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鼻炎と副鼻腔炎の違いとは?鼻水の色・痛み・症状で見分ける方法

鼻炎

鼻炎と副鼻腔炎の違いとは?鼻水の色・痛み・症状で見分ける方法

監修:医師・薬剤師監修

「透明な鼻水が止まらない」「黄色く粘り気のある鼻水が続く」「頬や目の奥まで痛い」という場合、鼻炎だけでなく副鼻腔炎が起きている可能性があります。

鼻炎と副鼻腔炎は、どちらも鼻水や鼻づまりを起こすため混同されやすい病気です。しかし、炎症が起きている場所や症状、使われる薬は異なります。

透明でさらさらした鼻水、連続するくしゃみ、鼻や目のかゆみが目立つ場合は鼻炎が疑われます。一方、粘り気のある鼻水、頬や目の周囲の痛み、嗅覚低下などがある場合は副鼻腔炎を考える必要があります。

鼻炎と副鼻腔炎の基本的な違い

鼻炎は、空気の通り道である鼻腔の粘膜に炎症が起きた状態です。

主な原因には、花粉やダニによるアレルギー、ウイルス感染、寒暖差、たばこの煙や香水などの刺激があります。

副鼻腔炎は、鼻の周囲にある空洞「副鼻腔」の粘膜に炎症が起きた状態です。副鼻腔には、頬の奥にある上顎洞、両目の間にある篩骨洞、額の奥にある前頭洞などがあります。

鼻と副鼻腔は細い通路でつながっています。風邪や鼻炎で粘膜が腫れると、副鼻腔にたまった分泌物を外へ出しにくくなり、炎症が起こります。

日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会では、副鼻腔に炎症が起きた状態を副鼻腔炎とし、急性期には鼻づまり、粘り気やにおいのある鼻水、頬・鼻周囲・額の痛み、発熱などが現れるとしています。

鼻炎と副鼻腔炎を症状で比較

比較項目 鼻炎 副鼻腔炎
炎症が起きる場所 鼻腔の粘膜 鼻の周囲にある副鼻腔
鼻水 透明でさらさらした鼻水が多い 粘り気のある鼻水が多い
くしゃみ 連続して出やすい 主症状ではない
鼻や目のかゆみ アレルギー性鼻炎で起こりやすい 通常は目立たない
顔の痛み 通常は少ない 頬、目の奥、額などに出ることがある
におい 鼻づまりが強いと分かりにくくなる 嗅覚低下が起こりやすい
後鼻漏 起こることがある 粘り気のある鼻水が喉へ流れやすい
主な治療 抗ヒスタミン薬、点鼻ステロイド薬など 鼻洗浄、点鼻ステロイド薬、必要に応じた抗菌薬や手術

鼻水の色だけで見分けられる?

透明でさらさらした鼻水

水のように透明な鼻水は、花粉症やダニ・ハウスダストによるアレルギー性鼻炎でよく見られます。

アレルギー性鼻炎では、くしゃみ、透明な鼻水、鼻づまりが主な症状です。くしゃみは連続して起こりやすく、鼻や目のかゆみを伴うこともあります。

風邪の初期にも透明な鼻水は出るため、喉の痛み、せき、発熱、だるさなどの有無も確認しましょう。

黄色や緑色の鼻水

黄色や緑色で粘り気のある鼻水は、副鼻腔炎で見られる症状の一つです。

ただし、鼻水に色が付いたからといって、必ず細菌感染が起きているわけではありません。風邪の経過中に、免疫細胞や粘液が混ざって黄色や緑色に変化することもあります。

副鼻腔炎の多くはウイルスが原因であり、すべてのケースで抗菌薬が必要になるわけではありません。CDC(アメリカ疾病予防管理センター)でも、多くの副鼻腔炎はウイルス性で、抗菌薬を使わずに改善するとされています。

悪臭のある鼻水

本人や周囲が嫌なにおいを感じる粘り気のある鼻水は、副鼻腔炎で起こることがあります。

片側だけに悪臭のある鼻水が続く場合は、片側性の副鼻腔炎、歯の炎症、鼻腔内の異物なども考えられます。

鼻水の色だけで診断せず、痛み、におい、続いている期間、左右差を合わせて確認することが重要です。

顔や頭の痛みがある場合は副鼻腔炎?

副鼻腔炎では、炎症が起きている場所によって痛む部分が異なります。

  • 頬や上の奥歯が痛む
  • 目の奥や両目の間が重い
  • 額や眉間が痛む
  • 頭を下げると顔の圧迫感が強くなる
  • 顔やまぶたが腫れる

日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会では、頬、目の奥、額の痛みがある場合、副鼻腔炎が関係していることがあるとしています。

一方で、頭痛や顔面痛があるだけでは副鼻腔炎と断定できません。片頭痛、歯の炎症、神経痛などでも似た痛みが起こります。

副鼻腔炎による顔の痛みでは、鼻づまりや鼻水、嗅覚低下などの鼻症状を伴うことが一般的です。

においが分からない場合

鼻炎と副鼻腔炎のどちらでも、鼻づまりが強いと、においの分子が嗅覚を感じる部分まで届きにくくなります。

副鼻腔炎では、粘膜の炎症や鼻茸によって空気の通り道が塞がれ、においが分かりにくくなることがあります。

次のような変化は、嗅覚障害のサインです。

  • 料理のにおいが弱く感じる
  • コーヒーや香水のにおいが分からない
  • 食べ物の風味が分かりにくい
  • 焦げたにおいやガス臭に気づきにくい

嗅覚低下が数週間続く場合は、耳鼻咽喉科で鼻腔や副鼻腔の状態を確認しましょう。

後鼻漏とせきの違い

鼻水が鼻の前から出ず、喉の奥へ流れる状態を後鼻漏といいます。

鼻炎でも副鼻腔炎でも起こりますが、副鼻腔炎では粘り気のある鼻水が喉へ流れ、次のような症状が現れやすくなります。

  • 喉に何か張り付いている感じがする
  • 何度も痰を出したくなる
  • 横になるとせき込む
  • 朝に痰が絡む
  • 口臭が気になる

日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会でも、鼻水が多い、または粘りが強い場合、喉へ流れて不快感を起こすとされています。

急性副鼻腔炎と慢性副鼻腔炎の違い

急性副鼻腔炎

風邪などをきっかけに、急に副鼻腔へ炎症が起こった状態です。

鼻づまり、粘り気のある鼻水、頬や額の痛み、発熱などが現れます。多くはウイルス感染が原因で、時間とともに改善します。

慢性副鼻腔炎

副鼻腔の炎症が長期間続く状態で、以前は蓄膿症と呼ばれていました。

強い痛みよりも、次の症状が長く続く傾向があります。

  • 鼻づまり
  • 粘り気のある鼻水
  • 後鼻漏
  • 嗅覚低下
  • 頭が重い
  • せきや痰

慢性副鼻腔炎の中には、好酸球性副鼻腔炎、歯の炎症が原因となる歯性上顎洞炎、真菌が関係する副鼻腔炎などもあります。症状が長引く場合は耳鼻咽喉科で原因を確認する必要があります。

細菌性副鼻腔炎を疑う目安

急性副鼻腔炎の多くはウイルス性ですが、次のような経過では細菌感染が疑われます。

  • 症状が10日以上たっても改善しない
  • 高熱と強い顔面痛、膿のような鼻水が数日続く
  • 風邪が良くなりかけた後に、再び発熱や鼻水が悪化する

CDC(アメリカ疾病予防管理センター)では、10日以上改善しない、強い発熱や顔面痛を伴う、いったん改善後に再悪化する場合を、細菌性副鼻腔炎を疑う特徴として挙げています。

黄色や緑色の鼻水だけを理由に、抗菌薬を自己判断で使わないでください。

鼻炎に使われる主な薬

薬の種類 主な成分 向いている症状 注意点
第2世代抗ヒスタミン薬 フェキソフェナジン、ロラタジン、セチリジンなど くしゃみ、透明な鼻水、鼻や目のかゆみ 成分によって眠気が異なる
鼻噴霧用ステロイド薬 モメタゾン、フルチカゾンなど 鼻水、くしゃみ、鼻づまり 継続使用が基本。鼻血に注意
抗ロイコトリエン薬 モンテルカストなど 鼻づまりが強い場合 主に処方薬。気分や睡眠の変化に注意

アレルギー性鼻炎では、抗ヒスタミン薬、鼻噴霧用ステロイド薬、抗ロイコトリエン薬などが症状に応じて使われます。

抗ヒスタミン薬は、透明な鼻水やくしゃみには向いていますが、感染による副鼻腔炎を直接治す薬ではありません。

副鼻腔炎に使われる主な治療

生理食塩水による鼻洗浄

鼻や副鼻腔の出口にたまった粘液を洗い流し、乾燥や刺激を軽減します。

水道水をそのまま使わず、市販の洗浄液や、製品の説明に従って衛生的に調製した生理食塩水を使用してください。

鼻噴霧用ステロイド薬

鼻や副鼻腔の粘膜の炎症と腫れを抑え、鼻水を排出しやすくするために使われることがあります。

NHS(英国国民保健サービス)でも、副鼻腔の腫れを抑える治療としてステロイド点鼻薬が紹介されています。

抗菌薬

症状や経過から細菌性副鼻腔炎が強く疑われる場合に、医師の判断で使用されます。

ウイルス性の副鼻腔炎に抗菌薬を使っても改善は早くならず、下痢、発疹などの副作用や薬剤耐性菌の増加につながる可能性があります。

手術

薬物療法を続けても改善しない慢性副鼻腔炎、鼻茸がある場合、繰り返す副鼻腔炎などでは、内視鏡手術が検討されることがあります。

血管収縮性点鼻薬の使い過ぎに注意

鼻づまりをすぐに楽にする血管収縮性点鼻薬は、短期間の使用では役立つことがあります。

しかし、長期間繰り返して使うと、薬が切れた後に鼻粘膜が強く腫れ、点鼻薬を使わないと鼻が通らない薬剤性鼻炎を起こす可能性があります。

点鼻薬を毎日使っているのに鼻づまりが悪化している場合は、噴霧回数を増やさず耳鼻咽喉科へ相談してください。

自宅でできる対処法

鼻は片方ずつ優しくかむ

両方の鼻を同時に強くかむと、鼻水が耳側へ押し込まれ、中耳炎を起こす可能性があります。

片側ずつ、ゆっくりかみましょう。

水分を取る

水分不足になると、鼻水が粘りやすくなります。水や無糖のお茶をこまめに取りましょう。

室内の乾燥を避ける

乾燥すると鼻粘膜が刺激され、粘液が固くなる場合があります。

ただし、加湿し過ぎるとダニやカビが増えるため、結露が出るほどの加湿は避けます。

アレルゲンを減らす

透明な鼻水やくしゃみが中心の場合は、花粉、ダニ、ハウスダストなどへの対策を行います。

寝具の洗濯、床の拭き掃除、帰宅時の着替え、花粉の多い日の外干しを避けることなどが役立ちます。

個人輸入で鼻炎薬や副鼻腔炎の薬を購入する場合

個人輸入代行では、抗ヒスタミン薬、鼻噴霧用ステロイド薬、鼻洗浄製品など、国内では選択肢の少ない商品を比較できる場合があります。

アレルギー性鼻炎と診断され、使用する成分が分かっている人にとっては、ジェネリック医薬品や容量を比較しやすい点がメリットです。

購入前には次の項目を確認してください。

  • 有効成分
  • 1錠または1噴霧当たりの含有量
  • 鼻炎用か、副鼻腔炎の治療に使われる薬か
  • 眠気と運転への影響
  • 血管収縮成分が含まれていないか
  • 使用できる期間
  • 持病や併用薬
  • 製造元と使用期限

黄色い鼻水があるという理由だけで、個人輸入した抗菌薬を使用しないでください。副鼻腔炎にはウイルス性、細菌性、アレルギーや歯の炎症が関係するものなどがあり、必要な治療が異なります。

また、効きにくいからと複数の抗ヒスタミン薬や点鼻薬を自己判断で重ねないでください。

耳鼻咽喉科へ相談する目安

次のような場合は、耳鼻咽喉科への相談を検討してください。

  • 鼻水や鼻づまりが10日以上改善しない
  • いったん良くなった後に症状が悪化した
  • 頬、目の奥、額、上の歯が痛い
  • 黄色や緑色の粘り気のある鼻水が続く
  • においが分かりにくい
  • 後鼻漏やせきが長引いている
  • 片側だけ鼻づまりや鼻水が続く
  • 鼻血を繰り返す
  • 顔やまぶたが腫れている
  • 市販薬や個人輸入薬で改善しない

片側だけの鼻づまり、血の混じった鼻水、頬のしびれ、片側だけ涙が出るといった症状は、まれに鼻腔や副鼻腔の腫瘍でも現れます。長引く場合は早めに耳鼻咽喉科を受診してください。

目の周囲が強く腫れる、視力が低下する、物が二重に見える、激しい頭痛、意識の異常がある場合は、重い合併症の可能性があるため速やかな受診が必要です。

まとめ

鼻炎は鼻腔の粘膜に炎症が起きた状態で、副鼻腔炎は鼻の周囲にある副鼻腔まで炎症が広がった状態です。

透明でさらさらした鼻水、連続するくしゃみ、鼻や目のかゆみが中心の場合は、アレルギー性鼻炎が疑われます。

粘り気のある鼻水、頬や目の奥の痛み、嗅覚低下、後鼻漏などがある場合は、副鼻腔炎の可能性があります。

鼻水の色だけでは鼻炎と副鼻腔炎、ウイルス性と細菌性を完全に見分けることはできません。症状が続く期間、顔面痛、発熱、いったん改善後の再悪化などを合わせて判断します。

鼻炎には抗ヒスタミン薬や鼻噴霧用ステロイド薬、副鼻腔炎には鼻洗浄や鼻噴霧用ステロイド薬、必要に応じて抗菌薬などが使われます。

個人輸入代行では複数の鼻炎薬を比較できますが、黄色い鼻水だけを理由に抗菌薬を使わず、症状が長引く場合は耳鼻咽喉科で原因を確認しましょう。

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