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海藻は薄毛予防にいいって本当?

AGA

海藻は薄毛予防にいいって本当?髪への効果とAGA対策を解説

監修:医師・薬剤師監修

「わかめを食べると髪が増える」「昆布やひじきを食べれば薄毛を予防できる」と聞いたことがある人は多いでしょう。

海藻には、ヨウ素、食物繊維、ミネラルなどが含まれており、健康的な食事の一部として取り入れることには意味があります。しかし、海藻を食べるだけで髪が増えたり、AGA(男性型脱毛症)の進行を止めたりできるという十分な医学的根拠はありません。

薄毛の原因には、AGA、栄養不足、強いストレス、急激なダイエット、甲状腺の病気、頭皮の炎症などがあります。原因によって必要な対策が異なるため、「髪には海藻」と考えて食事だけで対応するのは適切ではありません。

海藻を食べると髪が増えると言われる理由

わかめ、昆布、のり、ひじきなどの海藻には、ヨウ素をはじめとするさまざまな栄養成分が含まれています。

特にヨウ素は、甲状腺ホルモンを作るために必要なミネラルです。甲状腺ホルモンは、身体の代謝、体温、心拍、成長などに関係しています。海藻はヨウ素の供給源になりますが、種類によって含有量に大きな差があります。

髪は身体の一部であるため、極端な栄養不足や甲状腺機能の異常があれば、抜け毛が増えることがあります。そのため、海藻に含まれる栄養が「髪に良い」と考えられるようになった可能性があります。

ただし、ヨウ素を多く取れば取るほど、髪が太くなったり増えたりするわけではありません。

海藻だけで薄毛を予防できる?

海藻を食べることと、AGAの予防や発毛を直接結びつける十分な臨床データはありません。

AGAは、男性ホルモンの一種であるテストステロンが、5αリダクターゼという酵素によってDHT(ジヒドロテストステロン)へ変換され、毛根へ作用することで進行します。

DHTの影響を受けた毛根では、髪が太く長く成長する期間が短くなります。以前は数年間伸びていた髪が、十分に育つ前に抜けるようになり、少しずつ細く短い髪が増えていきます。

海藻に含まれるヨウ素やミネラルには、DHTを作る5αリダクターゼを医薬品のように抑える作用は確認されていません。

アメリカ皮膚科学会では、遺伝的な薄毛に対して、ミノキシジルやフィナステリドなどの治療が髪の維持や改善に用いられるとされています。

海藻に含まれる栄養と髪の関係

主な成分 身体での働き 薄毛との関係
ヨウ素 甲状腺ホルモンの材料になる 不足や過剰で甲状腺機能が乱れると、抜け毛に関係する可能性がある
食物繊維 腸内環境や便通を整える 直接的な発毛作用があるわけではない
カルシウム 骨や神経、筋肉の働きを支える カルシウムを増やすだけで発毛するわけではない
赤血球による酸素運搬に必要 鉄不足がある人では、抜け毛の原因になることがある
たんぱく質 髪や皮膚、筋肉の材料になる 海藻だけでは十分な量を補いにくい

髪の主成分はケラチンというたんぱく質です。そのため、髪の成長を支えるには、海藻だけでなく、肉、魚、卵、大豆製品、乳製品などからたんぱく質を取る必要があります。

アメリカ皮膚科学会では、たんぱく質や鉄などの栄養が不足すると、脱毛につながることがあるとされています。反対に、特定の栄養素が不足していない人がサプリメントを追加しても、髪が増えるとは限りません。

髪のために必要なのは海藻より食事全体のバランス

髪の成長には、たんぱく質、鉄、亜鉛、ビタミン類、適度なエネルギー摂取などが必要です。

例えば、朝食を抜き、昼は菓子パン、夜はサラダだけという食事を続けていると、海藻サラダを追加しても、髪の材料となるたんぱく質やエネルギーが足りません。

急激なダイエットで摂取エネルギーが不足すると、身体は生命維持に必要な臓器へ栄養を優先し、髪の成長が後回しになることがあります。その結果、数か月後に抜け毛が増える休止期脱毛が起こる場合があります。

薄毛予防を目的にするなら、特定の食品を大量に食べるより、毎食たんぱく質を取り、野菜、主食、海藻などを組み合わせることが重要です。

海藻の食べ過ぎには注意が必要

海藻は健康的な食品ですが、昆布などを大量に食べ続けると、ヨウ素の過剰摂取につながることがあります。

ヨウ素は甲状腺ホルモンの材料になりますが、過剰に摂取すると甲状腺機能が乱れ、甲状腺機能低下症や甲状腺機能亢進症を引き起こすことがあります。海藻からの過剰なヨウ素摂取は、甲状腺機能障害につながる可能性が報告されています。

厚生労働省eJIMでは、成人のヨウ素摂取上限として1日1,100μgが示されており、高用量の摂取によって甲状腺に悪影響が起こる可能性があるとされています。

日本人は、だし、みそ汁、煮物、のりなどを通して日常的に海藻を食べる機会が多いため、ヨウ素サプリメントや昆布サプリメントを追加すると、過剰になる可能性があります。

髪を増やす目的で昆布や海藻サプリメントを大量に取ることは避けてください。

甲状腺の異常でも抜け毛が起こる

甲状腺ホルモンが少なくなる甲状腺機能低下症では、疲労感、寒がり、むくみ、便秘、体重増加、皮膚の乾燥などとともに、髪が抜けやすくなることがあります。

反対に、甲状腺ホルモンが過剰になる甲状腺機能亢進症でも、動悸、発汗、体重減少、手の震えなどとともに抜け毛が現れる場合があります。

ヨウ素は不足しても過剰でも甲状腺機能へ影響する可能性があります。海藻を多く食べれば甲状腺と髪に必ず良い、という単純な関係ではありません。

抜け毛に加えて、強い疲労、急な体重変化、動悸、むくみ、寒がり、発汗などがある場合は、内科や内分泌内科で甲状腺機能を確認しましょう。

海藻で改善しにくいAGAの特徴

男性の薄毛で多いのがAGAです。AGAには、次のような特徴があります。

  • 額の生え際が徐々に後退する
  • 頭頂部の地肌が透けて見える
  • 髪が以前より細く短くなる
  • 家族に同じような薄毛の人がいる
  • 数年かけて少しずつ進行する

AGAは放置すると徐々に進行するため、食事だけで様子を見続けると、治療開始が遅れることがあります。

生え際や頭頂部の薄毛が進んでいる場合は、海藻を増やすよりも、AGA治療を早めに検討することが重要です。

AGAに使われる主な治療薬

有効成分 主な働き 使用方法 主な注意点
ミノキシジル 毛根周辺へ働きかけ、発毛を促す 主に頭皮へ塗布する 頭皮のかゆみ、赤み、初期脱毛など
フィナステリド DHTの生成を抑え、AGAの進行を抑制する 通常は1日1回服用する 性欲低下、勃起機能低下、肝機能への影響など
デュタステリド 2種類の5αリダクターゼを抑え、DHTを減らす 通常は1日1回服用する 性機能への影響、肝機能への影響など

ミノキシジル

ミノキシジルは、毛根へ働きかけ、髪の成長を促す成分です。使い始めて数週間から数か月の間に、一時的に抜け毛が増える初期脱毛が起こることがあります。

これは毛の生え変わりが進む過程で起こる場合がありますが、強い頭皮炎や動悸、めまいなどがある場合は使用を中止し、医療機関へ相談してください。

フィナステリド

フィナステリドは、5αリダクターゼを抑えてDHTの生成を減らし、AGAの進行を抑える薬です。

すぐに髪が増える薬ではなく、一般的には数か月以上継続して変化を確認します。

デュタステリド

デュタステリドもDHTの生成を抑える薬ですが、フィナステリドより広い種類の5αリダクターゼへ作用します。

どちらの薬が適しているかは、薄毛の進行度、持病、併用薬、副作用などを確認して選びます。

フィナステリドとデュタステリドを自己判断で同時に服用しないでください。

AGA治療はどのくらいで効果が出る?

髪はすぐに伸びるものではないため、AGA治療を始めても数日や数週間で大きく変化するわけではありません。

一般的には、3~6か月程度継続して、抜け毛、髪の太さ、写真で見た頭頂部の変化などを確認します。

治療薬で改善しても、服用や使用を中止するとDHTの影響が再び強くなり、薄毛が進行する可能性があります。そのため、AGA治療では継続が重要です。

治療開始前に、生え際、頭頂部、分け目を同じ照明と角度で撮影しておくと、変化を比較しやすくなります。

個人輸入でAGA治療薬を購入する場合

個人輸入では、自宅から注文でき、国内では取り扱いの少ない含有量、剤形、ジェネリック医薬品などを比較できる点がメリットです。

価格の選択肢が多く、AGA治療を継続しやすい商品を探せる場合もあります。

ただし、個人輸入を利用する場合は、次の項目を必ず確認してください。

  • 有効成分
  • 1錠または1回当たりの含有量
  • 内服薬か外用薬か
  • 1日の使用回数
  • 効果を確認するまでの期間
  • 初期脱毛の可能性
  • 性機能や肝機能への副作用
  • 心臓病や低血圧などがある場合の使用可否
  • 他のAGA治療薬との重複
  • 製造元と成分表示

高濃度のミノキシジルを広範囲へ塗ったり、フィナステリドとデュタステリドを重ねたりしないでください。

また、フィナステリドやデュタステリドは、妊娠中または妊娠の可能性がある女性が使用する薬ではありません。割れた錠剤や内容物への接触にも注意が必要です。

薄毛予防のために見直したい生活習慣

AGAは生活習慣だけで完全に防げる病気ではありませんが、髪が育ちやすい状態を保つためには、次の習慣が重要です。

  • 肉、魚、卵、大豆製品からたんぱく質を取る
  • 極端な糖質制限や断食を避ける
  • 海藻だけに偏らず、野菜や主食も組み合わせる
  • 睡眠時間を確保する
  • 喫煙を避ける
  • 過度の飲酒を控える
  • 頭皮を強くこすらない
  • 抜け毛が進む場合は早めに治療を検討する

髪のために海藻を食べる場合は、みそ汁へ少量のわかめを加える、のりを食事へ取り入れるなど、通常の食事の範囲で十分です。

医療機関へ相談する目安

次のような場合は、皮膚科やAGA外来へ相談してください。

  • 生え際や頭頂部の薄毛が進んでいる
  • 髪が以前より細く短くなった
  • 抜け毛が3か月以上続いている
  • 円形に髪が抜けている
  • 頭皮に強い赤み、かゆみ、痛みがある
  • 眉毛や体毛も抜けている
  • 急激な体重変化や強い疲労がある
  • 甲状腺の病気を指摘されたことがある
  • AGA治療薬を検討している

薄毛の原因として、栄養不足、甲状腺疾患、ホルモンの異常などが疑われる場合は、血液検査が行われることがあります。アメリカ皮膚科学会でも、病気、栄養不足、ホルモン異常などが疑われる場合には、検査によって原因を確認することがあるとされています。

まとめ

海藻にはヨウ素や食物繊維、ミネラルなどが含まれていますが、海藻を食べるだけで髪が増えたり、AGAを予防したりできるという十分な医学的根拠はありません。

髪の健康には、海藻だけではなく、たんぱく質、鉄、亜鉛、ビタミン類などを含むバランスのよい食事が必要です。

生え際や頭頂部の薄毛が進んでいる場合は、海藻を増やすだけで様子を見ず、ミノキシジル、フィナステリド、デュタステリドなどのAGA治療を検討しましょう。

また、海藻やヨウ素サプリメントを大量に摂取すると、甲状腺機能が乱れ、かえって体調不良や抜け毛につながる可能性があります。

海藻は通常の食事の一部として適量を楽しみ、薄毛の原因に合った対策を選ぶことが大切です。

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