昼間の眠気を乗りきる方法おすすめ3選|仕事中・勉強中にできる対策
監修:医師・薬剤師
昼食後や午後の会議中、眠ってはいけない場面なのに、強い睡魔に襲われることがあります。
厚生労働省の調査では、20歳以上の成人のうち、直近1か月に週3回以上、日中の眠気を感じた人は34.8%でした。昼間の眠気は珍しい悩みではありませんが、集中力や判断力を低下させ、仕事上のミスや交通事故につながる可能性があります。
昼間の眠気を一時的に乗りきる方法としておすすめなのは、「短時間の昼寝」「光を浴びながら体を動かす」「カフェインを適切な量と時間で使う」の3つです。
ただし、これらは睡眠不足を完全に帳消しにする方法ではありません。十分に眠っているのに強い眠気が続く場合は、睡眠時無呼吸症候群や薬の副作用などが隠れている可能性があります。
この記事では、昼間の眠気を乗りきる3つの方法と、眠気を繰り返す場合に見直したい生活習慣、医療機関へ相談すべき症状を解説します。
なぜ昼間に強い眠気が起こるの?
昼間の眠気は、主に次の要因が重なって起こります。
- 夜間の睡眠時間が不足している
- 眠りが浅く、十分に休めていない
- 昼過ぎに体内時計の覚醒作用が一時的に弱まる
- 昼食の食べすぎや血糖値の変動
- 眠気が出る薬を服用している
- 睡眠障害や精神疾患がある
平日は短時間しか眠らず、休日に長く寝る生活をしている人は、慢性的な睡眠不足が蓄積している可能性があります。厚生労働省は、日中の強い眠気や休日の長い寝だめを、睡眠不足のサインとして挙げています。
眠気が出るたびにコーヒーで無理に抑えるのではなく、原因を確認しながら対策を選ぶことが大切です。
おすすめ1:15~30分以内の短い昼寝を取る
昼間の眠気を軽減する方法として、最も取り入れやすいのが短時間の昼寝です。
厚生労働省の情報では、日中に眠気がある場合、午後3時より前に30分以内の昼寝を取る方法が勧められています。
短い昼寝を取ることで、眠気や疲労感が軽くなり、午後の集中力を回復しやすくなります。
昼寝のポイント
- 昼食後から午後3時までに取る
- 15~20分程度を目安にする
- 長くても30分以内にする
- ベッドではなく、椅子やソファで休む
- アラームを設定する
30分以上深く眠ると、起きた直後に頭がぼんやりする「睡眠慣性」が強くなり、かえって仕事へ戻りにくくなることがあります。また、夕方以降の長い昼寝は、夜の寝つきを悪くする原因になります。
職場で横になれない場合は、椅子に座って目を閉じ、机に伏せて休むだけでも構いません。眠れなくても、スマートフォンを見ずに数分間目を閉じることで、刺激を減らして休息できます。
昼寝前にコーヒーを飲む方法もある
カフェインは摂取後すぐに最大の覚醒作用が現れるわけではないため、少量のコーヒーを飲んでから15~20分休む方法があります。
昼寝から起きる頃にカフェインの作用が現れ、目覚めやすくなる人もいます。
ただし、カフェインに敏感な人、不眠症がある人、動悸が出やすい人には向きません。午後遅い時間の摂取は夜間睡眠へ影響するため、時間帯に注意してください。
おすすめ2:明るい場所で5~15分体を動かす
眠気を感じたら、同じ姿勢のまま我慢せず、明るい場所へ移動して体を動かしましょう。
日中に光を浴びると、体内時計が昼と夜を認識しやすくなり、日中の覚醒と夜間の睡眠のメリハリが整います。厚生労働省の睡眠情報でも、朝や日中に光を浴びることは、睡眠・覚醒リズムを整えるうえで重要とされています。
すぐできる動き方
- 屋外を5~15分歩く
- 階段を1~2階分上る
- コピーや給水のために席を立つ
- 肩や背中を伸ばす
- 立ったまま仕事や電話をする
激しい運動をする必要はありません。座り続けている状態を中断し、筋肉を動かすことがポイントです。
昼食後に眠くなりやすい人は、食後すぐにデスクへ戻らず、短時間の散歩を習慣にするとよいでしょう。屋外へ出られない場合は、窓際の明るい場所を歩く方法もあります。
冷たい水で顔を洗うだけでは不十分
冷たい水や風に当たると一時的に目が覚めたように感じることがありますが、効果は長く続かないことがあります。
洗顔だけに頼らず、光と軽い運動を組み合わせる方が、覚醒を維持しやすくなります。
おすすめ3:カフェインを時間と量を決めて使う
コーヒーやお茶に含まれるカフェインには、眠気に関係するアデノシンの働きを妨げ、覚醒を保つ作用があります。
昼間の眠気を一時的に軽減する方法として役立ちますが、飲み方を誤ると夜の睡眠を悪化させ、翌日さらに眠くなる悪循環につながります。
厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」では、カフェインは寝つきの悪化や中途覚醒、睡眠時間の短縮につながるため、夕方以降の摂取を控えることが勧められています。
カフェインの上手な使い方
- 午前中から昼過ぎまでに取る
- 一度に大量摂取しない
- コーヒー1杯程度から様子を見る
- 夕方以降はカフェインレスへ切り替える
- エナジードリンクを重ねて飲まない
カフェインはコーヒー以外にも、緑茶、紅茶、コーラ、エナジードリンク、チョコレート、眠気防止薬などに含まれます。
複数の商品を組み合わせると、本人が思っている以上に摂取量が増えることがあります。
カフェインを取りすぎると、動悸、手の震え、胃の不快感、不安感、不眠などが現れる可能性があります。睡眠薬や不整脈の薬などを服用している人は、医師や薬剤師へ相談してください。
眠気を乗りきる方法として避けたい行動
エナジードリンクを何本も飲む
強い眠気を短時間で抑えようとして、エナジードリンクや眠気防止薬を追加すると、カフェインの過剰摂取につながります。
動悸や不安が強くなっても、睡眠不足そのものは解消されません。
甘い物を大量に食べる
糖分を取ると一時的に元気になったように感じることがありますが、食べすぎると食後の血糖値が大きく変動し、だるさや眠気につながる場合があります。
間食する場合は、量を決め、甘い飲料や菓子だけに偏らないようにしましょう。
眠気を我慢して運転する
窓を開ける、大音量で音楽を聴く、ガムをかむといった方法では、居眠りを確実に防げません。
運転中に眠気を感じた場合は、すぐに安全な場所へ移動し、運転を中止してください。短時間の仮眠を取っても眠気が残る場合は、その日の運転を控える必要があります。
根本的には夜の睡眠を見直す
3つの方法は、その場の眠気を軽くするための対策です。毎日繰り返し必要になる場合は、夜間の睡眠時間や睡眠の質を見直しましょう。
次のような生活は、睡眠不足を蓄積させやすくなります。
- 平日は睡眠時間が短く、休日に寝だめする
- 起床時刻が日によって大きく異なる
- 夕方以降にカフェインを取る
- 寝る直前までスマートフォンを見る
- 飲酒して眠る
- 夕方に長時間の昼寝をする
寝だめで眠気が一時的に軽くなっても、慢性的な睡眠不足による身体や認知機能への影響を完全には解消できません。
起床時刻をなるべく一定にし、朝に光を浴び、夜は照明やスマートフォンの刺激を減らすことが大切です。
病気や薬が原因の眠気もある
昼間の眠気は、睡眠時間が短い人だけに起こるわけではありません。
厚生労働省は、睡眠障害、服用薬の副作用、うつ病などの精神疾患も、日中の眠気の原因になるとしています。
特に注意したいのが睡眠時無呼吸症候群です。睡眠中に呼吸が何度も止まると睡眠が分断され、十分な時間眠っていても、日中の強い眠気や集中力低下が起こります。
次の薬でも眠気が出ることがあります。
- 睡眠薬
- 抗不安薬
- 一部の抗うつ薬
- 抗ヒスタミン薬
- 抗てんかん薬
- 一部の鎮痛薬
薬を飲み始めたり増量したりしたあとに眠気が強くなった場合は、自己判断で中止せず、処方医や薬剤師へ相談してください。
医療機関へ相談した方がよいケース
- 十分な時間眠っても強い眠気が続く
- 会議や会話中に眠り込んでしまう
- 運転中に眠くなる
- 家族から大きないびきや呼吸停止を指摘された
- 朝に頭痛や口の渇きがある
- 突然、我慢できない眠気に襲われる
- 薬の開始や増量後から眠くなった
- 気分の落ち込みや意欲低下を伴う
睡眠時間を増やしても改善しない場合は、睡眠外来、呼吸器内科、精神科・心療内科などへ相談します。
よくある質問
昼寝は何分が最もよいですか?
15~20分程度が取り入れやすい目安です。長くても30分以内とし、午後3時より前に取りましょう。
コーヒーは何時まで飲めますか?
カフェインの分解速度には個人差があります。不眠がある人は夕方以降を避け、昼過ぎまでにするのが無難です。厚生労働省も夕方以降の摂取を控えるよう勧めています。
昼食を抜けば眠くなりませんか?
昼食を抜くと食後の眠気を感じにくい場合がありますが、空腹による集中力低下や夕食の食べすぎにつながる可能性があります。量を腹八分目にし、炭水化物だけに偏らない食事を選びましょう。
休日にたくさん寝れば睡眠不足を解消できますか?
一時的に眠気が軽くなることはありますが、寝だめだけで睡眠不足の影響を完全に解消することはできません。平日の睡眠時間を増やすことが重要です。
まとめ
昼間の眠気を乗りきるおすすめの方法は、午後3時より前に15~30分の昼寝を取る、明るい場所で5~15分体を動かす、カフェインを昼過ぎまでに適量使うことの3つです。
短い昼寝は午後の眠気を軽減しやすく、光と軽い運動は覚醒を保つ助けになります。カフェインも一時的な対策になりますが、夕方以降に摂取すると夜の睡眠を悪化させる可能性があります。
これらの方法を毎日使わなければ乗りきれない場合は、夜間の睡眠不足や睡眠の質の低下を疑いましょう。
十分眠っても強い眠気が続く、大きないびきや呼吸停止がある、運転中にも眠くなる場合は、単なる寝不足と判断せず医療機関へ相談してください。

