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抗生物質を飲むとカンジダになりやすい?菌のバランスが崩れる理由

抗生物質

抗生物質を飲むとカンジダになりやすい?菌のバランスが崩れる理由

医師・薬剤師監修

「抗生物質を飲んだあとにデリケートゾーンがかゆくなった」「風邪の治療後にカンジダが再発した気がする」という経験がある方は少なくありません。

結論からいうと、抗生物質の使用によって体内の細菌バランスが変化し、その結果としてカンジダが増えやすくなることがあります。

カンジダはもともと皮膚や口腔内、消化管、膣などに存在する真菌の一種です。普段はほかの常在菌とのバランスが保たれているため問題を起こしませんが、抗生物質によって一部の細菌が減ると、カンジダが増殖しやすい環境になることがあります。

そもそもカンジダとは?

カンジダは「カビ」の仲間にあたる真菌です。

代表的なのはカンジダ・アルビカンスで、健康な人の体にも存在しています。

つまり、カンジダ症は外から新しく菌をもらったから起こるとは限らず、もともと体内にいたカンジダが増えすぎることで発症することがあります。

膣カンジダでは、強いかゆみ、ヒリヒリ感、白くポロポロしたおりものなどがみられることがあります。

なぜ抗生物質でカンジダが増えるの?

抗生物質は、細菌感染症の治療に使う薬です。

しかし、薬は病気の原因菌だけを完全に選んで攻撃するわけではなく、体内にいる一部の常在菌にも影響します。

膣内では乳酸菌などの常在菌が環境を保ち、カンジダが増えすぎないようにしています。

抗生物質によってこうした細菌が減ると、カンジダを抑えていたバランスが崩れ、真菌が増殖しやすくなることがあります。

抗生物質はカンジダには効かないの?

はい。一般的な抗生物質は細菌を標的にする薬であり、カンジダのような真菌には基本的に効果がありません。

そのため、抗生物質で細菌が減っても、カンジダはその影響を受けずに残ります。

むしろ周囲の細菌が減ることで、カンジダが増える余地ができることがあります。

細菌感染症と真菌感染症では、使う薬の種類が異なる点が重要です。

どんな抗生物質でもカンジダになりやすい?

すべての抗生物質で同じ程度に起こるわけではありません。

一般的には、広い範囲の細菌に作用する広域抗菌薬や、長期間の抗菌薬使用では常在菌への影響が大きくなりやすいと考えられます。

ただし、実際にカンジダ症を起こすかどうかは、薬の種類だけでなく体質や持病、使用期間、過去の再発歴などにも左右されます。

「この抗生物質なら絶対カンジダになる」「この薬なら絶対ならない」と一律には判断できません。

女性の膣カンジダは起こりやすい?

抗生物質使用後に特に話題になりやすいのが膣カンジダです。

膣内では乳酸菌などが酸性環境を保つことで、病原体やカンジダの過剰増殖を防いでいます。

抗生物質によって乳酸菌が減ると、この環境が変化し、カンジダが増えやすくなることがあります。

抗生物質を飲むたびに膣カンジダを繰り返す人では、治療歴を医師へ伝えておくとよいでしょう。

男性でもカンジダになる?

男性でもカンジダによる症状が出ることはあります。

陰茎や包皮に赤み、かゆみ、ヒリヒリ感などが出るカンジダ性亀頭包皮炎がみられることがあります。

糖尿病がある人、免疫機能が低下している人、蒸れやすい環境が続く人などでは起こりやすくなることがあります。

カンジダは女性だけの病気ではありません。

口の中にもカンジダはできる?

抗生物質使用後には、口腔カンジダ症が起こることもあります。

舌や頬の内側などに白い苔のようなものが付着し、痛みや違和感を伴うことがあります。

高齢者、免疫機能が低下している人、吸入ステロイドを使っている人などでも起こりやすくなります。

口の中に白い付着物が続く場合は、自己判断で抗生物質を追加せず医療機関へ相談しましょう。

抗生物質を飲み始めて何日くらいで症状が出る?

カンジダ症が出るタイミングには個人差があります。

抗生物質の服用中に症状が出る人もいれば、飲み終わったあと数日してから気づく人もいます。

また、抗生物質を使ったからといって必ず症状が出るわけではありません。

服用後にかゆみやおりものの変化が出た場合は、「抗生物質の副作用」と一括りにせずカンジダなど別の病気も考える必要があります。

白いおりものが出たらカンジダ?

膣カンジダでは、白くポロポロしたチーズ状・酒かす状のおりものがみられることがあります。

ただし、おりものの変化だけでカンジダと確定することはできません。

細菌性膣症、トリコモナス感染症、性感染症などでもおりものが変化することがあります。

初めて症状が出た場合や、いつものカンジダと違う場合は婦人科で診断を受けることが大切です。

強いにおいがある場合はカンジダではないことも

膣カンジダでは、強い悪臭が目立たないことも多いです。

一方、魚のような強いにおいがある場合には、細菌性膣症など別の原因が関係していることがあります。

「かゆいから全部カンジダ」と自己判断すると、適切な治療が遅れることがあります。

抗生物質を途中でやめればカンジダを防げる?

カンジダが心配だからといって、処方された抗生物質を自己判断で途中中止することは避けてください。

細菌感染症の治療が不十分になると、症状が再発したり、感染が悪化したりする可能性があります。

また、不適切な抗菌薬使用は薬剤耐性菌の問題にもつながります。

カンジダの症状が出た場合は、抗生物質を勝手にやめるのではなく、処方した医師へ相談してください。

カンジダになったらどんな薬を使う?

膣カンジダなどの治療には、抗真菌薬が使用されます。

膣錠やクリームなどの外用薬、症状や状況によっては内服薬が選択されることがあります。

ただし、妊娠中などでは使える薬が異なるため、自己判断で以前の薬を使用しないことが大切です。

カンジダは真菌による感染なので、治療には抗生物質ではなく抗真菌薬を使用します。

市販薬を使ってもいい?

膣カンジダの再発に対して、市販の抗真菌薬を使用できるケースがあります。

ただし、一般的には以前医師から膣カンジダと診断されたことがあり、今回も同じような再発症状であることなどが前提になります。

初めて症状が出た場合や、発熱、下腹部痛、強い悪臭のあるおりものなどがある場合には、市販薬だけで対応しないほうがよいでしょう。

診断が違えば治療薬も変わるため、「たぶんカンジダ」で薬を使い続けないことが重要です。

ヨーグルトや乳酸菌で予防できる?

腸内細菌や膣内細菌のバランスという話から、「ヨーグルトや乳酸菌を取ればカンジダを防げるのでは」と考える人もいます。

プロバイオティクスとカンジダ予防については研究されていますが、食品やサプリメントだけで確実に予防できるとは言えません。

乳酸菌を取っているから抗生物質を自由に使ってよい、ということではありません。

洗いすぎも逆効果になることがある

デリケートゾーンのかゆみがあると、「菌を洗い流そう」と石けんなどで強く洗いたくなるかもしれません。

しかし、膣内や外陰部を過度に洗浄すると、正常な菌のバランスや皮膚のバリア機能が乱れる可能性があります。

デリケートゾーンは洗いすぎず、外側をやさしく清潔に保つことが基本です。

蒸れやすい環境にも注意

カンジダは高温多湿の環境で増えやすいため、長時間蒸れた状態が続くことも症状悪化の一因になります。

通気性のよい下着を選ぶ、汗をかいた衣類を長時間着続けないなどの工夫があります。

ただし、生活習慣だけですべてのカンジダを予防できるわけではありません。

糖尿病があるとカンジダになりやすい?

血糖値が高い状態では、カンジダ症を起こしやすくなることがあります。

膣カンジダを何度も繰り返す場合には、糖尿病など背景にある病気が関係していないか確認することがあります。

抗生物質を使っていないのに頻繁に再発する場合は、別のリスク因子も含めて医療機関へ相談しましょう。

繰り返すカンジダは「体質」だけではない

短期間に何度も膣カンジダを繰り返す場合は、単に「なりやすい体質」として済ませないことも大切です。

糖尿病、免疫機能の低下、抗菌薬の頻回使用などが関係することがあります。

また、カンジダの種類によっては一般的な抗真菌薬が効きにくい場合もあります。

再発を繰り返す場合は、原因菌や背景因子を確認したうえで治療を考える必要があります。

抗生物質は必要なときだけ使うことが大切

カンジダ予防という意味でも、不要な抗生物質を使わないことは重要です。

一般的な風邪の多くはウイルスが原因であり、抗生物質は効きません。

必要のない抗生物質を使用すると、カンジダなどの副作用だけでなく、薬剤耐性菌を増やす問題にもつながります。

「念のため抗生物質」ではなく、細菌感染症に必要な場合に適切に使うことが基本です。

こんな場合は医療機関へ

初めてカンジダのような症状が出た場合、何度も再発する場合、妊娠中の場合などは医療機関へ相談しましょう。

また、発熱、強い下腹部痛、悪臭の強いおりもの、出血、排尿時の強い痛みなどを伴う場合には、別の感染症が隠れている可能性があります。

抗生物質使用後に症状が出たとしても、必ずカンジダとは限らないため、症状が強い場合は診断を受けることが大切です。

まとめ

抗生物質を飲むと、体内の常在菌のバランスが変化し、その結果としてカンジダが増えやすくなることがあります。

抗生物質は細菌を抑える薬ですが、カンジダは真菌であるため基本的には抗生物質では抑えられません。周囲の細菌が減ることで、もともと存在していたカンジダが増殖しやすくなることがあります。

ただし、抗生物質を使用した人が必ずカンジダ症になるわけではありません。

カンジダが心配だからと処方された抗生物質を自己判断で中止するのではなく、かゆみやおりものの変化などが出た場合は医師・薬剤師へ相談しましょう。

また、症状が初めての場合や何度も繰り返す場合には、ほかの感染症や糖尿病などが関係していないか確認することも重要です。

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