鼻づまりをすぐに楽にする方法は?自宅でできる対策と治療薬を解説
監修:医師・薬剤師監修
「鼻が詰まって眠れない」「横になると片方の鼻が通らない」「鼻をかんでも息苦しさが残る」という経験がある人は多いでしょう。
鼻づまりは、鼻水がたまっているだけで起こるとは限りません。アレルギーや風邪などによって鼻の粘膜が腫れ、空気の通り道が狭くなることでも起こります。そのため、何度も強く鼻をかんでも改善しない場合があります。
鼻づまりを早く楽にするには、上半身を起こす、温かい蒸気を利用する、生理食塩水で鼻を洗うなどの対策が役立ちます。ただし、血管収縮成分を含む点鼻薬は即効性がある一方、使い過ぎるとかえって鼻づまりが悪化するため注意が必要です。
鼻づまりはなぜ起こる?
鼻の中には粘膜があり、吸い込んだ空気を温めたり、ほこりやウイルスなどが身体へ入るのを防いだりしています。
この粘膜にアレルギー反応や感染による炎症が起こると、粘膜の血管が広がって腫れます。鼻の中の空気の通り道が狭くなり、息をしにくくなるのが鼻づまりです。
鼻づまりの主な原因には、次のものがあります。
- 花粉やダニによるアレルギー性鼻炎
- ウイルス感染による風邪
- 副鼻腔炎
- 寒暖差や刺激臭による非アレルギー性鼻炎
- 血管収縮性点鼻薬の使い過ぎによる薬剤性鼻炎
- 鼻中隔弯曲症や鼻茸
アレルギー性鼻炎では、くしゃみ、透明な鼻水、鼻づまりが繰り返し現れます。治療には抗ヒスタミン薬、鼻噴霧用ステロイド薬、鼻づまりを改善する抗ロイコトリエン薬などが使用されます。
鼻づまりをすぐに楽にする自宅での対策
上半身を少し起こす
横になると鼻の粘膜へ血液が集まりやすくなり、鼻づまりが強くなることがあります。
眠るときは枕を少し高くしたり、背中から上を緩やかに起こしたりすると、鼻の通りが楽になる場合があります。
枕だけを極端に高くすると首や肩が痛くなるため、タオルやクッションを使って上半身全体を少し持ち上げる方法がおすすめです。
温かい蒸気で鼻を潤す
温かいシャワーを浴びる、湯気のある浴室で過ごす、温かいタオルを鼻の周囲へ当てると、乾燥した鼻水が柔らかくなり、一時的に鼻をかみやすくなることがあります。
ただし、熱湯を入れた容器へ顔を近づける方法は、やけどの危険があります。蒸気を利用する場合は、熱過ぎない温度で行ってください。
生理食塩水で鼻を洗う
生理食塩水を使った鼻洗浄は、鼻の中に付着した花粉、ダニ、ほこり、粘液などを洗い流す方法です。
市販の鼻洗浄液や生理食塩水スプレーを利用すると、鼻粘膜への刺激を抑えやすくなります。非アレルギー性鼻炎でも、塩水の点鼻スプレーや洗浄液が対策の一つとして紹介されています。
水道水をそのまま鼻へ入れないでください。専用の洗浄液、精製水、煮沸して冷ました水など、製品の説明に従った安全な水を使用します。
鼻は片方ずつ優しくかむ
両方の鼻を同時に強くかむと、耳へ圧力がかかり、耳の痛みや中耳炎につながる可能性があります。
片側の鼻を軽く押さえ、もう一方をゆっくりかみましょう。何度かに分けて少しずつ出すことが大切です。
部屋の乾燥を防ぐ
空気が乾燥していると、鼻水が固くなったり、鼻粘膜が刺激されたりして鼻づまりが悪化することがあります。
加湿器を使う場合は、結露するほど湿度を上げないようにします。湿度が高過ぎると、ダニやカビが増え、アレルギー性鼻炎が悪化することがあります。
花粉やハウスダストを減らす
アレルギー性鼻炎が原因の場合は、薬だけでなく原因物質を減らす必要があります。
- 帰宅前に衣類や髪へ付いた花粉を払う
- 寝室へ外出着を持ち込まない
- 床は掃除機の前に拭き掃除をする
- 枕カバーやシーツを定期的に洗う
- 布団やマットレスを乾燥させる
- 花粉が多い日は洗濯物の外干しを避ける
鼻づまりに使われる治療薬
| 薬の種類 | 主な成分 | 特徴 | 主な注意点 |
|---|---|---|---|
| 鼻噴霧用ステロイド薬 | モメタゾン、フルチカゾンなど | 鼻粘膜の炎症を抑え、鼻水・くしゃみ・鼻づまりへ作用する | 毎日継続して使う。鼻血や刺激感に注意 |
| 第2世代抗ヒスタミン薬 | フェキソフェナジン、ロラタジン、セチリジンなど | くしゃみ、透明な鼻水、かゆみに向いている | 成分によって眠気や運転への影響が異なる |
| 抗ロイコトリエン薬 | モンテルカストなど | 鼻づまりが目立つアレルギー性鼻炎で使われる | 主に処方薬。気分や睡眠の変化に注意 |
| 血管収縮性点鼻薬 | ナファゾリン、オキシメタゾリンなど | 短時間で鼻粘膜の腫れを引かせる | 長期連用で薬剤性鼻炎を起こす |
鼻噴霧用ステロイド薬
モメタゾンやフルチカゾンなどの鼻噴霧用ステロイド薬は、鼻粘膜の炎症を抑える薬です。
鼻水やくしゃみだけでなく、鼻づまりにも効果が期待できます。アレルギー性鼻炎では、抗ヒスタミン薬の内服だけでは鼻づまりが十分に改善しない場合にも選択されます。
モメタゾン点鼻薬の成人に対する一般的な用法として、各鼻腔に2噴霧ずつ1日1回使用する製品があります。ただし、製品や年齢によって用量が異なるため、添付文書を確認してください。
鼻噴霧用ステロイド薬は、点鼻した直後だけ鼻を通す薬ではありません。毎日継続して使用することで炎症が落ち着き、効果が安定しやすくなります。
点鼻薬の正しい使い方
- 使用前に鼻を優しくかむ
- 容器を説明書どおりに準備する
- 頭を大きく後ろへ反らさない
- ノズルを鼻の中央ではなく、少し外側へ向ける
- 軽く息を吸いながら噴霧する
- 使用後はノズルを清潔にする
ノズルを鼻の中央にある鼻中隔へ向けると、粘膜を刺激して鼻血が出やすくなることがあります。
抗ヒスタミン薬
フェキソフェナジン、ロラタジン、セチリジン、レボセチリジンなどは、第2世代抗ヒスタミン薬です。
アレルギーによる連続したくしゃみ、水のような鼻水、鼻や目のかゆみを抑える目的で使われます。
鼻づまりにも一定の効果が期待できますが、強い鼻づまりでは鼻噴霧用ステロイド薬などを組み合わせる場合があります。
成分によって眠気の出方が異なります。フェキソフェナジンやロラタジンは比較的眠気が出にくい成分として選ばれることがありますが、体質によっては眠気や集中力低下が起こります。
鼻炎薬、風邪薬、せき止め、睡眠改善薬を重ねると、抗ヒスタミン成分が重複する場合があります。強い眠気、口の渇き、便秘、目のかすみ、排尿しにくいなどの副作用に注意してください。
血管収縮性点鼻薬はすぐ効くが使い過ぎに注意
ナファゾリンやオキシメタゾリンなどの血管収縮成分を含む点鼻薬は、鼻粘膜の血管を収縮させ、短時間で腫れを引かせます。
鼻がすぐ通るため、夜眠れないときなどに便利に感じます。しかし、繰り返し長期間使用すると効きにくくなり、薬が切れたときに鼻粘膜が強く腫れることがあります。
日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会でも、市販の血管収縮性点鼻薬を使い過ぎると、鼻粘膜が腫れて鼻づまりが悪化する点鼻薬性鼻炎が起こるとされています。
NHS(英国国民保健サービス)では、血管収縮性の点鼻スプレーや点鼻液は、長期使用で鼻づまりが悪化するため、連続使用を5日以内にするよう案内しています。
血管収縮性点鼻薬を毎日使わないと鼻が通らない場合は、使用回数を自己判断で増やさず、耳鼻咽喉科へ相談してください。
鼻づまりの原因別に適した対策を比較
| 考えられる原因 | 一緒に出やすい症状 | 主な対策 |
|---|---|---|
| アレルギー性鼻炎 | 透明な鼻水、くしゃみ、目や鼻のかゆみ | アレルゲン対策、抗ヒスタミン薬、鼻噴霧用ステロイド薬 |
| 風邪 | 喉の痛み、せき、微熱、だるさ | 休養、水分補給、生理食塩水、症状に応じた風邪薬 |
| 副鼻腔炎 | 黄色や緑色の鼻水、顔の痛み、嗅覚低下 | 耳鼻咽喉科で診断を受け、必要な治療を行う |
| 寒暖差による鼻炎 | 温度差で鼻水や鼻づまりが出る | マスクで鼻を保温し、冷気や刺激臭を避ける |
| 薬剤性鼻炎 | 点鼻薬が切れると強く詰まる | 血管収縮性点鼻薬を見直し、耳鼻咽喉科へ相談する |
副鼻腔炎が疑われる鼻づまり
風邪やアレルギー性鼻炎の後に鼻の奥の炎症が続くと、副鼻腔炎を起こすことがあります。
次の症状がある場合は、鼻炎薬だけで様子を見続けないでください。
- 黄色や緑色で粘り気のある鼻水
- 頬、目の周囲、額の痛み
- 頭を下げると顔が痛む
- においが分かりにくい
- 鼻水が喉へ流れる
- 口臭やせきが続く
副鼻腔炎では、原因や経過に応じて鼻噴霧用ステロイド薬、鼻処置、抗菌薬などが検討されます。黄色い鼻水だけを理由に、抗菌薬を自己判断で使用しないことが重要です。
個人輸入で鼻炎薬や点鼻薬を購入する場合
個人輸入代行では、自宅から注文でき、国内では取り扱いの少ない容量、濃度、ジェネリック医薬品、鼻噴霧薬などを比較できる点がメリットです。
通年性アレルギー性鼻炎や複数の花粉に反応する人では、薬を長期間使うことがあるため、成分や価格を比較しやすい点も利点です。
購入前には、次の項目を必ず確認してください。
- 有効成分
- 1錠または1噴霧当たりの含有量
- 1日の服用・使用回数
- 鼻噴霧用ステロイド薬か血管収縮性点鼻薬か
- 使用できる期間
- 眠気や運転への影響
- 緑内障、前立腺肥大症、高血圧、心臓病などの持病
- 風邪薬、睡眠薬、抗うつ薬などとの重複
- 妊娠中、授乳中、小児の使用可否
- 製造元と使用期限
「鼻をすぐ通す薬」と「鼻の炎症を治療する薬は別です」。海外製の点鼻薬を選ぶ際は、血管収縮成分が入っているかを必ず確認してください。
鼻づまりが強いからと噴霧回数を増やしたり、複数の点鼻薬を自己判断で重ねたりしないでください。
耳鼻咽喉科へ相談する目安
次のような場合は、耳鼻咽喉科や内科へ相談してください。
- 鼻づまりが2週間以上続いている
- 鼻づまりで眠れない
- 口呼吸やいびきが強くなった
- 黄色や緑色の鼻水が続いている
- 頬や額が痛い
- においが分かりにくい
- 片側だけ強く詰まる
- 鼻血を繰り返す
- 血管収縮性点鼻薬を毎日使用している
- 市販薬や個人輸入した薬で改善しない
片側だけの鼻づまりが長期間続く場合は、鼻中隔弯曲症、鼻茸、鼻腔内の病気なども考える必要があります。
呼吸が苦しい、顔や喉が急に腫れた、全身にじんましんが出た場合は、重いアレルギー反応の可能性があるため、すぐに救急医療へ相談してください。
まとめ
鼻づまりは、鼻水がたまるだけでなく、アレルギーや感染によって鼻粘膜が腫れることで起こります。
自宅ですぐにできる対策として、上半身を起こす、温かい蒸気で鼻を潤す、生理食塩水で鼻を洗う、片方ずつ優しく鼻をかむ方法があります。
アレルギー性鼻炎による鼻づまりには、モメタゾンやフルチカゾンなどの鼻噴霧用ステロイド薬が使われます。くしゃみや透明な鼻水を伴う場合は、フェキソフェナジンやロラタジンなどの抗ヒスタミン薬も選択肢です。
血管収縮性点鼻薬は即効性がありますが、長期間の連用によって鼻づまりが悪化する可能性があります。決められた使用期間を守り、毎日使わないと鼻が通らない場合は耳鼻咽喉科へ相談してください。
個人輸入代行では、国内では選択肢の少ない点鼻薬やジェネリック医薬品を比較できます。ただし、有効成分、含有量、使用期間、持病、併用薬を確認し、自己判断で噴霧回数を増やさないことが大切です。

