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大人ニキビがあごに繰り返しできる原因とは?ホルモンとの関係を解説

ニキビ(にきび)

大人ニキビがあごに繰り返しできる原因とは?ホルモンとの関係を解説

監修:医師・薬剤師監修

「治ったと思ったら、また同じ場所にできる」「生理前になると、あごやフェイスラインに赤く痛いニキビが増える」と悩む人は少なくありません。

あごに繰り返す大人ニキビには、ホルモンの変動、毛穴の詰まり、皮脂、摩擦、睡眠不足、ストレスなどが関係します。

特に、あごやフェイスラインに繰り返しできる深くて痛いニキビは、ホルモンの影響を受けている可能性があります。AAD(アメリカ皮膚科学会)でも、ホルモンの影響を受けるニキビは、あご、フェイスライン、下頬など顔の下側に現れやすいとされています。

ただし、あごにできるニキビがすべてホルモン性とは限りません。マスクや手で触る癖、髭剃り、合わない化粧品、毛包炎など、別の原因が重なっていることもあります。

大人ニキビとは?

大人ニキビは、20代以降にできるニキビを指すことが多い言葉です。思春期ニキビが額や鼻など皮脂の多いTゾーンに出やすいのに対し、大人ニキビはあご、口周り、フェイスラインなどに繰り返しできる傾向があります。

ニキビは、毛穴の出口が詰まり、毛穴の中に皮脂がたまり、アクネ菌などが増えて炎症を起こすことで進行します。NHS(英国国民保健サービス)では、ホルモンによって皮脂腺の働きが強くなり、皮脂が増えることがニキビの原因の一つとされています。

あごに大人ニキビができやすい理由

ホルモンの変動で皮脂が増える

女性の体内には、エストロゲンやプロゲステロンなどの女性ホルモンだけでなく、アンドロゲンと呼ばれる男性ホルモンも存在します。

アンドロゲンの働きが相対的に強くなると、皮脂腺が刺激され、毛穴の中で皮脂が増えやすくなります。そこへ古い角質がたまると、毛穴が詰まり、ニキビができやすくなります。

AAD(アメリカ皮膚科学会)では、成人女性のニキビは月経周期、妊娠、閉経前後、ホルモン治療などに伴うホルモン変動で悪化することがあるとされています。

生理前のホルモン変化

生理前は、ホルモンバランスが変化し、皮脂分泌や毛穴の詰まりが起こりやすくなります。

毎月、生理の1週間前頃からあごに赤いニキビが増え、生理が始まると少し落ち着く場合は、月経周期の影響が考えられます。

月経前にニキビが悪化する人では、低用量ピルなどのホルモン治療が選択肢になる場合があります。ACOG(アメリカ産科婦人科学会)では、エストロゲンを含むホルモン避妊法にニキビを改善する働きがあるとされています。

あごを触る癖や摩擦

考え事をしながらあごへ手を当てる、頬杖をつく、マスクを長時間着用するなどの習慣は、皮膚への摩擦や蒸れにつながります。

摩擦が続くと皮膚のバリア機能が乱れ、毛穴周辺で炎症が起こりやすくなります。また、ニキビを指で触ったり押したりすると、炎症が深くなり、赤みやニキビ跡が残りやすくなります。

クレンジングや洗顔のしすぎ

皮脂を落とそうとして1日に何度も洗顔したり、スクラブ入り洗顔料で強くこすったりすると、皮膚が乾燥します。

乾燥した皮膚は刺激に弱くなり、赤み、皮むけ、かゆみが出やすくなります。洗顔は朝と夜を基本にし、泡でやさしく洗いましょう。

髭剃りやムダ毛処理

あごや口周りは、男性では髭剃り、女性では産毛処理による刺激を受けやすい場所です。

古いカミソリや汚れた刃を使うと、毛穴周辺に炎症が起こり、ニキビに似た毛包炎ができる場合があります。

毛包炎では、毛を中心に赤いぶつぶつや膿が現れることがあります。ニキビと治療が異なる場合があるため、髭剃り後だけ悪化する場合は皮膚科へ相談しましょう。

睡眠不足とストレス

睡眠不足や強いストレスが続くと、生活リズムやホルモン分泌が乱れ、ニキビが悪化しやすくなります。

仕事が忙しく、夜更かしと外食が続いた後に、あごニキビが増える人もいます。睡眠不足だけがニキビの原因ではありませんが、治療を続けながら生活習慣も整えることが重要です。

あごニキビの種類

種類 見た目 状態
白ニキビ 白く小さな盛り上がり 毛穴が閉じたまま皮脂がたまっている
黒ニキビ 毛穴の先が黒い 毛穴が開き、皮脂が酸化している
赤ニキビ 赤く腫れて痛い 毛穴の中で炎症が起きている
膿を持つニキビ 中心が白や黄色 炎症が進み、膿がたまっている
しこりニキビ 皮膚の奥に硬いしこりがある 深い部分まで炎症が広がっている

痛みのあるしこりニキビを繰り返す場合は、ニキビ跡のへこみや盛り上がりが残る前に治療を始めることが重要です。AAD(アメリカ皮膚科学会)でも、深く痛いニキビや瘢痕を残すニキビは皮膚科での治療が必要とされています。

ホルモン性ニキビを疑う特徴

  • あごやフェイスラインに集中してできる
  • 毎月、生理前に悪化する
  • 赤く痛いしこりニキビが多い
  • 30代以降も繰り返している
  • 皮脂が増えた
  • 月経不順がある
  • 体毛が濃くなった
  • 体重が増えやすくなった

月経不順、体毛の増加、体重増加などを伴う場合は、PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)などのホルモン異常が隠れている可能性があります。NHS(英国国民保健サービス)でも、成人女性のホルモン異常によるニキビの原因としてPCOSが挙げられています。

あごニキビを繰り返すときのスキンケア

洗顔は1日2回を目安にする

朝と夜に、低刺激の洗顔料をよく泡立てて洗います。あごを指で強くこすらず、洗顔後は清潔なタオルで押さえるように水分を取ります。

保湿を省かない

ニキビ肌でも保湿は必要です。

乾燥すると皮膚刺激が強くなり、アダパレンや過酸化ベンゾイルなどの治療薬も継続しにくくなります。ノンコメドジェニックテスト済みなど、毛穴を詰まらせにくい表示の保湿剤を選びましょう。

日焼け止めを使用する

ニキビの炎症後に紫外線を浴びると、赤みや色素沈着が長く残ることがあります。

また、アダパレンや一部の抗菌薬では皮膚が紫外線に敏感になる場合があります。治療中は日焼け止めや帽子を使用しましょう。

ニキビを潰さない

膿が見えると押し出したくなりますが、無理に潰すと炎症が皮膚の深い部分へ広がることがあります。

その結果、茶色い色素沈着、赤み、へこみ、盛り上がりなどのニキビ跡が残りやすくなります。

あごニキビに使われる主な治療薬

アダパレン

アダパレンは、毛穴の詰まりを改善し、白ニキビや黒ニキビ、新しい炎症性ニキビができるのを防ぐ外用薬です。

AAD(アメリカ皮膚科学会)のニキビ治療ガイドラインでも、アダパレンなどの外用レチノイドは、毛穴の詰まりを改善し、炎症を抑える治療として推奨されています。

使い始めには、乾燥、赤み、ヒリヒリ感、皮むけが起こることがあります。刺激が強い場合は、少量から始めたり、使用頻度を調整したりします。

アダパレンは、できているニキビだけへ点状に塗るのではなく、ニキビができやすい範囲へ薄く塗ることが基本です。

過酸化ベンゾイル

過酸化ベンゾイルは、アクネ菌を減らし、毛穴の詰まりを改善する外用薬です。

抗菌薬とは異なる仕組みで作用するため、薬剤耐性菌が問題になりにくい点が特徴です。AAD(アメリカ皮膚科学会)でも、過酸化ベンゾイルはニキビ治療の中心的な外用成分として推奨されています。

副作用として、乾燥、赤み、刺激、皮むけが起こることがあります。また、髪、衣類、タオルなどを脱色する場合があります。

アダパレン・過酸化ベンゾイル配合薬

毛穴の詰まりと炎症の両方へ作用する配合外用薬です。

1本で複数の原因に対応できますが、使い始めは乾燥や刺激が強く出ることがあります。PMDA(医薬品医療機器総合機構)でも、アダパレン・過酸化ベンゾイル配合ゲルの医薬品情報が公開されています。

抗菌薬

赤く腫れたニキビが多い場合は、外用または内服の抗菌薬が使われることがあります。

ただし、抗菌薬を単独で長期間使うと、薬が効きにくい耐性菌が増える可能性があります。そのため、過酸化ベンゾイルなどと組み合わせて使用されることがあります。

アゼライン酸

アゼライン酸は、毛穴の詰まりや炎症、色素沈着を改善する目的で使われる成分です。

アダパレンが刺激になりやすい人や、炎症後の色素沈着が気になる人に使われることがあります。塗り始めには、ヒリつき、かゆみ、乾燥が起こる場合があります。

低用量ピルなどのホルモン治療

生理前に繰り返し悪化する女性のニキビでは、低用量ピルなどのホルモン治療が検討されることがあります。

低用量ピルは、ホルモン変動を抑え、皮脂腺へ影響するアンドロゲンの働きを弱めることで、ニキビを改善する場合があります。

ただし、低用量ピルは誰でも使用できるわけではありません。喫煙、年齢、片頭痛、血栓症の既往、高血圧、持病、併用薬などを確認する必要があります。

治療薬の違いを比較

治療薬 主な働き 向いているニキビ 主な注意点
アダパレン 毛穴の詰まりを防ぐ 白ニキビ、黒ニキビ、再発予防 乾燥、赤み、皮むけ
過酸化ベンゾイル 菌を減らし、毛穴の詰まりを改善する 赤ニキビ、膿を持つニキビ 刺激、乾燥、衣類の脱色
抗菌薬 菌と炎症を抑える 炎症性ニキビ 長期単独使用による耐性菌
アゼライン酸 毛穴詰まり、炎症、色素沈着へ作用する 軽度ニキビ、ニキビ跡の色 ヒリつき、かゆみ
低用量ピル ホルモン変動やアンドロゲン作用を抑える 生理前に悪化する女性のニキビ 血栓症、喫煙、持病の確認

妊娠中・妊娠を希望している場合の注意点

妊娠中や妊娠の可能性がある場合は、使用できないニキビ治療薬があります。

アダパレンなどの外用レチノイドは、妊娠中や妊娠の可能性がある場合には使用を避ける必要があります。使用中に妊娠が分かった場合は、使用を中止して医師へ相談してください。PMDA(医薬品医療機器総合機構)でも、アダパレン製剤の妊娠中の使用について注意が示されています。

また、内服のイソトレチノインは胎児へ重大な影響を及ぼす可能性があるため、妊娠中には使用できません。

ACOG(アメリカ産科婦人科学会)では、妊娠中のニキビ治療について、使用する薬ごとに安全性を確認し、医療従事者へ相談するよう案内しています。

大人ニキビのセルフケア

  • 洗顔は朝と夜の1日2回を基本にする
  • スクラブやブラシで強くこすらない
  • あごを手で触らない
  • マスクを清潔に保つ
  • 枕カバーやタオルを定期的に交換する
  • ノンコメドジェニック表示の化粧品を選ぶ
  • 睡眠時間を確保する
  • ニキビを潰さない

歯磨き粉、消毒用アルコール、レモン汁などをニキビへ塗る自己流の対策は、皮膚刺激や色素沈着につながることがあります。AAD(アメリカ皮膚科学会)でも、根拠のある成分としてアダパレン、過酸化ベンゾイル、サリチル酸などを使用するよう案内しています。

どのくらいで改善する?

ニキビ治療は、数日で完全に治るものではありません。

外用薬を使用しても、見た目の変化を感じるまでに数週間かかることがあります。最初の1~2週間は乾燥や刺激が出やすいため、保湿を組み合わせて継続します。

治ってきたからとすぐに使用を中止すると、毛穴詰まりが再び進み、同じ場所に繰り返す場合があります。

今あるニキビを治すだけでなく、新しいニキビを作らない治療を続けることが大切です。

個人輸入でニキビ治療薬を購入する場合

個人輸入では、自宅から注文でき、国内では取り扱いの少ない濃度、剤形、配合薬などを比較できる点がメリットです。

ただし、治療薬によって塗る部位、濃度、使用回数、妊娠中の使用可否が異なります。

購入前には、次の項目を必ず確認してください。

  • 有効成分
  • 濃度
  • クリーム、ゲル、ローションなどの剤形
  • 1日の使用回数
  • 顔全体へ塗る薬か、患部だけへ塗る薬か
  • 乾燥、赤み、皮むけなどの副作用
  • 妊娠中や授乳中の使用可否
  • 他の外用薬との重複
  • 製造元と成分表示

アダパレン、過酸化ベンゾイル、酸を含む化粧品などを最初から複数重ねると、強い刺激や皮膚炎が起こる可能性があります。

まずは低い頻度から開始し、皮膚の状態を見ながら使用します。妊娠を希望している人や低用量ピルを検討している人は、事前に医師や薬剤師へ相談してください。

皮膚科や婦人科へ相談する目安

次のような場合は、皮膚科を受診してください。

  • あごのニキビを3か月以上繰り返している
  • 深くて痛いしこりがある
  • 膿を持つニキビが多い
  • 赤みや色素沈着が残っている
  • へこみや盛り上がりのあるニキビ跡ができた
  • 市販薬を使用しても改善しない
  • 髭剃り後にだけ悪化する
  • 妊娠中または妊娠を希望している

月経不順、体毛の増加、急な体重増加などを伴う場合は、婦人科への相談も検討してください。ホルモン異常が疑われる場合は、血液検査や超音波検査が行われることがあります。

まとめ

あごに繰り返す大人ニキビには、ホルモン変動、皮脂、毛穴詰まり、摩擦、髭剃り、睡眠不足、ストレスなどが関係します。

特に、生理前に悪化する、フェイスラインにも広がる、深くて痛いニキビができる場合は、ホルモンの影響が疑われます。

大人ニキビは、洗顔だけで皮脂を落とせば治るものではありません。アダパレンで毛穴詰まりを防ぎ、過酸化ベンゾイルで菌や炎症を抑えるなど、原因に合った治療を継続することが重要です。

妊娠中や妊娠を希望している場合は、使用できない治療薬があります。自己判断で薬を選ばず、使用前に成分を確認してください。

しこりニキビやニキビ跡が増えている場合は、早めに皮膚科へ相談しましょう。月経不順などがある場合は、ホルモンの病気が隠れていないか婦人科で確認することも大切です。

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