寝汗でパジャマが濡れる原因とは?病気を疑う目安を紹介
監修:医師・薬剤師監修
朝起きたとき、首元や背中が汗でびっしょり濡れていたり、パジャマやシーツを交換しなければならないほど寝汗をかいたりすることはありませんか。
暑い夜や厚い布団を使った日に汗をかくのは、身体が体温を調節するための自然な反応です。しかし、室温を調整しているのに毎晩大量の寝汗をかく場合や、発熱、体重減少、咳などを伴う場合は、身体の異常が関係している可能性があります。
寝汗が一度出ただけで病気とは限りませんが、原因が思い当たらない状態が繰り返される場合は注意が必要です。
この記事では、パジャマが濡れるほど寝汗をかく主な原因、病気を疑う目安、自宅でできる対策について分かりやすく解説します。
寝汗とはどのような状態?
人は眠っている間も体温を調節するため、少量の汗をかいています。
夏の夜や、布団を厚く掛けすぎた日に背中が少し湿る程度であれば、身体の正常な反応と考えられます。
一方で、パジャマやシーツが濡れて着替えが必要になる、汗で夜中に目が覚める、部屋が涼しいのに汗が止まらないといった状態は、一般的な寝汗よりも強い発汗です。
室温や寝具では説明できない大量の寝汗が繰り返される場合は、生活環境だけでなく体調や服用中の薬も確認しましょう。
寝室の温度や寝具が原因になる
寝汗の原因として最も分かりやすいのが、寝室の暑さや湿度です。
夏にエアコンを切って寝る、冬に暖房を強くしすぎる、吸湿性の低いパジャマを着る、羽毛布団を何枚も重ねると、身体に熱がこもって汗が増えます。
特に湿度が高いと汗が蒸発しにくくなり、皮膚や衣類に汗が残りやすくなります。
まずは枕元に温湿度計を置き、寝室が暑すぎないか確認しましょう。パジャマや寝具は、綿や吸湿速乾素材など、汗を吸って乾きやすいものが向いています。
飲酒で寝汗が増えることがある
寝る前にお酒を飲む習慣がある人は、アルコールが寝汗に関係している場合があります。
アルコールを飲むと皮膚の血管が広がり、身体が熱く感じやすくなります。また、時間がたつと睡眠が浅くなり、夜中に何度も目が覚めることがあります。
お酒を飲んだ日だけ寝汗が増える場合は、寝酒を控え、飲酒量を減らして変化を確認してみましょう。
寝つきをよくする目的で毎晩飲酒すると、睡眠の質が低下し、飲酒量が徐々に増えることもあるため注意が必要です。
ストレスや悪夢による発汗
強いストレスや不安が続いていると、眠っている間も交感神経が活発になり、汗をかきやすくなることがあります。
仕事の失敗、家族の悩み、対人関係などを考えながら眠ると、悪夢で目が覚め、動悸と寝汗を感じる場合もあります。
夢の内容を鮮明に覚えている、朝起きても緊張感が抜けない、日中も不安や動悸がある場合は、精神的な負担が睡眠へ影響している可能性があります。
寝る直前まで仕事やSNSを見るのを避け、照明を暗くする、入浴や呼吸法で身体を落ち着かせるなど、就寝前の刺激を減らしましょう。
更年期のホットフラッシュで寝汗をかく
40代後半から50代の女性で寝汗が増えた場合は、更年期によるホットフラッシュが関係していることがあります。
更年期では女性ホルモンの変動によって体温調節が不安定になり、顔や首、胸が急に熱くなる、大量の汗をかく、動悸がするといった症状が現れます。
夜間にホットフラッシュが起こると、パジャマやシーツが濡れるほど汗をかき、何度も目が覚めることがあります。
月経周期の変化、イライラ、ほてり、不眠などもある場合は、更年期症状の可能性を考えましょう。
寝汗によって睡眠不足が続き、仕事や家事に影響が出る場合は、婦人科でホルモン補充療法や漢方薬などを相談できます。
男性更年期でも寝汗が出ることがある
寝汗やほてりは女性だけの症状ではありません。
男性でも、テストステロンが低下する男性更年期によって、発汗、ほてり、疲労感、不眠、性欲低下などが現れる場合があります。
40歳以降で寝汗に加えて、以前より疲れやすい、やる気が出ない、筋力や性欲が落ちたと感じる場合は、泌尿器科や男性更年期外来で相談する方法があります。
風邪や感染症による発熱
感染症によって発熱すると、熱が下がるタイミングで大量の汗をかくことがあります。
風邪やインフルエンザなどで、夜に熱が上がった後、明け方にパジャマが濡れるほど汗をかくケースです。
咳、喉の痛み、寒気、だるさ、発熱がある場合は、体温を測り、水分を少しずつ補給しましょう。
高熱が続く、呼吸が苦しい、意識がぼんやりする、食事や水分を取れない場合は、早めに医療機関へ相談してください。
甲状腺の病気で汗が増える場合
甲状腺ホルモンが過剰になる甲状腺機能亢進症では、身体の代謝が必要以上に高まり、暑がりや発汗が目立つことがあります。
寝汗だけでなく、動悸、手の震え、体重減少、食欲増加、息切れ、疲労感などが現れることもあります。
涼しい室内でも汗が止まらない、食べているのに体重が減る、脈が速い状態が続く場合は、内科や内分泌内科で血液検査を受けましょう。
低血糖による寝汗
糖尿病の治療でインスリンや血糖値を下げる薬を使用している人では、夜間の低血糖によって寝汗をかく場合があります。
大量の寝汗に加えて、動悸、手の震え、悪夢、頭痛、起床時の強いだるさなどがみられることがあります。
糖尿病治療中に原因不明の寝汗が繰り返される場合は、薬の量を自己判断で変えず、医師へ相談してください。
夜間低血糖が疑われる場合は、夕食や薬を使用する時間、就寝前の血糖値などを確認する必要があります。
睡眠時無呼吸症候群との関係
睡眠時無呼吸症候群では、睡眠中に呼吸が何度も止まり、身体が酸素不足になります。
呼吸を再開しようとして交感神経が活発になり、寝汗、動悸、眠りの浅さにつながることがあります。
大きないびき、睡眠中の無呼吸、朝の頭痛、口の渇き、日中の強い眠気がある場合は注意が必要です。
本人は無呼吸に気づかないことも多いため、家族からいびきや呼吸停止を指摘された場合は、睡眠外来や呼吸器内科へ相談しましょう。
服用している薬が原因になることもある
一部の薬では、副作用として発汗が増えることがあります。
抗うつ薬、解熱鎮痛薬、ホルモンに関係する薬、糖尿病治療薬などを飲み始めてから寝汗が増えた場合は、薬の影響も確認する必要があります。
ただし、寝汗が気になるからといって、処方薬を急に中止してはいけません。
薬を飲み始めた日、寝汗が出始めた時期、ほかの症状を記録し、処方した医師や薬剤師へ相談してください。
まれに血液の病気が隠れていることもある
大量の寝汗は、まれにリンパ腫や白血病などの血液疾患でみられることがあります。
ただし、寝汗だけで血液の病気と判断することはできません。感染症、更年期、寝室環境、薬など、より一般的な原因でも寝汗は起こります。
注意したいのは、原因不明の体重減少、長引く発熱、首・脇・足の付け根のしこり、強いだるさなどを伴う場合です。
寝具を交換するほどの寝汗に、体重減少や発熱、しこりが重なる場合は、早めに内科を受診してください。
病気を疑う目安
寝汗が数回出ただけで、すぐに重大な病気を心配する必要はありません。
まずは室温、湿度、寝具、飲酒などを見直し、改善するか確認しましょう。
一方で、次のような状態がある場合は医療機関への相談を検討してください。
- 涼しい部屋でもパジャマやシーツが濡れる
- 寝汗が何度も繰り返される
- 寝汗で夜中に目が覚める
- 発熱や寒気を伴う
- 原因不明の体重減少がある
- 咳や息苦しさが長く続く
- 首、脇、足の付け根にしこりがある
- 動悸や手の震えがある
- 日中に強い眠気がある
- 薬を変更してから寝汗が増えた
定期的な寝汗や、睡眠を妨げる寝汗、発熱・体重減少・咳などを伴う寝汗は、受診の目安とされています。
寝汗を減らすために自宅でできる対策
まずは寝室の温度と湿度を確認し、身体に熱がこもらないように調整しましょう。
パジャマやシーツは吸湿性と通気性のよい素材を選び、厚い寝具を重ねすぎないようにします。
就寝前の飲酒、辛い食事、熱すぎる入浴は、体温や発汗に影響することがあります。寝汗が気になる期間は控え、症状が変化するか確認してみましょう。
汗をかいた後は濡れたパジャマを着たままにせず、着替えて身体を冷やさないようにします。枕元に水を用意し、喉が渇いたときは少量ずつ水分を補給してください。
治療薬を個人輸入する場合の注意点
寝汗そのものを止めたいと考え、睡眠薬、ホルモン剤、自律神経に関係する薬などを個人輸入で探す人もいます。
個人輸入代行サイトでは、海外で流通している医薬品を自宅から注文できる点がメリットです。
一方で、寝汗は更年期、感染症、甲状腺疾患、低血糖、睡眠時無呼吸症候群など、原因によって必要な治療が異なります。
原因を確認せず睡眠薬だけを使用すると、寝汗の背景にある病気を見逃す可能性があります。また、ホルモン剤は血栓症や一部のがんの病歴などによって使用できない場合があります。
個人輸入を利用する場合も、寝汗の原因を確認し、有効成分、用法・用量、禁忌、併用薬を理解したうえで選ぶことが重要です。
まとめ|繰り返す大量の寝汗は原因を確認しよう
パジャマが濡れるほどの寝汗は、暑い寝室、厚い寝具、飲酒、ストレスなど、生活環境が原因で起こることがあります。
一方で、更年期、感染症、甲状腺の病気、低血糖、睡眠時無呼吸症候群、薬の副作用などが関係する場合もあります。
一度だけでほかに症状がなければ、室温や寝具を見直して様子をみる方法があります。
ただし、涼しい環境でも毎晩繰り返す、睡眠が中断される、発熱、体重減少、咳、しこりなどを伴う場合は、医療機関へ相談してください。
寝汗の量だけで判断するのではなく、「どのくらい続いているか」「ほかの症状があるか」を確認することが病気を見分ける重要なポイントです。

