安です。

短期間で急激に痩せるのではなく、間食、甘い飲料、夜食、飲酒量を見直しながら、数か月かけて減量しましょう。

魚、野菜、大豆製品を増やす

魚、野菜、海藻、豆類、未精製の穀類などを中心にすると、血糖や脂質を管理しやすくなります。

朝食を菓子パンと甘いコーヒーだけで済ませている場合は、卵、納豆、ヨーグルトなどを加えると、たんぱく質を補えます。

禁煙を始める

自力で禁煙するのが難しい場合は、禁煙外来や禁煙補助薬を利用する方法があります。

たばこを吸いたくなる食後や飲酒時の行動を変え、ガムをかむ、短時間歩く、水を飲むなどの代替行動を決めておきましょう。

睡眠を整える

毎日の起床時間をそろえ、朝はカーテンを開けて光を浴びます。夕方以降はカフェインを控え、就寝直前までスマートフォンを見る習慣を減らしましょう。

いびきや呼吸停止を指摘されている場合は、睡眠薬だけで対処せず、睡眠外来などで検査を受けることが大切です。

生活習慣を改善すればED治療薬は不要になる?

軽度のEDでは、禁煙、減量、運動、睡眠改善などによって勃起力が改善する可能性があります。

ただし、動脈硬化、糖尿病による神経障害、前立腺手術後などが関係している場合は、生活習慣の改善だけでは十分な効果を得られないことがあります。

生活習慣の改善とED治療薬は、どちらか一方を選ぶものではありません。ED治療薬で性行為を補助しながら、血管を傷つける生活習慣を改善する方法が現実的です。

ED治療に使われる主な薬

ED治療では、PDE5阻害薬と呼ばれる内服薬が主に使われます。

有効成分 主な特徴 作用時間の目安 食事の影響
シルデナフィル 広く使用されている短時間型 約4~5時間 高脂肪食で効き始めが遅れることがある
バルデナフィル 比較的効き始めが速い 約5~8時間 高脂肪食の影響を受ける場合がある
タダラフィル 作用時間が長く服用時刻の自由度が高い 最大約36時間 食事の影響を受けにくい

これらの薬は、陰茎の血管が広がる働きを助け、性的刺激を受けたときの勃起を起こしやすくします。

ED治療薬は催淫剤ではないため、服用するだけで性欲が高まったり、自動的に勃起したりする薬ではありません。

主な副作用は、顔のほてり、頭痛、鼻づまり、動悸、胃の不快感などです。

ニトログリセリン、硝酸イソソルビド、ニコランジルなどの硝酸薬・一酸化窒素供与薬とは併用できません。同時に使用すると血圧が急激に下がり、重篤な状態になる可能性があります。PMDA(医薬品医療機器総合機構)でも、シルデナフィルと硝酸薬の併用は禁止されています。

個人輸入でED治療薬を購入する場合

個人輸入では、自宅から注文でき、国内では入手しにくい含有量やジェネリック医薬品を比較できることがメリットです。価格や剤形の選択肢も確認しやすくなります。

ただし、ED治療薬は有効成分や含有量、併用薬の確認が必要です。購入前には、次の項目を確認してください。

  • 有効成分
  • 1錠当たりの含有量
  • 服用するタイミング
  • 作用時間
  • 食事の影響
  • 硝酸薬などの併用禁忌薬
  • 肝臓や腎臓の病気がある場合の使用可否
  • 副作用と緊急受診が必要な症状
  • 製造元と成分表示

効果が弱いからと自己判断で錠数を増やしたり、シルデナフィルとタダラフィルなど複数のED治療薬を重ねたりしないでください。

また、友人からもらったED治療薬を服用すると、本人が使用している心臓病の薬との相互作用を確認できません。PMDA(医薬品医療機器総合機構)では、ニトログリセリン貼付剤を使用中の人が、知人から入手したシルデナフィルを服用し、心肺停止となった事例も報告されています。

医療機関へ相談する目安

次のような場合は、泌尿器科、メンズヘルス外来、内科などへ相談してください。

  • EDが3か月以上続いている
  • 朝立ちが急に減った
  • 高血圧、糖尿病、脂質異常症がある
  • 胸の痛み、動悸、強い息切れがある
  • 性欲低下や強い疲労感もある
  • 陰茎の痛みや曲がりがある
  • 生活習慣を改善しても勃起力が戻らない
  • ED治療薬を正しく使っても効果がない
  • 硝酸薬や心臓病の薬を使用している

EDは、陰茎だけの問題ではなく、糖尿病、動脈硬化、高血圧などの初期症状として現れることがあります。

健康診断を受けていない人は、血圧、空腹時血糖、HbA1c、LDLコレステロール、中性脂肪、肝機能、腎機能などを確認しましょう。

まとめ

EDは加齢だけでなく、喫煙、過度の飲酒、運動不足、肥満、糖分や脂肪の多い食生活、睡眠不足、ストレスなどと深く関係しています。

これらの生活習慣は陰茎の血管や神経を傷つけ、勃起に必要な血流を低下させます。

禁煙、適度な運動、体重管理、食生活と睡眠の改善は、EDの予防と治療の基本です。ただし、生活習慣を変えただけですぐに改善するとは限らないため、必要に応じてED治療薬を組み合わせます。

EDが続く場合は年齢のせいだと決めつけず、糖尿病や動脈硬化などが隠れていないか確認しましょう。生活習慣と治療薬の両方を見直すことで、勃起力だけでなく、将来の心臓や血管の健康も守ることにつながります。

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