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35歳を過ぎて生理不順が起きる原因|ホルモン変化だけとは限らない

生理不順

35歳を過ぎて生理不順が起きる原因|ホルモン変化だけとは限らない

監修:医師・薬剤師

「以前はほぼ同じ周期で生理が来ていたのに、35歳を過ぎてから早くなったり遅くなったりする」「生理が1回飛ぶことがある」といった変化に不安を感じる女性は少なくありません。

35歳前後になると卵巣機能やホルモン分泌が少しずつ変化し始めることがありますが、35歳を過ぎたからといって、生理不順のすべてを「更年期の始まり」と考えるのは適切ではありません。妊娠、ストレス、体重変化、甲状腺疾患、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)、子宮の病気など、さまざまな原因が考えられます。

そもそも「生理不順」とは?

月経周期には個人差があります。ACOG(米国産科婦人科学会)では、一般的な成人の月経について、おおむね24~38日程度の周期で起こることをひとつの目安としています。周期が毎回多少ずれる程度であれば、すぐに異常というわけではありません。

一方で、以前と比べて周期が大きく変わった、生理が何度も飛ぶ、出血量が急に増えた・減ったといった場合は、生理不順として原因を確認したほうがよいことがあります。

35歳を過ぎるとホルモンバランスは変化する?

女性の卵巣機能は年齢とともに変化していきます。閉経前の移行期間は「更年期移行期(閉経周辺期・ペリメノポーズ)」と呼ばれ、卵巣から分泌されるホルモンが変動しやすくなります。

NHS(英国国民保健サービス)では、更年期移行期の代表的なサインとして、生理の間隔が短くなったり長くなったり、出血量が多くなったり少なくなったりする変化を挙げています。

一般的には40代で始まることが多いものの、Mayo Clinicでは30代から変化に気づく女性もいるとされています。ACOG(米国産科婦人科学会)でも、30~40代になると卵巣から分泌されるエストロゲンが変動し始め、月経周期が変化することがあるとされています。

つまり、35歳以降に生理周期が乱れ始めること自体はあり得ます。ただし、年齢だけで原因を決めつけないことが重要です。

35歳以降に生理不順が起きる主な原因

1.卵巣機能や排卵の変化

年齢とともに卵巣の働きが変化すると、毎月同じように排卵が起こらなくなることがあります。

排卵のタイミングがずれたり、排卵しない周期が生じたりすると、月経周期が短くなったり長くなったりします。更年期移行期では、排卵する月としない月が混在することもあります。ACOG(米国産科婦人科学会)でも、閉経に近づくにつれて月経周期や出血量が変化し、生理が飛ぶ場合があるとされています。

2.強いストレス

仕事、育児、介護、人間関係などによる強いストレスも生理周期へ影響することがあります。

月経は脳の視床下部や下垂体、卵巣が連携して調整しています。強いストレスが続くと、このホルモン調節に影響が及び、排卵が遅れたり生理が来なくなったりすることがあります。

「忙しい時期だけ生理が遅れる」という場合には、ストレスや睡眠不足が関係している可能性もあります。

3.急激なダイエットや体重変化

短期間で大幅に体重を落としたり、極端な食事制限を続けたりすると、生殖機能に必要なエネルギーが不足し、排卵や月経が止まることがあります。

反対に、体重が急増した場合にもホルモンバランスへ影響することがあります。

30代後半は「若い頃より痩せにくくなった」と感じ、無理なダイエットを始める人もいますが、生理不順が出るほどの食事制限は身体からのサインと考えましょう。

4.妊娠

生理が遅れたときにまず確認したいのが妊娠の可能性です。

35歳を過ぎても排卵が起きている限り妊娠する可能性はあります。「年齢的に妊娠しにくいから」と自己判断して、妊娠の可能性を除外することはできません。

性交があり、生理予定日を過ぎても月経が来ない場合は、市販の妊娠検査薬を適切なタイミングで使用し、必要に応じて産婦人科を受診しましょう。

5.多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)は、排卵が起こりにくくなることで、生理周期が長くなったり生理が何か月も来なくなったりすることがある病気です。

月経不順のほか、ニキビ、体毛の増加、体重増加などを伴う場合があります。ただし症状には個人差があります。

PCOSは若い年代からみられることがありますが、35歳を過ぎて初めて月経不順を自覚し、検査をきっかけに判明することもあります。

6.甲状腺の病気

甲状腺ホルモンは全身の代謝だけでなく、生殖機能にも関係しています。

甲状腺機能亢進症や甲状腺機能低下症では、生理周期の乱れや無月経が生じることがあります。ACOG(米国産科婦人科学会)でも、排卵異常の背景として甲状腺疾患が関係する場合があるとされています。

生理不順に加えて、動悸、極端な疲労感、寒がり、暑がり、体重の大きな変化などがある場合には、甲状腺の検査が必要になることがあります。

7.子宮筋腫など婦人科系の病気

「周期が乱れた」と思っていても、実際には月経以外の不正出血が混ざっている場合があります。

子宮筋腫や子宮内膜ポリープなどでは、経血量が増えたり、生理が長引いたり、不正出血がみられたりすることがあります。Mayo Clinicでも、月経変化の背景として子宮筋腫や子宮内膜の異常などが関係する可能性が示されています。

「35歳だから更年期」と決めつけない

更年期という言葉は一般的によく知られていますが、35歳という年齢だけで「更年期が始まった」と判断することはできません。

NHS(英国国民保健サービス)では、一般的な閉経は45~55歳頃に起こることが多いとされています。一方、45歳未満で月経が停止する場合は早発閉経、40歳未満の場合は早発卵巣不全などを考える必要があります。

35歳前後で月経が何か月も来ない場合は、「年齢のせい」と放置せず婦人科で原因を確認することが大切です。

生活習慣を整えることで改善することもある

ストレス、睡眠不足、過度なダイエットなどが原因の場合には、生活習慣を整えることで月経周期が安定する場合があります。

特に意識したいのは、十分な睡眠、極端な食事制限を避けること、適度な運動、休息を確保することです。

ただし、生活習慣を整えても改善しない場合や、月経が長期間来ない場合には、自己判断で様子を見続けるのではなく医療機関へ相談しましょう。

生理周期は記録しておくと役立つ

生理不順が気になり始めたら、生理開始日や終了日、経血量、不正出血の有無を記録しておくことをおすすめします。

スマートフォンの生理管理アプリなどを利用すると、「以前は28日前後だったのに最近は40日を超えることが増えた」など、自分では気づきにくい変化を確認しやすくなります。

受診時にも、数か月分の記録があると医師が月経の変化を判断する材料になります。

こんな場合は婦人科を受診しよう

生理周期が一度だけずれた程度であれば、必ずしも大きな問題があるとは限りません。

一方で、生理が数か月来ない、周期の乱れが何度も続く、出血量が急激に増えた、月経以外の出血がある、性交後に出血する、強い腹痛を伴うといった場合は婦人科への相談をおすすめします。

ACOG(米国産科婦人科学会)でも、更年期移行期には出血パターンが変化する一方、月経と月経の間の出血や性交後の出血などは医療機関へ相談すべき変化として挙げられています。

また、妊娠を希望している場合には、生理不順によって排卵時期を予測しにくくなるため、早めに婦人科へ相談することも選択肢です。

まとめ

35歳を過ぎて生理不順が起こる背景には、卵巣機能やホルモン分泌の変化、ストレス、睡眠不足、体重変化、妊娠、PCOS、甲状腺疾患、婦人科系の病気などさまざまな原因があります。

30代後半からホルモン変化が始まることはありますが、「35歳を超えたから生理不順になって当然」というわけではありません。更年期移行期は一般的には40代に始まることが多いものの、30代から変化を感じる女性もいます。

まずは月経周期や出血の変化を記録し、睡眠や食生活、ストレスなどを見直してみましょう。それでも周期の乱れが続く場合や、無月経、不正出血、強い痛みなどがある場合には、「年齢のせい」と放置せず婦人科で原因を確認することが大切です。

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