鼻炎薬を飲むと眠くなるのはなぜ?眠気が少ない成分を紹介
監修:医師・薬剤師監修
「鼻水は止まったけれど、仕事中に眠くて集中できない」「花粉症の薬を飲むと頭がぼんやりする」と感じたことがある人は多いでしょう。
鼻炎薬で眠くなる主な理由は、鼻水やくしゃみを抑える抗ヒスタミン成分が脳内へ入り、覚醒を保つヒスタミンの働きまで弱めるためです。
ただし、すべての鼻炎薬が同じ程度に眠気を起こすわけではありません。フェキソフェナジン、ロラタジン、ビラスチン、デスロラタジンなどは、比較的脳へ移行しにくく、眠気が少ない成分として使われています。アレルギーポータルでも、抗ヒスタミン薬には眠気の副作用がある一方、近年は眠気が現れにくい薬もあるとされています。([allergyportal.jp](https://allergyportal.jp/knowledge/allergic-rhinitis/?utm_source=chatgpt.com))
「第2世代だから絶対に眠くならない」という意味ではありません。薬の成分、服用量、体質、睡眠不足、飲酒、併用薬によって眠気の出方は変わります。
鼻炎薬が鼻水やくしゃみを抑える仕組み
花粉、ダニ、ハウスダストなどが鼻へ入ると、アレルギー反応によってヒスタミンという物質が放出されます。
ヒスタミンが鼻粘膜のH1受容体へ結合すると、連続するくしゃみ、透明な鼻水、鼻のかゆみなどが起こります。
抗ヒスタミン薬は、ヒスタミンがH1受容体へ結合するのを妨げ、鼻水やくしゃみを抑えます。アレルギー性鼻炎の治療では、抗ヒスタミン薬の内服や、鼻の炎症を抑える鼻噴霧用ステロイド薬などが使われます。([allergyportal.jp](https://allergyportal.jp/knowledge/allergic-rhinitis/?utm_source=chatgpt.com))
抗ヒスタミン薬で眠くなる理由
ヒスタミンは鼻のアレルギー反応に関係するだけでなく、脳内では目を覚まし、注意力や集中力を保つ働きにも関係しています。
抗ヒスタミン成分が血液から脳へ入り、脳内のH1受容体を遮断すると、覚醒を保つ働きが弱くなります。
その結果、次のような変化が現れることがあります。
- 眠気
- 頭がぼんやりする
- 集中しにくい
- 反応が遅くなる
- 身体がだるい
- 運転中に注意力が落ちる
PMDA(医薬品医療機器総合機構)では、薬によって眠気、注意力低下、目のかすみ、めまいなどが起こり、自動車運転へ支障を及ぼす場合があると注意を促しています。([pmda.go.jp](https://www.pmda.go.jp/safety/consultation-for-patients/on-drugs/qa/0015.html?utm_source=chatgpt.com))
本人が強い眠気を自覚していなくても、判断力や作業効率が低下している可能性があります。
第1世代と第2世代抗ヒスタミン薬の違い
| 比較項目 | 第1世代抗ヒスタミン薬 | 第2世代抗ヒスタミン薬 |
|---|---|---|
| 眠気 | 比較的起こりやすい | 成分により少ないものがある |
| 脳への移行 | 移行しやすい | 比較的移行しにくい |
| 口の渇き | 起こりやすい | 比較的少ない |
| 服用回数 | 1日数回の製品が多い | 1日1~2回の製品が多い |
| 主な特徴 | 即効性を感じやすいが副作用も出やすい | 効果の持続と眠気の少なさを重視して選べる |
第1世代抗ヒスタミン薬には、クロルフェニラミン、ジフェンヒドラミン、クレマスチンなどがあります。
これらは風邪薬や総合鼻炎薬にも配合されており、鼻水を抑える一方で、眠気、口の渇き、目のかすみ、便秘、排尿しにくいなどの副作用が出ることがあります。
第2世代抗ヒスタミン薬は、脳へ入りにくいよう改良された成分が多く、眠気や口の渇きが比較的少ない傾向があります。
日中の仕事や運転がある人は、商品名だけでなく有効成分を確認することが重要です。
眠気が比較的少ない主な成分
| 成分 | 眠気の特徴 | 服用の特徴 | 主な注意点 |
|---|---|---|---|
| フェキソフェナジン | 比較的少ない | 一般に1日2回 | 制酸薬や果汁との飲み合わせに注意 |
| ロラタジン | 比較的少ない | 一般に1日1回 | 肝機能低下時は要相談 |
| ビラスチン | 比較的少ない | 一般に1日1回 | 空腹時服用が必要 |
| デスロラタジン | 比較的少ない | 一般に1日1回 | 体質によって眠気が出る場合がある |
| セチリジン | 眠気が出る人がいる | 一般に1日1回 | 運転への注意が必要 |
| レボセチリジン | 眠気が出る人がいる | 一般に1日1回 | 腎機能に応じた調整が必要な場合がある |
フェキソフェナジン
フェキソフェナジンは、第2世代抗ヒスタミン薬の中でも、比較的眠気が少ない成分として広く使われています。
PMDA(医薬品医療機器総合機構)の添付文書では、フェキソフェナジン60mg投与群における主な副作用として眠気3.9%が報告されています。([pmda.go.jp](https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/ResultDataSetPDF/580591_4490023F1261_1_05?utm_source=chatgpt.com))
日中に車を運転する人や、集中力が必要な仕事をする人に選ばれることがあります。
ただし、アルミニウムやマグネシウムを含む制酸薬によって吸収が低下することがあります。また、製品によっては果汁との服用を避け、水で飲むことが推奨されます。
眠気が少ない薬でも、初めて服用するときは自分の反応を確認してください。
ロラタジン
ロラタジンは、一般に1日1回服用する第2世代抗ヒスタミン薬です。
PMDA(医薬品医療機器総合機構)の資料では、ロラタジン服用後の運転・機械操作能力は、プラセボ服用時と同様であり、明確な影響は認められなかったと報告されています。([pmda.go.jp](https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/ResultDataSetPDF/830001_4490027F1103_1_13?utm_source=chatgpt.com))
服用回数を少なくしたい人や、日中の眠気を避けたい人の選択肢になります。
ただし、すべての人に眠気が出ないわけではありません。服用後に眠気や集中力低下を感じた場合は、運転や高所作業を避けましょう。
ビラスチン
ビラスチンも、比較的眠気が少ない第2世代抗ヒスタミン薬です。
臨床試験では、通常用量における自動車運転能力や精神運動機能への影響が、プラセボと大きく変わらなかったと報告されています。([pmda.go.jp](https://www.pmda.go.jp/drugs/2016/P20161025003/400107000_22800AMX00690000_G100_1.pdf.pdf?utm_source=chatgpt.com))
一方で、食事と一緒に飲むと吸収が低下するため、一般に空腹時に服用します。
朝食後に飲む薬だと思い込まず、用法を必ず確認してください。
デスロラタジン
デスロラタジンは、ロラタジンの活性代謝物に当たる第2世代抗ヒスタミン薬です。
PMDA(医薬品医療機器総合機構)の添付文書では、通常用量における自動車運転能力や精神運動機能は、プラセボ投与時と差がなかったと報告されています。([pmda.go.jp](https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/ResultDataSetPDF/181615_4490032F1023_2_03?utm_source=chatgpt.com))
1日1回の服用で効果が続くため、服用回数を減らしたい人にも使われます。
セチリジン・レボセチリジンは効くが眠気に注意
セチリジンやレボセチリジンは、鼻水、くしゃみ、皮膚のかゆみなどに使われる第2世代抗ヒスタミン薬です。
効果を実感しやすい人がいる一方で、フェキソフェナジンやロラタジンと比べて眠気が気になる場合があります。
セチリジンの添付文書には、眠気を催すことがあるため、自動車運転など危険を伴う機械操作へ従事しないよう注意が記載されています。([kegg.jp](https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00053374&utm_source=chatgpt.com))
レボセチリジンについても、服用中の運転や危険な機械操作を避けるよう注意が示されています。([pmda.go.jp](https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/ResultDataSetPDF/400186_4490028R1058_1_02?utm_source=chatgpt.com))
第2世代というだけで、運転してよいと判断してはいけません。
風邪薬や総合鼻炎薬で特に眠くなりやすい理由
総合感冒薬や総合鼻炎薬には、複数の成分が配合されています。
鼻水を抑える第1世代抗ヒスタミン薬に加えて、せき止め、鎮静作用のある成分、解熱鎮痛薬などが含まれる場合があります。
そのため、単一成分の第2世代抗ヒスタミン薬よりも、眠気や頭のぼんやり感が強くなることがあります。
商品を選ぶ際は、パッケージの「眠くなりにくい」という表示だけでなく、次の成分が含まれていないか確認しましょう。
- クロルフェニラミン
- ジフェンヒドラミン
- クレマスチン
- プロメタジン
ジフェンヒドラミンは睡眠改善薬にも使われる成分であり、眠気を目的として使用されることもあります。
鼻炎薬の眠気を強くする条件
同じ薬を飲んでも、次の条件が重なると眠気が強くなることがあります。
- 睡眠不足
- 前日に飲酒している
- 空腹や疲労が強い
- 睡眠薬や抗不安薬を併用している
- 風邪薬やせき止めを重ねている
- 抗ヒスタミン薬を複数服用している
- 肝機能や腎機能が低下している
- 用量を超えて服用している
鼻炎薬を飲む日にアルコールを摂取すると、眠気や注意力低下が強くなる可能性があります。
また、効きにくいからと同じ日に複数の鼻炎薬を飲むと、抗ヒスタミン成分が重複することがあります。
眠気が出たときの対処法
運転や危険な作業を中止する
薬を飲んだ後に眠気、ふらつき、頭のぼんやり感がある場合は、自動車や自転車の運転、高所作業、機械操作を避けてください。
PMDA(医薬品医療機器総合機構)では、運転可否は添付文書やパッケージで確認し、自己判断で服用量を変更せず、医師や薬剤師へ相談するよう案内しています。([pmda.go.jp](https://www.pmda.go.jp/safety/consultation-for-patients/on-drugs/qa/0018.html?utm_source=chatgpt.com))
自己判断で服用時刻を変えない
眠いからと、朝の薬を勝手に就寝前へ変更すると、効果が必要な時間帯に薬が切れる場合があります。
服用時刻を変更したい場合は、製品の説明書を確認するか、医師・薬剤師へ相談してください。
カフェインで無理に打ち消さない
コーヒーやエナジードリンクで眠気をごまかしても、注意力や反応速度が完全に戻るとは限りません。
眠気が強い場合は、薬の成分を見直すことが優先です。
眠気を避けたい場合は点鼻薬も選択肢
鼻づまりを含むアレルギー性鼻炎では、モメタゾンやフルチカゾンなどの鼻噴霧用ステロイド薬が使われます。
鼻へ直接使用するため、内服抗ヒスタミン薬より全身への影響が少なく、眠気を避けたい人の選択肢になります。
アレルギーポータルでも、鼻噴霧用ステロイド薬は、アレルギー性鼻炎の鼻の炎症を抑える治療として紹介されています。([allergyportal.jp](https://allergyportal.jp/knowledge/allergic-rhinitis/?utm_source=chatgpt.com))
ただし、鼻噴霧用ステロイド薬は点鼻直後に鼻を通す血管収縮薬とは異なります。毎日決められた回数を使用して炎症を抑える薬です。
眠気が少ない鼻炎薬の選び方
日中の眠気を避けたい場合は、次の点を確認しましょう。
- 第1世代か第2世代か
- 有効成分名
- パッケージに運転禁止の記載があるか
- 1日の服用回数
- 食前・食後・空腹時などの条件
- 鼻水、くしゃみ、鼻づまりのどれが強いか
- ほかの薬との成分重複
眠気の少なさを重視する場合は、フェキソフェナジン、ロラタジン、ビラスチン、デスロラタジンなどが候補になります。
ただし、鼻づまりが強い場合は、抗ヒスタミン薬だけで十分に改善しないことがあります。その場合は、鼻噴霧用ステロイド薬などを組み合わせることがあります。
個人輸入で鼻炎薬を購入する場合
個人輸入代行では、国内では入手しにくい抗ヒスタミン薬、含有量、ジェネリック医薬品、点鼻薬などを自宅から比較できる点がメリットです。
花粉症や通年性アレルギー性鼻炎では、一定期間薬を使うことがあるため、価格や服用回数を比較しやすいことも利点です。
購入前には、次の項目を確認してください。
- 有効成分
- 1錠当たりの含有量
- 第1世代か第2世代か
- 眠気と運転への影響
- 1日の服用回数
- 食事の影響
- 肝機能・腎機能に応じた注意
- 睡眠薬、風邪薬、せき止めとの重複
- 妊娠中、授乳中、小児の使用可否
- 製造元と使用期限
海外製品は、同じ成分でも国内製品と1錠当たりの含有量が異なる場合があります。国内製品と同じ錠数をそのまま服用せず、成分量を確認してください。
効きにくいからと、フェキソフェナジンとセチリジンなど複数の抗ヒスタミン薬を自己判断で重ねてはいけません。
医療機関へ相談する目安
次のような場合は、耳鼻咽喉科、アレルギー科、内科などへ相談してください。
- 鼻炎薬で強い眠気が出る
- 仕事や運転に支障がある
- 眠気が少ない成分でもぼんやりする
- 薬を飲んでも鼻水や鼻づまりが改善しない
- 複数の薬を使用している
- 肝臓病や腎臓病がある
- 妊娠中、授乳中である
- 子どもや高齢者の薬を選びたい
- 鼻づまりで睡眠が妨げられている
- 個人輸入した薬の成分量が分からない
服用後に意識がもうろうとする、呼びかけても起きにくい、呼吸が苦しい、顔や喉が腫れる場合は、すぐに救急医療へ相談してください。
まとめ
鼻炎薬で眠くなるのは、抗ヒスタミン成分が脳内へ入り、覚醒を保つヒスタミンの働きを抑えるためです。
特にクロルフェニラミンやジフェンヒドラミンなどの第1世代抗ヒスタミン薬は、眠気や口の渇きが起こりやすい傾向があります。
眠気が少ない成分としては、フェキソフェナジン、ロラタジン、ビラスチン、デスロラタジンなどがあります。
第2世代抗ヒスタミン薬でも、セチリジンやレボセチリジンなどは眠気が出る場合があり、運転への注意が必要です。
日中の眠気を避けたい人は、商品名ではなく有効成分と運転に関する注意を確認しましょう。鼻づまりが強い場合は、眠気が出にくい鼻噴霧用ステロイド薬も選択肢になります。
個人輸入代行を利用する場合は、成分、含有量、服用回数、食事の影響、併用薬を確認し、複数の抗ヒスタミン薬を自己判断で重ねないようにしてください。

