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休日だけ寝すぎる人は睡眠不足?社会的時差ぼけと不眠の関係

睡眠

休日だけ寝すぎる人は睡眠不足?社会的時差ぼけと不眠の関係

監修:医師・薬剤師

「平日は6時間しか寝られないのに、休日は昼まで寝てしまう」「土日に10時間以上寝ないと起きられない」という人は少なくありません。

休日に長く寝ること自体が悪いわけではありません。しかし、平日より休日の睡眠時間が大幅に長い場合、平日に十分な睡眠を取れていない可能性があります。 NIH(アメリカ国立衛生研究所)傘下のNHLBI(アメリカ国立心肺血液研究所)でも、休日に平日より長く眠ることは、普段の睡眠が不足しているサインになり得るとしています。

さらに、休日だけ就寝・起床時刻が大きくずれると、「社会的時差ぼけ」と呼ばれる状態につながり、日曜の夜に眠れない、月曜の朝がつらいといった問題を起こすことがあります。

休日に寝すぎるのは「睡眠負債」があるから?

平日に必要な睡眠時間を確保できない日が続くと、身体には睡眠不足が蓄積します。これを一般に「睡眠負債」と表現することがあります。

例えば、自分には7~8時間程度の睡眠が必要なのに、平日は毎日5~6時間しか眠れていない場合、休日になると自然に長く眠りたくなることがあります。

NHLBI(アメリカ国立心肺血液研究所)では、休日に長く眠る人について、平日に十分な睡眠を取れていない可能性があるとしています。

休日に目覚まし時計を使わず毎回2~3時間以上長く寝てしまう場合は、平日の睡眠不足を疑うひとつのサインになります。

休日に寝だめすれば睡眠不足は帳消しになる?

休日に長く眠ることで、眠気や疲労感が一時的に改善することはあります。

しかし、平日に失った睡眠を休日だけですべて取り戻せるわけではありません。NHLBI(アメリカ国立心肺血液研究所)でも、休日の追加睡眠で気分や眠気が改善することはあっても、夜間睡眠で得られるすべての効果を完全に補えるわけではないとしています。

「平日は睡眠を削り、土日にまとめて寝れば大丈夫」という生活を続けることは、理想的な睡眠習慣とはいえません。

社会的時差ぼけとは?

社会的時差ぼけとは、仕事や学校によって決められた生活時間と、自分の体内時計が求める睡眠時間との間にずれが生じている状態を指します。

例えば、平日は朝6時30分に起きているのに、休日は午前10時30分まで眠る人では、起床時間に4時間の差があります。

これは毎週末に海外旅行をして時差のある地域へ移動しているような状態に近く、体内時計が混乱しやすくなります。

睡眠と覚醒は体内時計だけでなく社会生活の時間にも影響されるため、この両者が大きくずれると睡眠リズムが乱れやすくなることが報告されています。

なぜ休日に寝すぎると日曜の夜に眠れなくなる?

人は起きている時間が長くなるほど眠気が蓄積していきます。

ところが休日に昼近くまで寝てしまうと、夜になっても起きてからの時間が短く、十分な眠気がたまっていないことがあります。

さらに起床時刻が遅れると、朝の光を浴びる時間も遅くなり、体内時計そのものが後ろへずれる可能性があります。

その結果、日曜の夜に「明日は仕事だから早く寝なければ」と布団に入っても眠れず、翌朝は睡眠不足のまま起きることになります。

休日の寝坊 → 日曜の夜に眠れない → 月曜の朝に睡眠不足になる、という悪循環が社会的時差ぼけの典型的なパターンです。

休日と平日の起床時間はどれくらいまでならいい?

NHLBI(アメリカ国立心肺血液研究所)では、平日と休日の睡眠スケジュールの差をできれば約1時間以内に抑えることを勧めています。週末に夜更かしをして遅くまで寝ると、睡眠・覚醒リズムが乱れる可能性があるためです。

もちろん、休日に1時間以上長く寝たら直ちに健康へ悪影響が出るという意味ではありません。

しかし、毎週3~4時間以上ずれている場合には、生活リズムを見直す価値があります。

休日の寝坊を減らすには、休日を無理に早起きするより、まず平日の就寝時刻を少し早めることが重要です。

休日の寝すぎが不眠につながることもある

不眠症というと「眠れない病気」というイメージがありますが、睡眠スケジュールの乱れも不眠を悪化させる要因になります。

NHLBI(アメリカ国立心肺血液研究所)では、普段の生活リズムや睡眠スケジュールを頻繁に変えることが、睡眠問題のリスクを高める可能性があるとしています。

休日に昼まで寝ることで日曜の夜に眠れなくなり、「眠らなければ」と焦るようになると、さらに覚醒が強くなって眠れなくなることもあります。

「平日は眠いのに、休日の夜だけ眠れない」という場合は、睡眠時間だけではなく起床時刻のずれも確認してみましょう。

休日に寝すぎても疲れが取れない場合は?

休日に8~10時間以上寝ても疲労感や眠気が取れない場合は、単純な睡眠不足以外の問題が隠れていることがあります。

例えば、睡眠時無呼吸症候群では、長時間ベッドに入っていても睡眠が何度も分断されるため、十分に休んだ感覚が得られないことがあります。

また、うつ状態、一部の薬剤、生活リズムの乱れなどでも強い眠気が出ることがあります。

NHLBI(アメリカ国立心肺血液研究所)では、8時間以上眠っているにもかかわらず休息感が得られない場合には、睡眠障害などが隠れている可能性があるとしています。

休日の朝は無理に平日と同じ時間に起きるべき?

平日に強い睡眠不足がある場合、休日まで無理に睡眠を削る必要はありません。

例えば平日に5時間程度しか眠れていない人が、休日だけ突然6時に起きるようにしても、睡眠不足がさらに強くなる可能性があります。

重要なのは、休日の睡眠時間を削ることではなく、平日から必要な睡眠時間を確保することです。

休日に少し長く寝るのであれば、起床時間を1~2時間程度遅らせる程度にし、大幅な昼夜逆転を避けるとよいでしょう。

寝不足なら昼寝で補う方法もある

休日に昼まで眠る代わりに、朝はある程度いつもの時間に起き、日中に短い昼寝を取り入れる方法もあります。

昼寝は一時的な眠気や集中力の改善に役立つことがあります。ただし、夕方以降に長時間眠ると夜の睡眠を妨げる場合があります。

NHLBI(アメリカ国立心肺血液研究所)でも、昼寝は短期的な眠気の改善には役立つ一方、夜間睡眠を完全に代替するものではないとしています。

昼寝をする場合は遅い時間を避け、長く眠りすぎないことがポイントです。

朝の光を浴びることも大切

体内時計を整えるうえで重要なのが朝の光です。

起床後に明るい光を浴びることで、脳は「朝になった」と認識し、睡眠・覚醒リズムを調整します。

休日でも朝起きたらカーテンを開け、可能であれば外へ出て自然光を浴びましょう。

反対に、深夜までスマートフォンやパソコンの強い光を浴び続けると、眠りにつくタイミングが遅れやすくなります。NHLBI(アメリカ国立心肺血液研究所)でも、就寝前の強い人工光を避けることが健康的な睡眠習慣として推奨されています。

月曜日の朝がつらい人が見直したいポイント

毎週月曜日だけ極端に起きにくい場合は、休日の就寝・起床時間を確認してみましょう。

土曜日に夜更かしをして昼まで寝る、日曜日も同じ生活をするというパターンでは、日曜夜の時点で体内時計が後ろへずれている可能性があります。

まずは休日も平日から大きく外れない時間に起き、朝の光を浴びることから始めます。

同時に、平日に30分でも早く寝るなど、慢性的な睡眠不足を減らすことも大切です。

月曜日のつらさを休日の「寝だめ」だけで解決するのではなく、1週間全体の睡眠スケジュールを整えることが重要です。

睡眠時間を記録してみよう

自分がどの程度睡眠不足になっているか分からない場合は、2週間程度の睡眠記録をつけてみる方法があります。

就寝時刻、起床時刻、夜中に起きた回数、昼寝、日中の眠気などを記録しておくと、平日と休日の差が分かりやすくなります。

不眠症の診断でも、医療機関で睡眠日誌を利用することがあります。NHLBI(アメリカ国立心肺血液研究所)でも、不眠の評価では睡眠習慣の確認や睡眠日誌が利用されることがあるとしています。

こんな場合は医療機関へ相談を

休日の寝坊だけで病気と判断する必要はありません。

ただし、平日に耐えられないほど眠い、仕事中や運転中に眠りそうになる、長時間寝ても疲労感が取れない、大きないびきや睡眠中の呼吸停止を指摘される、不眠が長期間続いている場合には、睡眠障害が隠れている可能性があります。

NHLBI(アメリカ国立心肺血液研究所)では、慢性不眠について、週3回以上の症状が3か月以上続き、日中生活にも影響する状態などを診断の目安としています。

強い日中の眠気や慢性的な不眠がある場合には、睡眠外来、精神科、心療内科、内科などで相談しましょう。

まとめ

休日だけ極端に長く眠る人は、平日に必要な睡眠時間を確保できていない可能性があります。休日の追加睡眠で疲労感が一時的に改善することはありますが、慢性的な睡眠不足を完全に帳消しにできるわけではありません。

また、休日に就寝・起床時刻が大幅に遅くなると、社会的時差ぼけによって体内時計が乱れ、日曜夜の入眠困難や月曜日の強い眠気につながることがあります。

NHLBI(アメリカ国立心肺血液研究所)では、平日と休日の睡眠スケジュールの差を約1時間以内に抑えることを推奨しています。

休日の睡眠を無理に削るのではなく、平日の睡眠時間を少しずつ増やし、1週間を通して就寝・起床時間を安定させることが重要です。休日に長く寝ても疲れが取れない場合や、日中の強い眠気・不眠が続く場合には医療機関へ相談しましょう。

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