ピルの休薬期間なのに出血しないのは大丈夫?妊娠確認が必要なケース
医師・薬剤師監修
「休薬期間に入ったのに出血が来ない」「いつもは出血するのに、今回は何もない」と不安になる方もいるのではないでしょうか。
結論からいうと、休薬期間に消退出血がないことはあります。ピルを正しく服用できていて、飲み忘れなどがなければ、出血がないだけで妊娠と決まるわけではありません。日本産婦人科医会でも、まず妊娠の有無を確認し、妊娠が確実に除外できれば、消退出血がみられなくても特に問題にならないとしています。
一方で、飲み忘れや次のシート開始の遅れ、嘔吐・下痢などがあった場合は、避妊効果が低下している可能性があります。
「出血がない=妊娠」ではありませんが、避妊効果が下がる可能性のある状況があった場合は妊娠検査を検討することが重要です。
休薬期間なのに出血しないことはある?
あります。
ピルの休薬期間や偽薬期間に起こる出血は、自然な月経ではなく「消退出血」と呼ばれます。
低用量ピルを服用している間は、子宮内膜が厚くなりにくくなります。そのため、剥がれ落ちる内膜が少なくなり、出血量が少なくなったり、ほとんど出血しない周期があったりします。
PMDAの資料でも、配合ピルを正しく服用している場合、休薬・偽薬期間に消退出血が起こらないことがあるとされています。正しい服用ができていれば妊娠の可能性は低い一方、服用方法に問題があった場合や2回続けて出血がない場合は妊娠を除外する必要があります。

出血しないのは子宮内膜が薄くなっているから?
その可能性があります。
低用量ピルは排卵を抑えるだけでなく、子宮内膜が厚くなるのを抑える作用があります。
そのため、服用を続けていると、休薬期間に剥がれ落ちる内膜が少なくなり、
- 出血量が以前より少ない
- 茶色い出血だけになる
- 出血期間が短い
- ほとんど出血しない
といった変化がみられることがあります。
消退出血が少ないこと自体が、「身体に血がたまっている」という意味ではありません。
日本産婦人科医会でも、必要に応じてピルを連続使用し、月経回数を減らすことは可能とされています。
妊娠確認が必要になりやすいケース
休薬期間に出血がないとき、特に確認したいのは「避妊効果が下がる可能性のある出来事がなかったか」です。
例えば、次のようなケースです。
- 実薬を飲み忘れた
- 2錠以上連続して飲み忘れた
- 次のシート開始が遅れた
- 休薬期間を予定より長くした
- 服用後すぐに嘔吐した
- 強い下痢が続いた
- ピルの作用に影響する薬を併用した
- その期間に避妊なしの性交があった
このような状況があり、さらに休薬期間に出血がない場合は、妊娠検査や婦人科への相談を検討しましょう。
1回出血がないだけなら妊娠検査は必要?
必ずしも全員がすぐに検査しなければならないわけではありません。
PMDAの配合ピル資料では、正しく服用できている場合、1回消退出血がなくても妊娠の可能性は低いとされています。
ただし、日本産婦人科医会では、休薬期間に出血がない場合にはまず妊娠の有無を確認する考え方が示されています。
そのため、妊娠を確実に避けたい場合や、不安が強い場合は妊娠検査を行うと安心です。
特に飲み忘れなどが少しでもあった場合は、検査を考えた方がよいでしょう。
妊娠検査はいつすればいい?
妊娠検査薬を使う時期は、使用する製品の説明書に従うことが基本です。
一般的には、最後に妊娠の可能性がある性交をした日から十分な期間を空けて検査する必要があります。
検査が早すぎると、妊娠していてもhCGが十分に増えておらず、陰性になることがあります。
休薬期間に出血がないうえ、飲み忘れや避妊なし性交があった場合は、婦人科や薬剤師に検査時期を確認するとよいでしょう。

出血がなくても次のシートは予定通り始める?
基本的には、出血の有無だけを理由に次のシート開始を遅らせないことが重要です。
ピルは決められた休薬・偽薬期間が終わったら、次のシートを開始します。
出血を待って休薬期間を延長すると、ホルモンを飲まない期間が長くなり、排卵抑制が不十分になる可能性があります。
「まだ出血していないから、もう数日休もう」という自己判断は避けましょう。
ただし、妊娠の可能性が高い状況がある場合は、そのまま自己判断で続けず、医師・薬剤師へ相談してください。
2回連続で出血しない場合は?
2周期続けて消退出血がない場合は、妊娠を除外することが重要です。
PMDAの配合ピル資料でも、2回連続して消退出血がない場合には、ピルを継続する前に妊娠を除外する必要があるとされています。
特に、以前は毎回出血していたのに急に2回続けて来なくなった場合は、婦人科で相談するとよいでしょう。
飲み忘れがあると妊娠リスクは高くなる?
高くなる可能性があります。
ピルは毎日決められた方法で服用することで排卵を抑えます。
実薬の飲み忘れが続いたり、休薬期間が長くなったりすると、卵巣の活動が再開し、排卵する可能性が高まります。
PMDAの資料でも、正しい服用では避妊効果は高い一方、一般的な使用では飲み忘れなどにより妊娠率が高くなることが示されています。
そのため、出血の有無だけではなく、服用状況を振り返ることが大切です。
ピルの種類によって出血の起こり方は違う?
違います。
21錠+7日休薬タイプ、24錠+4日休薬タイプ、偽薬を含む28錠タイプ、連続投与タイプなど、製剤によってホルモンを飲まない期間は異なります。
また、最近では出血回数を減らすために連続して服用するタイプもあります。
そのため、「友人は休薬3日目に出血した」「自分は4日目でも来ない」と単純に比較しないことが大切です。
自分が使っている製剤の添付文書や医師から指示されたスケジュールを優先してください。
出血がない以外に妊娠を疑う症状は?
妊娠初期には、必ずしも分かりやすい症状が出るとは限りません。
人によっては、
- 乳房の張り
- 眠気
- 吐き気
- だるさ
- においに敏感になる
などを感じることがあります。
ただし、これらはピルの副作用や体調変化でも起こるため、症状だけで妊娠を判断することはできません。
妊娠の可能性がある場合は、「症状があるか」ではなく妊娠検査で確認することが重要です。
こんな場合は婦人科へ相談を
次のような場合は、自己判断せず婦人科へ相談してください。
- 2周期以上続けて消退出血がない
- 飲み忘れがあり妊娠の可能性がある
- 妊娠検査が陽性だった
- 強い腹痛がある
- 出血や腹痛を伴い妊娠の可能性がある
- 数か月にわたって出血パターンが大きく変化した
特に妊娠検査が陽性で強い腹痛や出血を伴う場合は、子宮外妊娠などを除外する必要があるため、早めに受診してください。
まとめ
ピルの休薬期間に出血しないことはあります。
低用量ピルによって子宮内膜が薄く保たれていると、消退出血が非常に少なくなったり、出血しない周期がみられたりします。
正しく服用できていて、飲み忘れや休薬延長がなければ、1回出血がないだけで妊娠と決まるわけではありません。
一方で、飲み忘れ・シート開始遅延・嘔吐や下痢などがあり、さらに出血がない場合は妊娠確認を検討しましょう。
また、出血がないからといって休薬期間を延ばさず、基本的には決められた日に次のシートを開始します。
2周期続けて出血がない場合や妊娠の可能性が否定できない場合は、妊娠検査や婦人科への相談を行いましょう。

