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熱中症対策におすすめの飲み物は?水・スポーツドリンク・経口補水液を比較

熱中症

熱中症対策におすすめの飲み物は?水・スポーツドリンク・経口補水液を比較

監修:医師・薬剤師監修

暑い日に水分補給をしようとしても、「水だけでよいの?」「スポーツドリンクのほうが効果的?」「経口補水液は毎日飲んでも大丈夫?」と迷う人は多いでしょう。

結論からいうと、熱中症対策に適した飲み物は、汗の量や身体の状態によって異なります。

日常的な熱中症予防には水、大量に汗をかく運動や作業中にはスポーツドリンク、すでに脱水症状が疑われる場合には経口補水液が基本的な使い分けです。

経口補水液は、一般的な飲料よりナトリウムやカリウムを多く含み、脱水時に水分と電解質を吸収しやすいよう作られています。一方で、塩分やカリウムの制限が必要な人が日常的に大量摂取すると、身体へ負担をかける可能性があります。消費者庁でも、経口補水液は病者向けの特別用途食品であり、一般的なスポーツドリンクより電解質が多いと報告されています。

熱中症対策で水分だけでなく塩分が必要な理由

汗をかくと、身体から失われるのは水分だけではありません。汗にはナトリウムなどの電解質が含まれているため、長時間の運動や屋外作業で大量に汗をかくと、体内の水分と塩分が同時に減少します。

少量の汗であれば、通常の食事から塩分を補えるため、水や無糖のお茶で対応できます。しかし、何時間も汗をかき続けた場合に水だけを大量に飲むと、血液中のナトリウム濃度が低下する可能性があります。

厚生労働省の熱中症対策資料では、大量発汗時には水分だけでなく塩分も補給し、スポーツ飲料や経口補水液などを利用する方法が示されています。

ただし、汗をほとんどかいていない人が、予防目的で塩分の多い飲料を大量に飲む必要はありません。

水・スポーツドリンク・経口補水液の違い

比較項目 スポーツドリンク 経口補水液
主な目的 日常の水分補給、熱中症予防 運動や作業中の水分・糖分・電解質補給 脱水時の水分・電解質補給
ナトリウム ほとんど含まない 水より多い 一般的なスポーツドリンクより多い
糖分 含まない 比較的多い製品がある 水分吸収を助けるため一定量を含む
向いている場面 日常生活、短時間の外出、軽い運動 長時間の運動、屋外作業、大量発汗 めまい、強い口渇、だるさなど脱水が疑われる場合
注意点 大量発汗時は塩分不足になることがある 糖分・カロリーの取り過ぎ 塩分・カリウム制限がある人は要注意

普段の熱中症予防には水がおすすめ

通勤、買い物、家事、短時間の散歩など、汗の量がそれほど多くない日常生活では、水が基本です。

水は糖分やカロリーを含まないため、体重や血糖値を気にしている人でも取り入れやすい飲み物です。CDC(アメリカ疾病予防管理センター)でも、十分な水分摂取は脱水や身体の過熱を防ぐうえで重要とされています。

喉が渇いてから一気に飲むのではなく、次のようなタイミングで少量ずつ飲みましょう。

  • 起床後
  • 外出前
  • 運動や作業の前
  • 休憩時
  • 入浴の前後
  • 就寝前

通常の生活で食事をきちんと取れている人は、水分補給のたびに塩分を追加する必要はありません。

高血圧や腎臓病がある人が塩分を取り過ぎると、むくみや血圧上昇につながる可能性があるため、予防目的で塩分タブレットや経口補水液を常用しないようにしてください。

水だけでは足りない可能性がある場面

次のような状況では、水分だけでなく電解質の補給も検討します。

  • 屋外で数時間作業している
  • スポーツで大量の汗をかいた
  • 衣服が汗で濡れるほど発汗した
  • 足や腕がつる
  • 暑い環境で休憩を取れずに働いた
  • 発汗後に強いだるさがある

CDC(アメリカ疾病予防管理センター)の職場向け熱中症対策では、暑い環境での中程度の作業が2時間未満であれば水をこまめに飲み、発汗が数時間続く場合には電解質を含むスポーツドリンクを利用する方法が示されています。

スポーツドリンクが向いている場面

スポーツドリンクには、水分、ナトリウム、糖質などが含まれています。運動や作業で大量に汗をかく場面では、水分と電解質を同時に補給できる点がメリットです。

糖質は運動中のエネルギー源になるほか、水分やナトリウムの吸収を助けます。そのため、屋外スポーツ、工事現場、農作業、長時間のイベントなどに適しています。

熱による筋肉のけいれんが起きた場合も、水とともに糖質や電解質を含む飲料を取る方法が推奨されています。

スポーツドリンクの注意点

スポーツドリンクは飲みやすい反面、商品によっては糖分が多く含まれています。

運動をしていないのに、水代わりとして毎日1~2リットル飲み続けると、糖質やカロリーの過剰摂取につながる可能性があります。

糖尿病や血糖値が高い人は、スポーツドリンクによって血糖値が上昇する場合があるため注意が必要です。CDC(アメリカ疾病予防管理センター)でも、糖尿病のある人は暑い時期の水分補給で、糖分の多い飲料を避けるよう案内しています。

日常的な水分補給では水を基本にし、スポーツドリンクは大量に汗をかく場面で使い分けましょう。

経口補水液とは?

経口補水液は、脱水時に失われた水分と電解質を効率よく補うための飲料です。

水とナトリウムに加え、腸管で水分を吸収しやすくするための糖質が一定の割合で配合されています。

消費者庁では、経口補水液について、感染性胃腸炎による下痢や嘔吐などに伴う脱水時の水・電解質補給を目的とした病者用食品としています。一般的なスポーツドリンクよりナトリウムとカリウムが多く、脱水時に吸収しやすい配合です。

熱中症による軽度の脱水で、本人の意識がはっきりしており、自分で飲める場合にも利用されます。

経口補水液が向いている症状

  • 大量の汗をかいた後に強い口渇がある
  • めまいや立ちくらみがある
  • 身体がだるく、軽い吐き気がある
  • 尿の量が減っている
  • 汗をかいた後に足がつった
  • 下痢や嘔吐で水分を失っている

経口補水液は、喉が渇いたときに毎日自由に飲む清涼飲料水ではありません。脱水が疑われる場面で、表示された量を守って使用する飲料です。

経口補水液を水代わりに飲んではいけない理由

経口補水液は、一般的な水やスポーツドリンクより多くのナトリウムやカリウムを含みます。

汗をほとんどかいていない人が日常的に大量摂取すると、塩分やカリウムを必要以上に取る可能性があります。

特に注意が必要なのは、次に当てはまる人です。

  • 高血圧がある
  • 心不全がある
  • 腎機能が低下している
  • 透析治療を受けている
  • 塩分制限を指示されている
  • カリウム制限を受けている
  • 糖尿病がある

消費者庁でも、経口補水液にはナトリウム、カリウム、糖質が含まれるため、医師から食事制限を指示されている人は注意が必要とされています。

持病がある人は、経口補水液を常備・使用する前に医師や薬剤師へ相談してください。

熱中症の予防と発症後で飲み物は変わる

身体の状態 おすすめの飲み物 理由
通常の日常生活 水、無糖のお茶 糖分や塩分を過剰に取らず水分を補える
短時間の外出や軽い運動 通常の食事を取れていれば水で対応しやすい
長時間の運動や屋外作業 スポーツドリンク 水分、電解質、糖質を同時に補える
大量発汗や筋肉のけいれん スポーツドリンクまたは経口補水液 失われた水分とナトリウムを補いやすい
めまい、強い口渇、尿量低下 経口補水液 脱水時に水分と電解質を吸収しやすい
意識障害、自力で飲めない 口から飲ませない 誤嚥の危険があるため救急要請が必要

お茶やコーヒーは熱中症対策に使える?

麦茶などカフェインをほとんど含まない飲み物は、日常の水分補給に利用できます。

一方、コーヒー、濃い緑茶、エナジードリンクなどにはカフェインが含まれます。通常量で直ちに脱水を起こすとは限りませんが、熱中症対策として大量に飲むのは適していません。

カフェインが多い飲料を飲み過ぎると、動悸、不眠、胃の不快感などが起こる場合があります。暑い環境での水分補給は、水や適切な電解質飲料を基本にしましょう。CDC(アメリカ疾病予防管理センター)でも、高温環境ではアルコールや高カフェイン・高糖分の飲料を避けるよう推奨しています。

アルコールは水分補給にならない

ビールや酎ハイなどを飲むと、一時的に喉の渇きが和らぐように感じます。しかし、アルコールは判断力や体温調節へ影響し、水分補給の代わりにはなりません。

炎天下でのスポーツや作業の前後、入浴後などに、アルコールだけで水分補給を済ませるのは避けてください。

塩分タブレットだけを食べればよい?

塩分タブレットは、長時間にわたり大量の汗をかく場合の補助として利用できます。

ただし、塩分タブレットだけを食べても、水分が不足したままでは脱水を改善できません。また、通常の食事を取っていて汗が少ない人が大量に食べると、塩分の取り過ぎになります。

CDC(アメリカ疾病予防管理センター)では、熱による筋肉のけいれんに対して水や電解質飲料を取り、塩の錠剤を避けるよう案内しています。

水分補給の正しいタイミング

水分は、一度に大量に飲むのではなく、こまめに補給することが大切です。

暑い環境で作業する場合、厚生労働省の資料では、水やナトリウムを含むスポーツドリンク、経口補水液などを一定間隔で摂取する方法が示されています。

次のタイミングを目安にしましょう。

  • 暑い場所へ出る前
  • 作業や運動を始める前
  • 作業中は15~30分ごと
  • 休憩時
  • 運動や作業を終えた後
  • 入浴の前後
  • 起床時と就寝前

短時間に何リットルも飲むと、身体に負担をかける可能性があります。CDC(アメリカ疾病予防管理センター)では、高温環境での水分摂取量は、一般に1時間当たり約6カップを超えないよう注意を促しています。

熱中症が疑われるときの水分補給

本人の意識がはっきりしており、自分で飲み込める場合は、涼しい場所で身体を冷やしながら、経口補水液などを少量ずつ与えます。

一度に勢いよく飲ませると、吐き気や嘔吐が起こる場合があります。数分おきに少しずつ飲ませてください。

次の状態では、飲み物を与えてはいけません。

  • 意識がもうろうとしている
  • 呼びかけへの反応がおかしい
  • 自力で飲み込めない
  • 何度も嘔吐している
  • けいれんしている

意識が悪い人へ無理に飲ませると、飲料が気管へ入り、窒息や誤嚥を起こす危険があります。すぐに119番へ通報してください。

自宅で経口補水液を作ってもよい?

市販の経口補水液がない緊急時には、水、食塩、砂糖を使った補水液が紹介されることがあります。

ただし、分量を間違えると塩分や糖分が濃くなり過ぎる可能性があります。可能であれば、成分濃度が管理された市販の経口補水液を使用するほうが安全です。

海外旅行などで市販品が入手できない場合、CDC(アメリカ疾病予防管理センター)は、水に食塩と少量の糖を加えた補水方法を紹介していますが、正確な計量が必要です。

個人輸入で補水用パウダーを購入する場合

個人輸入代行では、国内では入手しにくい経口補水用パウダー、電解質パウダー、スポーツ用補水製品などを自宅から注文できる場合があります。

持ち運びや保存がしやすく、海外ブランドや複数のフレーバー、容量を比較できる点はメリットです。

ただし、海外製品は商品によって成分量や希釈方法が大きく異なります。購入前には次の項目を必ず確認してください。

  • 1包当たりのナトリウム量
  • カリウム量
  • 糖質量
  • 希釈に必要な水の量
  • スポーツ用か脱水時用か
  • 対象年齢
  • 腎臓病、心臓病、高血圧、糖尿病がある場合の注意
  • 製造元と使用期限

補水用パウダーを指定量より少ない水で溶かすと、塩分や糖分が濃くなり過ぎます。反対に、多過ぎる水で薄めると、本来想定された電解質濃度になりません。

複数のパウダーや塩分タブレットを同時に使用したり、自己判断で濃く作ったりしないでください。

医療機関へ相談する目安

水分補給と冷却を行っても、次の症状がある場合は医療機関へ相談してください。

  • 頭痛や吐き気が続く
  • 嘔吐して飲み物を取れない
  • 強いだるさがある
  • 尿がほとんど出ない
  • 筋肉のけいれんが1時間以上続く
  • 高齢者や小さな子どもである
  • 腎臓病、心臓病、糖尿病などの持病がある

熱による筋肉のけいれんが1時間以上続く場合や、心臓病、低ナトリウム食などの条件がある場合には、医療機関への相談が推奨されています。

意識障害、けいれん、自力で水が飲めない、身体が非常に熱い場合は、飲み物を選ぶ段階ではありません。直ちに救急車を呼び、到着まで身体を冷やしてください。

まとめ

熱中症対策に適した飲み物は、身体の状態や汗の量によって異なります。

日常の熱中症予防や短時間の外出では、水や無糖のお茶が基本です。数時間の運動や屋外作業で大量に汗をかく場合は、水分、糖質、電解質を補えるスポーツドリンクが適しています。

めまい、強い口渇、尿量の減少など、すでに脱水が疑われる場合には、経口補水液が選択肢になります。

経口補水液は、スポーツドリンクより効果が強い日常飲料ではなく、脱水時に使用するための飲料です。高血圧、腎臓病、心臓病、糖尿病などがある人は、塩分、カリウム、糖質の量を確認してください。

個人輸入代行では、補水用パウダーや電解質製品を比較できますが、ナトリウム量、希釈する水の量、使用目的を必ず確認し、自己判断で濃く作らないことが重要です。

飲み物だけに頼らず、エアコン、日陰での休憩、通気性のよい服装、暑さ指数の確認を組み合わせて熱中症を予防しましょう。

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