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昼寝は作業効率を上げてくれる手軽な方法|短時間の仮眠で集中力を取り戻すコツ

睡眠

昼寝は作業効率を上げてくれる手軽な方法|短時間の仮眠で集中力を取り戻すコツ

監修:医師・薬剤師

昼食後になると、「急に眠くなる」「仕事に集中できない」「同じ文章を何度も読み返してしまう」と感じることはありませんか。

そんなとき、コーヒーを何杯も飲んだり、無理に眠気を我慢したりするより、短時間の昼寝を取り入れる方が、その後の作業効率を回復させやすい場合があります。

CDC(アメリカ疾病予防管理センター)のNIOSH(アメリカ国立労働安全衛生研究所)では、15~20分程度の短い昼寝によって覚醒度が改善することが研究で示されているとしています。短い昼寝では、起床後の強いぼんやり感も比較的起こりにくいとされています。

また、昼寝と認知機能を調べた研究のメタ解析でも、昼寝後には認知パフォーマンスが改善し、その効果は主に昼寝後120分程度まで確認されています。

昼寝は「怠ける時間」ではなく、午後の集中力や注意力を回復させるために利用できる休息方法の一つです。

この記事では、昼寝が作業効率を高める理由、何分くらい寝るのがよいのか、寝すぎると逆効果になる理由、仕事中でも取り入れやすい方法を分かりやすく解説します。

昼食後に眠くなるのは珍しいことではない

午後になると眠気を感じる人は少なくありません。

これは昼食を食べたことだけが原因ではなく、人間の睡眠・覚醒リズムも関係しています。

朝から活動を続けていると、時間の経過とともに眠気を生み出す睡眠圧が高まります。また、体内時計の影響によって午後に覚醒度が一時的に低下しやすい時間帯があります。

そのため、昼食後に、

  • 目が重い
  • あくびが増える
  • 集中できない
  • ミスが増える
  • 考えるスピードが遅くなる

と感じることがあります。

こうした状態で何時間も仕事を続けるより、短時間休んで覚醒度を回復させた方が、結果として効率が上がることがあります。

昼寝で作業効率が上がる理由

1.眠気を減らして覚醒度を回復できる

昼寝の分かりやすいメリットは、眠気を一時的に減らせることです。

NIOSH(アメリカ国立労働安全衛生研究所)では、短時間の昼寝によって疲労からの回復を助け、覚醒度を改善できることが示されています。15~20分程度の昼寝でも、昼間の覚醒度改善が確認されています。

眠気が強い状態では、単純作業でも注意がそれやすくなり、仕事のスピードだけでなく正確性も低下します。

短い昼寝で頭を一度休ませることで、「眠気を我慢しながら仕事をする時間」を減らせることがメリットです。

2.集中力や認知パフォーマンスを改善できる可能性がある

昼寝は眠気を減らすだけではありません。

54研究・60サンプルを対象とした2022年のメタ解析では、昼寝が認知パフォーマンスを高める可能性が確認されています。研究では記憶、注意、情報処理速度、実行機能などが評価されています。

さらに2021年のメタ解析では、昼寝後の認知パフォーマンスが改善し、主なメリットが約2時間持続することが示されました。

つまり、午後に重要な資料を作る、会議をする、計算や判断を伴う仕事をするといった場合、その前に短時間の仮眠を取ることは合理的な方法の一つです。

3.短い昼寝でも効果を得られる

昼寝というと「1時間くらい眠らないと意味がない」と思うかもしれません。

しかし、短時間でも効果は期待できます。

昼寝と認知機能をまとめたレビューでは、5~15分程度の短い昼寝では起床後すぐに覚醒度や認知機能が改善し、その効果が1~3時間程度続くとされています。

また、10分間の昼寝を調べた研究でも、起床直後から主観的な覚醒度と認知パフォーマンスが改善し、その後1時間程度効果が維持されました。

仕事中の昼寝では「長時間眠ること」より、「短時間でも一度眠ること」がポイントです。

昼寝は何分くらいがおすすめ?

仕事や勉強の合間に取り入れるなら、10~20分程度を一つの目安にするとよいでしょう。

NIOSH(アメリカ国立労働安全衛生研究所)でも、日中には15~30分程度の短い昼寝が推奨されています。短時間の昼寝では覚醒度を高めながら、起床後の強い眠気を避けやすいとされています。

昼寝時間 特徴
5~10分 短時間でも眠気を和らげやすい
10~20分 仕事中の昼寝として取り入れやすい
30分以上 深い睡眠に入り、起床後にぼんやりする場合がある
1時間以上 回復効果がある一方、夜の睡眠への影響に注意

「午後の仕事を効率化したい」という目的なら、まず15~20分程度から試すのがおすすめです。

30分以上寝ると逆に眠くなることがある

昼寝を長くすると、起きた直後に「寝る前より頭がぼーっとする」と感じることがあります。

これは睡眠慣性(sleep inertia)と呼ばれる現象です。

CDC(アメリカ疾病予防管理センター)のNIOSHでは、昼寝や夜間睡眠から目覚めた直後には一時的にぼんやりした状態になることがあると説明しています。

昼寝時間を比較した研究でも、10分間の昼寝では起床直後からパフォーマンスが改善した一方、30分間の昼寝では起床直後に覚醒度やパフォーマンスが一時的に低下しました。

また、10~60分の昼寝を比較した2023年の研究では、30~60分の昼寝後には睡眠慣性がみられましたが、おおむね30分以内に解消しました。

昼休み終了直前まで30~60分眠り、起きた瞬間から重要な仕事を始めるのは避けた方がよいでしょう。

昼寝するなら何時ごろがいい?

一般的には、昼食後から午後早めの時間帯が取り入れやすいでしょう。

認知機能を評価したメタ解析では、午後早い時間帯の昼寝で比較的良好な認知パフォーマンスが示されています。

例えば、

  • 12時30分~13時
  • 13時~14時
  • 遅くても15時頃まで

を目安にするとよいでしょう。

夕方以降に長時間眠ると、夜になっても眠気が十分に高まらず、就寝時刻が遅くなることがあります。

昼寝は夜の睡眠の代わりではなく、午後の覚醒度を補助するものとして利用することが重要です。

机で目を閉じるだけでもいい?

静かに休むことにも意味はありますが、疲労回復や覚醒度という点では、実際に短時間でも眠れた方が効果が期待できます。

NIOSH(アメリカ国立労働安全衛生研究所)では、単に静かな時間を過ごすだけではなく、実際の短い睡眠が疲労回復と覚醒度回復に役立つことが研究から示されているとしています。

ただし、「昼寝しなければ」と意識しすぎる必要はありません。

目を閉じてリラックスし、眠れれば眠る程度でも構いません。

昼休みに眠れない人はどうする?

昼寝に慣れていないと、15分横になっても眠れないことがあります。

その場合は、

  • 椅子を少し倒す
  • 机に伏せる
  • アイマスクを使用する
  • イヤホンや耳栓で音を遮る
  • スマートフォンを見ない

など、眠りやすい環境を作ってみましょう。

昼寝は深く眠る必要はありません。

短い昼寝では、「本当に寝たのか分からない」という程度の浅い睡眠でも構いません。NIOSHでも、短い昼寝では自分が眠ったか判断しにくい場合があると説明しています。

昼寝の前にコーヒーを飲む「コーヒーナップ」という方法もある

午後の眠気対策として、昼寝前にコーヒーなどのカフェイン飲料を飲む方法が使われることがあります。

カフェインは飲んですぐ最大限に作用するわけではないため、コーヒーを飲んでから15~20分程度昼寝すると、起きる頃にカフェインの覚醒作用が加わることがあります。

ただし、カフェインへの反応には個人差があります。

夕方以降にカフェインを取ると夜の睡眠へ影響する人もいるため、昼寝をする時間帯や普段の就寝時刻を考えて利用しましょう。

昼寝は夜の睡眠不足を帳消しにできる?

できません。

昼寝は一時的な眠気や集中力低下を改善するためには役立ちますが、慢性的な睡眠不足の代わりにはなりません。

CDC(アメリカ疾病予防管理センター)では、質の高い睡眠には十分な睡眠時間だけでなく、途中で何度も目覚めないことや、起床時に回復感があることも重要としています。

毎晩4~5時間しか眠らず、昼寝で補う生活を続けるのではなく、まず夜の睡眠時間を確保することが基本です。

昼寝は「睡眠不足をごまかす方法」ではなく、十分な夜間睡眠にプラスする疲労対策と考えましょう。

毎日長時間昼寝したくなる場合は注意

15~20分程度の昼寝で午後すっきりするのであれば、大きな問題ではありません。

しかし、

  • 毎日1~2時間寝ないと耐えられない
  • 昼寝してもまだ眠い
  • 会議や運転中にも眠くなる
  • 夜は7~8時間寝ているのに日中眠い

場合は、単なる昼食後の眠気ではない可能性があります。

夜間の睡眠不足だけでなく、睡眠時無呼吸症候群や過眠症などでも日中の強い眠気が現れます。

十分な睡眠を取っているのに日常生活へ支障が出るほど眠い場合は、睡眠外来や医療機関へ相談してください。

昼寝を作業効率アップにつなげる5つのコツ

仕事中に昼寝を取り入れる場合は、次のようにすると続けやすくなります。

  • 10~20分程度にする
  • 午後早めの時間に取る
  • 必ずアラームを設定する
  • 暗く静かな環境を作る
  • 起床直後に重要な判断をしない

特に重要なのがアラームです。

「少しだけ」と思って寝たまま40~60分経過すると、睡眠慣性によって起床後にかえって仕事を始めにくくなることがあります。

おすすめは「昼休みの15分」

例えば1時間の昼休みがある場合、

昼食 → 15~20分程度休憩 → 15分程度昼寝 → 起床して少し体を動かす

という流れにすると、午後の仕事へ戻りやすくなります。

昼寝に30分、40分と時間を使う必要はありません。

「午後眠くなってから我慢する」のではなく、眠くなりやすい時間帯の前後に短い昼寝を習慣化する方法もあります。

20分間の仮眠を調べた研究では、眠気を抑え、夜勤中の作業パフォーマンスを約3時間維持したことも報告されています。

昼寝のあとにするとよいこと

目覚めた直後は、すぐデスクへ戻るより、数分程度覚醒する時間を作るとよいでしょう。

例えば、

  • 水を飲む
  • 立ち上がって伸びをする
  • 顔を洗う
  • 明るい場所へ移動する
  • 少し歩く

といった方法があります。

特に長めの昼寝をした場合は睡眠慣性が起こる可能性があるため、起床直後の運転や危険な機械操作などは注意してください。

よくある質問

昼寝すると本当に仕事の効率は上がりますか?

研究では、短時間の昼寝によって覚醒度や認知パフォーマンスが改善することが報告されています。メタ解析でも、昼寝後の認知機能改善が確認されています。

昼寝は何分が一番おすすめですか?

仕事中なら10~20分程度が取り入れやすいでしょう。NIOSH(アメリカ国立労働安全衛生研究所)でも日中は短い昼寝を勧めており、15~20分程度でも覚醒度改善が確認されています。

30分寝るのは長すぎますか?

必ずしも悪いわけではありませんが、起床直後に睡眠慣性によるぼんやり感が出る可能性があります。30~60分の昼寝後に睡眠慣性が確認された研究もあります。

昼寝できず目を閉じるだけでも意味がありますか?

休憩としては意味がありますが、疲労回復や覚醒度改善については、実際に短時間眠ることのメリットが研究で示されています。

毎日昼寝しても大丈夫ですか?

短時間で、夜の睡眠に影響していないのであれば取り入れられます。ただし、毎日長時間眠らないと活動できない場合や、夜に十分寝ても強い眠気がある場合は、睡眠不足や睡眠障害がないか確認しましょう。

まとめ

昼寝は、午後の眠気を軽減し、集中力や作業効率を回復させるために利用できる手軽な方法です。

NIOSH(アメリカ国立労働安全衛生研究所)では、15~20分程度の短い昼寝によって覚醒度が改善することが示されています。 また、複数の研究をまとめたメタ解析でも、昼寝後に認知パフォーマンスが改善することが報告されています。

仕事中に取り入れるなら、長く寝る必要はありません。

まずは午後早めの時間帯に10~20分程度の昼寝を試してみるとよいでしょう。

一方、30分以上眠ると深い睡眠に入り、起床直後に睡眠慣性によるぼんやり感が出ることがあります。

昼寝は夜の睡眠不足を帳消しにするものではありません。夜の睡眠時間を確保したうえで、午後の疲労や眠気をリセットする補助的な方法として利用することがポイントです。

午後に集中力が落ちたまま何時間も作業するより、15分程度休んで頭をリセットする。その方が結果的に仕事が早く終わることもあります。

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