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プロテインを飲むとニキビができる?乳製品との関係を解説

ニキビ(にきび)

プロテインを飲むとニキビができる?乳製品との関係を解説

監修:医師・薬剤師監修

「筋トレを始めてホエイプロテインを飲むようになってから、顔や背中にニキビが増えた」「乳製品がニキビの原因になると聞いたけれど、プロテインもやめた方がよい?」と気になっていませんか。

プロテインを飲んだすべての人にニキビができるわけではありません。ただし、牛乳由来のホエイプロテインを摂り始めた後に、顔や胸、背中のニキビが悪化したとする症例報告や観察研究があります。

現時点では「ホエイプロテインが必ずニキビをつくる」と断定できませんが、摂取開始とニキビの悪化が重なっている場合は、一度中止して変化を確認する価値があります。

この記事では、プロテインとニキビの関係、乳製品やホエイが肌へ影響する可能性、原因を見分ける方法、プロテインを続けながらできる対策、ニキビ治療薬について分かりやすく解説します。

プロテインそのものがニキビをつくるとは限らない

プロテインは、たんぱく質を効率よく補給するための食品です。

筋肉を増やしたい人だけでなく、食事だけではたんぱく質が不足しやすい人にも利用されています。

プロテインには複数の種類があり、原料によって特徴が異なります。

プロテインの種類 主な原料 特徴
ホエイプロテイン 牛乳 吸収が比較的速く、筋トレをする人に人気
カゼインプロテイン 牛乳 消化・吸収が比較的ゆるやか
ソイプロテイン 大豆 植物性で乳成分を含まない商品が多い
ピープロテイン えんどう豆 植物性で乳製品を避けたい人の選択肢

ニキビとの関係が主に問題とされているのは、牛乳由来のホエイプロテインです。

ただし、ホエイを飲む人の生活では、筋トレ、発汗、食事量の増加、サプリメント、睡眠時間なども同時に変わることがあります。

ニキビが増えた原因を判断するときは、プロテインだけでなく、筋トレを始めてから変わった習慣をまとめて確認する必要があります。

ホエイプロテインとニキビの研究結果

ホエイプロテインとニキビの関係については、複数の症例報告があります。

若い男性が筋肉増強や体重増加の目的でホエイプロテインを摂り始めた後、顔や体幹部のニキビが発生・悪化した事例が報告されています。また、胸や背中だけにニキビが現れた若い男性の症例もあります。

2024年に公表された症例対照研究でも、ホエイプロテインの摂取とニキビのリスクに正の関連が示されました。

ただし、症例報告は人数が少なく、観察研究では「ホエイを飲んだからニキビになった」という因果関係までは証明できません。

現在の証拠からは、ホエイプロテインがニキビを悪化させる人がいる可能性はありますが、すべての利用者に同じ反応が起こるとはいえません。

牛乳や乳製品とニキビの関係

AAD(米国皮膚科学会)では、牛乳を飲むこととニキビの発生には関連が示されている一方、ヨーグルトやチーズがニキビを増やすという十分な証拠は確認されていないとしています。

つまり、「乳製品はすべてニキビに悪い」と一括りにするのは適切ではありません。

牛乳を飲んでも肌に変化がない人もいれば、牛乳やホエイプロテインを摂るとニキビが増えたように感じる人もいます。

乳製品を完全に禁止するのではなく、自分のニキビがどの食品と関係しているかを確認することが重要です。

なぜホエイプロテインがニキビに関係するの?

ホエイプロテインが一部の人のニキビを悪化させる仕組みは、完全には解明されていません。

考えられている要因の一つが、インスリンやIGF-1(インスリン様成長因子1)に関係する経路です。

これらの働きが強くなると、皮脂腺や毛穴の角化へ影響し、皮脂の増加や毛穴詰まりにつながる可能性があります。ホエイプロテインに関連する症例報告でも、牛乳由来成分によるインスリン・IGF-1シグナルへの影響が仮説として挙げられています。

ただし、この仕組みだけで個人のニキビを説明できるわけではありません。

遺伝的な体質、皮脂量、食事全体、ストレス、睡眠、ホルモン、スキンケアなど、複数の要因が重なってニキビができます。

ホエイの種類を変えればニキビを防げる?

ホエイプロテインには、WPC(ホエイプロテインコンセントレート)やWPI(ホエイプロテインアイソレート)などがあります。

WPIはWPCより乳糖や脂質が少ない傾向がありますが、どちらも主成分は牛乳由来のホエイたんぱく質です。

乳糖が少ないWPIへ変えれば必ずニキビが治る、という根拠は十分ではありません。

乳糖不耐症による腹痛や下痢にはWPIが合う場合がありますが、ニキビとの関係では、乳糖だけでなくホエイたんぱく質そのものや食生活全体を確認する必要があります。

プロテインに含まれる糖質にも注意する

プロテイン商品によっては、飲みやすくするために糖質や甘味成分が多く含まれていることがあります。

また、体重を増やすためのマスゲイナーには、1回分で多量の炭水化物やカロリーが含まれる商品があります。

高GI・高GLの食事や乳製品などは、ニキビを悪化させる食事要因として研究されていますが、食事とニキビの関係には個人差があります。

プロテインを選ぶときは、たんぱく質量だけでなく、1回分の糖質、総カロリー、ほかの配合成分も確認しましょう。

ビタミンB群を含むサプリメントにも注意

筋トレを始めると、プロテイン以外にマルチビタミン、プレワークアウト、エナジー系サプリメントなどを追加する人がいます。

高用量のビタミンB6やB12を含むサプリメントでは、ニキビのような発疹が報告されています。ヨウ素を含む一部のサプリメントも、顔や上半身に炎症性の発疹を起こす可能性があります。

プロテインを始めた時期と同時に複数のサプリメントを追加した場合、原因がホエイとは限りません。

ニキビの原因を確認するときは、プロテインだけでなく、サプリメントの成分表示も確認してください。

筋トレ中の汗と摩擦がニキビを増やすこともある

筋トレを始めてから胸や背中にニキビが増えた場合は、汗やウェアの摩擦も考えられます。

汗をかいたシャツを長時間着たままにすると、皮脂、古い角質、汚れが肌へ残りやすくなります。

タイトなウェア、トレーニングベルト、リュック、ベンチなどが同じ場所へ触れ続けると、毛穴周辺への刺激も増えます。

トレーニング後はできるだけ早くシャワーを浴び、汗を吸ったウェアから清潔な服へ着替えましょう。

肌を清潔にしようとしてスクラブや硬いタオルで強くこすると、反対に炎症が悪化することがあります。

プロテインが原因か確認する方法

プロテインとの関係が気になる場合は、次の順番で確認すると原因を整理しやすくなります。

  1. プロテインを飲み始めた日を確認する
  2. ニキビが増え始めた時期と場所を記録する
  3. 同時に始めたサプリや食事の変化を確認する
  4. 数週間、ホエイプロテインを中止する
  5. 食事から必要なたんぱく質を補う
  6. 肌の変化を写真やメモで記録する

ホエイを中止する期間は、肌の状態を確認できるよう、数日ではなく数週間を目安にします。

ただし、ニキビは自然に良くなったり悪くなったりするため、一度の変化だけで原因を断定することはできません。

ホエイの中止と同時に洗顔料、化粧品、薬、食事、サプリをすべて変えると、何が影響したのか分からなくなります。

ホエイをやめた後のたんぱく質補給

ホエイプロテインを一時的に中止しても、筋トレをやめる必要はありません。

肉、魚、卵、大豆製品などから、必要なたんぱく質を補えます。

手軽に補給したい場合は、ソイプロテインやピープロテインなど、乳成分を含まない植物性プロテインへ変更する方法があります。

ただし、大豆やえんどう豆にアレルギーがある人は使用できません。商品によっては乳成分を含む原料と同じ工場で製造されているため、アレルギーがある場合は表示を確認してください。

ホエイを飲み続けたい場合の対策

ホエイプロテインが筋トレや食事管理に必要で、すぐに中止したくない場合は、次の点を見直しましょう。

  • 必要以上に多く飲んでいないか確認する
  • マスゲイナーや糖質の多い商品を避ける
  • 牛乳ではなく水で溶かす
  • ほかの乳製品を大量に摂っていないか確認する
  • トレーニング後は早めにシャワーを浴びる
  • 汗を吸ったウェアをすぐ着替える
  • 睡眠時間を確保する
  • 複数のサプリメントを重ねすぎない

牛乳で溶かすと、プロテインに加えて牛乳由来の成分も摂ることになります。

水に変えても改善しない場合は、ホエイ自体を一度中止して確認しましょう。

ニキビではなく毛包炎の可能性もある

胸や背中へ同じ大きさの赤いブツブツが一気に広がった場合は、一般的なニキビではなく毛包炎の可能性があります。

細菌や真菌が毛穴で炎症を起こし、ニキビのように見えることがあります。

強いかゆみがある、白ニキビや黒ニキビが見られない、同じ形の発疹が多い場合は、皮膚科で診断を受けましょう。

原因が真菌性の毛包炎であれば、一般的なニキビ治療薬だけでは改善しない場合があります。

プロテインをやめてもニキビが治らない場合

ホエイプロテインを中止してもニキビが続く場合は、毛穴詰まりや炎症に対する治療が必要です。

日本皮膚科学会の「尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン2023」では、ニキビの状態に応じて、アダパレン、過酸化ベンゾイル、抗菌薬、配合外用薬などが推奨されています。

過酸化ベンゾイル

過酸化ベンゾイルは、ニキビの原因に関わる菌を減らし、毛穴詰まりを改善する外用薬です。

白ニキビから炎症性ニキビまで使用されますが、赤み、乾燥、皮むけ、ヒリヒリ感が出ることがあります。

髪、眉毛、タオル、衣類を脱色する場合があるため、胸や背中へ使う際は白いインナーや寝具を選ぶと安心です。

アダパレン

アダパレンは、毛穴の出口に古い角質がたまるのを抑え、新しいニキビができるのを防ぐ外用薬です。

一般的には1日1回、洗顔後に使用します。ただし、国内のアダパレン製剤では顔面の尋常性ざ瘡が対象で、胸や背中に対する有効性・安全性は確立していないとされています。

背中ニキビへ自己判断で顔用の薬を広範囲に塗らず、使用部位を医師や薬剤師へ確認してください。

配合外用薬

アダパレンと過酸化ベンゾイル、または抗菌薬と過酸化ベンゾイルを組み合わせた外用薬もあります。

複数の作用を一つの薬で得られますが、単剤より皮膚刺激が強く出る場合があります。アダパレン・過酸化ベンゾイル配合剤では、紅斑、皮むけ、刺激感などに注意が必要です。

ニキビ治療薬を個人輸入する場合の注意点

国内では入手しにくい濃度や剤形のニキビ治療薬を購入したいという理由から、個人輸入代行サイトを利用する人もいます。

個人輸入では、アダパレンや過酸化ベンゾイルなどを含む海外製品を比較し、自宅から注文できる点がメリットです。

一方、海外製品は国内製品と成分濃度、使用回数、対象部位が異なる場合があります。

濃度が高いほど早く治るとは限らず、乾燥、赤み、腫れ、皮むけが強く出る可能性があります。

個人輸入を利用するときは、有効成分、濃度、使用部位、用法・用量、禁忌を確認し、最初から複数の治療薬やピーリング化粧品を重ねないことが大切です。

妊娠中や妊娠している可能性がある人は、アダパレンを使用できません。強い腫れ、水ぶくれ、呼吸の苦しさなどが現れた場合は使用を中止し、医療機関へ相談してください。

皮膚科へ相談した方がよい症状

次のような状態がある場合は、自己流の食事制限やスキンケアを続けず、皮膚科へ相談しましょう。

  • 顔、胸、背中へ痛みのあるニキビが広がっている
  • 大きなしこりや膿を持つニキビがある
  • ニキビ跡や色素沈着が増えている
  • 強いかゆみがある
  • 同じ形の赤いブツブツが急に増えた
  • ホエイを中止しても改善しない
  • 市販薬を使っても数か月改善しない
  • 治療薬で強い赤みや腫れが出た

炎症の強いニキビを放置すると、へこみや盛り上がりを伴う傷跡が残る可能性があります。

まとめ|ホエイプロテインが合わない人は植物性へ変更して確認しよう

ホエイプロテインを飲んだすべての人にニキビができるわけではありません。

ただし、ホエイの摂取開始後に顔、胸、背中のニキビが発生・悪化した症例や、摂取との関連を示す観察研究があります。

プロテインを飲み始めてからニキビが増えた場合は、同時に始めたサプリメント、糖質の多い食事、汗、ウェアの摩擦、睡眠不足も確認しましょう。

ホエイとの関係が疑われる場合は、数週間中止し、肉、魚、卵、大豆製品などからたんぱく質を補います。必要に応じて、ソイやピープロテインへ変更する方法もあります。

原因を確認するときは一度にすべての習慣を変えず、ホエイの中止など一つずつ変更し、肌の状態を記録することが大切です。

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