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鼻炎薬を飲むと口が渇くのはなぜ?抗ヒスタミン薬の副作用を解説

鼻炎

鼻炎薬を飲むと口が渇くのはなぜ?抗ヒスタミン薬の副作用を解説

医師・薬剤師監修

花粉症やアレルギー性鼻炎の薬を飲んだあと、「口の中がカラカラする」「喉まで乾燥する」と感じた経験がある方もいるでしょう。

鼻炎薬による口の渇きは、珍しい副作用ではありません。特に一部の抗ヒスタミン薬では、アレルギー症状を抑える作用とともに唾液の分泌にも影響するため、口渇が起こることがあります。NHS(英国国民保健サービス)でも、抗ヒスタミン薬の副作用として口の渇きが挙げられています。

ただし、抗ヒスタミン薬ならすべて同じ程度に口が渇くわけではありません。薬の種類や体質、鼻づまりによる口呼吸、ほかに服用している薬なども関係します。

鼻炎薬の中心となる「抗ヒスタミン薬」とは?

アレルギー性鼻炎では、花粉やハウスダストなどのアレルゲンに反応して「ヒスタミン」という物質が放出されます。

ヒスタミンがH1受容体という場所に作用すると、くしゃみ、鼻水、鼻のかゆみ、目のかゆみなどのアレルギー症状が現れます。

抗ヒスタミン薬は、このヒスタミンがH1受容体へ作用するのを抑えることで、鼻水やくしゃみなどを軽減する薬です。

鼻炎薬を飲むと鼻水が減るのは、こうしたヒスタミンの働きを抑えているためです。

なぜ抗ヒスタミン薬で口が渇くの?

特に古いタイプの抗ヒスタミン薬の一部には、ヒスタミンの働きを抑えるだけでなく、アセチルコリンという神経伝達物質の作用を弱める「抗コリン作用」があります。

アセチルコリンは唾液腺から唾液を分泌する働きにも関係しています。その作用が抑えられると、唾液の分泌量が減り、口の中が乾燥しやすくなります。

つまり、鼻水を抑える作用と同時に、唾液まで出にくくなることが口渇の原因のひとつです。

Mayo Clinicでも、一部の抗ヒスタミン薬は口・鼻・目の乾燥を起こすことがあるとされています。

眠くなる抗ヒスタミン薬ほど口が渇きやすい?

抗ヒスタミン薬は、大きく第一世代と第二世代に分けられます。

第一世代抗ヒスタミン薬は脳へ移行しやすく、眠気が起こりやすい傾向があります。また抗コリン作用を持つ薬も多いため、口の渇き、便秘、目のかすみ、尿が出にくいなどの副作用が現れることがあります。

一方、第二世代抗ヒスタミン薬は、第一世代と比べて眠気や抗コリン作用が抑えられているものが多くあります。

ただし、第二世代なら絶対に口が渇かないというわけではありません。NHS(英国国民保健サービス)でも、眠気の少ないタイプの抗ヒスタミン薬でも口の渇きが起こる場合があるとされています。

口が渇く原因は薬だけとは限らない

鼻炎の人では、薬以外の理由で口が渇いている場合もあります。

代表的なのが鼻づまりによる口呼吸です。

鼻が詰まると無意識に口を開けて呼吸するようになり、口の中の水分が蒸発しやすくなります。特に睡眠中に鼻づまりが強い人では、朝起きたときに強い口渇を感じることがあります。

NHS(英国国民保健サービス)でも、鼻づまりなどによって夜間に口呼吸をすることが口腔乾燥の原因になるとされています。

そのため、「鼻炎薬を飲み始めたから全部薬のせい」と決めつけず、鼻づまりや室内の乾燥、水分不足なども確認しましょう。

鼻づまり薬が入っている場合も注意

市販の総合鼻炎薬では、抗ヒスタミン成分だけでなく、鼻づまりを改善するための成分が複数配合されていることがあります。

こうした薬では、一つの成分だけではなく複数の成分によって口や喉の乾燥を感じる場合があります。

市販薬を使用するときは「鼻炎薬」という商品名だけを見るのではなく、どのような有効成分が含まれているか確認することが大切です。

別の風邪薬や睡眠改善薬などにも抗ヒスタミン成分が含まれている場合があるため、重複服用にも注意しましょう。

口が渇くと虫歯や口臭にも影響する?

唾液には、単に口の中を湿らせるだけではなく、食べかすを洗い流したり、細菌の増殖を抑えたり、口の中の酸を中和したりする働きがあります。

そのため、口腔乾燥が長期間続くと、口臭、虫歯、歯周病などのリスクが高まる可能性があります。

Mayo Clinicでも、慢性的な口腔乾燥は歯や歯ぐきの健康、食事、味覚、飲み込みなどへ影響することがあるとされています。

「少し口が渇くだけだから」と長期間放置せず、症状が強い場合には薬の見直しも検討しましょう。

口の渇きが気になるときの対策

軽い口渇であれば、こまめに水分を取ることで楽になることがあります。

一度に大量の水を飲む必要はなく、少量ずつこまめに水やお茶を飲みましょう。また、シュガーレスガムをかむことで唾液分泌を促せる場合があります。

NHS(英国国民保健サービス)でも、口腔乾燥へのセルフケアとして、水を少しずつこまめに飲むことなどが勧められています。

室内が乾燥している場合には加湿を行い、鼻づまりがある人は鼻炎そのものを適切に治療して口呼吸を減らすことも大切です。

飴なら何でもいい?

口が渇くと飴をなめたくなることがありますが、糖分を含む飴を長時間・頻繁になめ続けると、虫歯のリスクが高まります。

利用する場合は、できればシュガーレスのガムやキャンディーを選ぶとよいでしょう。

また、カフェインやアルコールを多く摂取すると乾燥感が強くなる場合があります。口渇が強い時期には摂りすぎないよう意識しましょう。

薬が合わないと思っても自己判断で中止しない

口の渇きが気になるからといって、処方されている抗ヒスタミン薬を自己判断で中止したり、量を減らしたりすることはおすすめできません。

抗ヒスタミン薬には複数の種類があり、同じ鼻炎治療薬でも眠気や口渇の起こりやすさには違いがあります。

口渇が生活に支障をきたす場合には、医師や薬剤師へ相談することで、別の抗ヒスタミン薬への変更などを検討できる場合があります。

市販薬の場合でも、長期間使い続ける前に薬剤師・登録販売者へ相談するとよいでしょう。

高齢者では抗コリン作用に特に注意

高齢者では、第一世代抗ヒスタミン薬などの抗コリン作用によって、口の渇きだけでなく、便秘、尿が出にくい、目のかすみ、ふらつきなどが問題になることがあります。

また、複数の薬を服用している場合、それぞれに抗コリン作用があることで副作用が強くなることがあります。

特に前立腺肥大症や緑内障などがある人では、使用できない薬や注意が必要な薬があります。

持病がある場合は、市販の鼻炎薬を購入する際にも薬剤師へ現在の病気や服用中の薬を伝えましょう。

運転する人は眠気にも注意

鼻炎薬の副作用では口の渇きだけでなく、眠気も重要です。

NHS(英国国民保健サービス)では、眠気を起こすタイプの抗ヒスタミン薬では、反応速度や判断力、協調運動にも影響する可能性があるため、服用後の運転や機械操作を避けるよう案内しています。

日本でも、薬によっては添付文書で自動車運転をしないよう注意されているものがあります。

「自分は眠くならないから大丈夫」と自己判断せず、使用している薬の注意事項を確認してください。

口の渇きが続く場合は別の原因も考える

抗ヒスタミン薬を中止・変更しても強い口渇が続く場合や、薬を飲んでいないのに常に口が乾く場合には、別の原因が隠れていることがあります。

口腔乾燥は、脱水、糖尿病、シェーグレン症候群などでも起こることがあります。

さらに、強い喉の渇きとともに尿量が増えた、飲み込みにくい、口内炎や虫歯を繰り返すなどの症状がある場合には、一度医療機関へ相談しましょう。

薬の副作用だと思い込まず、症状が長期間続く場合は原因を確認することが重要です。

まとめ

鼻炎薬を飲んだときに口が渇くのは、一部の抗ヒスタミン薬が唾液の分泌に関係する神経へ作用することが主な理由のひとつです。

特に第一世代抗ヒスタミン薬では、抗コリン作用によって口の渇き、眠気、目のかすみ、便秘、排尿しにくさなどが現れる場合があります。一方、第二世代抗ヒスタミン薬ではこうした副作用が比較的少ないものが多いものの、口渇が起こる可能性はあります。

また、鼻づまりによる口呼吸も口の乾燥を悪化させます。

軽い口渇であればこまめな水分補給やシュガーレスガムなどで対処できますが、症状が強い場合は自己判断で薬を中止せず、医師や薬剤師へ相談しましょう。薬の種類を変更することで改善できる場合もあります。

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