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布団に入ると目が冴えるのはなぜ?寝る前の習慣を見直す方法

睡眠

布団に入ると目が冴えるのはなぜ?寝る前の習慣を見直す方法

監修:医師・薬剤師監修

「リビングでは眠かったのに、布団へ入った瞬間に目が冴える」「早く寝なければと思うほど眠れない」「ベッドの中でスマートフォンを見続けてしまう」と悩んでいませんか。

布団へ入ってから眠れなくなる原因には、寝る直前の光やカフェインだけでなく、眠くない時間に寝床へ入る習慣や、眠れないことへの不安も関係します。

眠れない状態が続くと、脳が寝床を「眠る場所」ではなく「悩んだり焦ったりする場所」として覚えてしまうことがあります。その結果、リビングでは眠いのに、寝室へ移動すると緊張して目が冴えるという悪循環が起こります。

布団へ入っても眠れないときは、無理に目を閉じ続けるのではなく、一度寝床を離れ、眠気が戻ってから横になることが重要です。

この記事では、布団に入ると目が冴える理由、寝る前に避けたい習慣、眠れないときの対処方法、睡眠薬を検討する目安について分かりやすく解説します。

布団に入ると目が冴える主な原因

寝床へ入ってから眠れなくなる原因は一つではありません。

主に次のような要因が関係します。

  • 眠くなる前に布団へ入っている
  • 寝床で長時間スマートフォンを見ている
  • 夕方以降にカフェインを摂っている
  • 寝酒をしている
  • 仕事や人間関係の心配事を考えている
  • 昼寝が長すぎる
  • 休日と平日の起床時刻が大きく違う
  • 寝室が明るい、暑い、寒い、騒がしい
  • 不眠症やほかの睡眠障害がある

「布団に入れば眠れるはず」と考えて早い時間から横になると、眠れない時間が長くなり、かえって不眠が悪化することがあります。

眠くないのに早く布団へ入っている

翌日に大切な予定があると、「今日は早く寝よう」と考え、普段より1~2時間早く布団へ入ることがあります。

しかし、身体に十分な眠気がたまっていない時間に横になっても、すぐに眠れるとは限りません。

例えば、普段午前0時頃に寝ている人が、午後9時から布団へ入ると、3時間近く眠れずに過ごす可能性があります。

長時間寝床で起きている状態が続くと、寝床と覚醒が結びつきやすくなります。

就寝時刻だけを早めるのではなく、眠気を感じてから布団へ入ることが大切です。

眠れないことへの不安で脳が緊張する

「あと6時間しか寝られない」「明日の仕事に支障が出る」「また眠れなかったらどうしよう」と考えると、身体が緊張状態になります。

緊張すると交感神経が活発になり、心拍数が上がったり、呼吸が浅くなったりして、さらに眠りにくくなります。

厚生労働省の睡眠情報でも、眠れないことへの不安や焦りが強くなると、寝床へ向かうだけで緊張する「不眠恐怖」の悪循環が生まれるとされています。眠れないまま無理に寝床へ居続けることは、不眠を悪化させる場合があります。

眠ろうと努力するほど目が冴える場合は、「今すぐ眠らなくてもよい」と考え、眠気が自然に戻るのを待ちましょう。

寝る前のスマートフォンが眠気を遅らせる

スマートフォンやタブレットを寝床へ持ち込み、SNS、動画、ニュースなどを見続けると、眠気が弱くなることがあります。

画面の光だけでなく、短い動画やメッセージなどの情報によって脳が刺激されるためです。

厚生労働省の睡眠情報では、就寝前に強い光を浴びると、睡眠を促すメラトニンの分泌が遅れ、眠りにつきにくくなるとされています。寝室にはスマートフォンやタブレットを持ち込まないことが推奨されています。

ベッドへ入ってからスマートフォンを見る習慣がある人は、寝る30~60分前を目安に使用を終えましょう。

アラームとして使っている場合は、手を伸ばしても届かない場所へ置くか、目覚まし時計へ切り替える方法があります。

時計を何度も確認すると焦りが強くなる

眠れないときに時計を見ると、「もう午前1時だ」「あと5時間しか眠れない」と考えてしまいます。

時間を確認するたびに焦りが強くなり、脳がさらに覚醒しやすくなります。

夜中に時間を確認する習慣がある場合は、時計の文字盤を寝床から見えない方向へ向けましょう。

スマートフォンで時間を見ると、そのまま通知やSNSを確認するきっかけになるため注意が必要です。

夕方以降のカフェインが残っている

カフェインは、コーヒーだけでなく、緑茶、紅茶、エナジードリンク、コーラ、チョコレート、眠気防止薬などにも含まれています。

夕方に飲んだコーヒーの影響が、就寝時刻まで残る人もいます。

カフェインに敏感な人では、昼過ぎに摂った場合でも、寝つきが悪くなったり、眠りが浅くなったりする可能性があります。

厚生労働省の睡眠に関する情報でも、夕方以降のカフェイン摂取は睡眠の質を下げる要因とされています。

布団へ入ると目が冴える人は、まず1~2週間、午後2~3時以降のカフェインを控えて変化を確認してみましょう。

寝酒で眠りが浅くなっている

お酒を飲むと眠気が出るため、寝酒をしている人もいるでしょう。

アルコールには一時的に寝つきをよくする作用がありますが、数時間後に体内で分解されると、眠りが浅くなります。

夜中に何度も目が覚める、喉が渇く、トイレへ行きたくなる、寝汗をかくといった問題も起こりやすくなります。

また、飲酒は喉の筋肉を緩ませるため、いびきや睡眠時無呼吸を悪化させることがあります。

お酒を睡眠薬の代わりに使うのではなく、飲酒しない日を増やして睡眠の変化を確認しましょう。

寝る直前まで仕事や考え事をしている

寝る直前まで仕事のメールを確認したり、翌日の予定を整理したりすると、脳が仕事モードから切り替わりにくくなります。

布団へ入った後に心配事を考え始める人は、就寝前に紙へ書き出す方法があります。

次の日に行うこと、忘れたくないこと、気になっていることを紙へ書き、「続きは明日考える」と区切りをつけましょう。

寝床の中で問題を解決しようとすると、寝室が考え事をする場所として定着する可能性があります。

昼寝が長すぎる

日中に長く眠ると、夜までにたまるはずの眠気が弱くなります。

特に午後3時以降に1時間以上眠ると、夜の寝つきへ影響する可能性があります。

昼寝をする場合は、午後の早い時間に15~20分程度を目安にしましょう。

前日の睡眠不足を補おうとして休日に昼まで眠ることも、体内時計を遅らせる原因になります。

平日と休日で起きる時間が違いすぎる

平日は午前6時に起き、休日は午前11時まで眠るといった生活では、体内時計が大きくずれます。

日曜日に遅くまで眠ると、日曜の夜になっても眠くならず、月曜の朝がさらに苦しくなることがあります。

睡眠リズムを整えるためには、寝る時間よりも、毎朝起きる時間をそろえることが重要です。

休日も平日との差を1~2時間以内にし、起きたらカーテンを開けて朝の光を浴びましょう。

寝室の環境が合っていない

寝室が暑すぎる、寒すぎる、明るい、騒音があると、身体がリラックスできません。

夏はエアコンを無理に切らず、冷風が身体へ直接当たらないように調整します。

街灯や朝日が入りやすい場合は、遮光カーテンやアイマスクを使う方法があります。

音が気になる場合は、耳栓や一定の小さな環境音を利用すると眠りやすくなることがあります。

寝る前の入浴はいつがよい?

入浴によって一時的に体温が上がり、その後に身体の熱が下がることで眠気が現れやすくなります。

快眠を目指す場合は、就寝の1~2時間前に入浴を終える方法が取り入れやすいでしょう。

寝る直前に42℃以上の熱い湯船へ長く入ると、交感神経が刺激され、身体が熱いままになって寝つきにくくなることがあります。

38~40℃程度のお湯へ10~20分入り、入浴後は照明を落として静かに過ごしましょう。

眠れないときは一度布団から出る

布団へ入っても眠気がなく、考え事が増えてきた場合は、一度寝床を離れましょう。

厚生労働省の睡眠資料では、20分以上眠れない場合は寝床を出て、暗い場所でリラックスし、眠気を感じてから寝床へ戻る方法が案内されています。

別の部屋や椅子へ移動し、次のような刺激の少ない行動を選びます。

  • 紙の本を読む
  • 静かな音楽を小さな音で聴く
  • ゆっくり呼吸する
  • 軽いストレッチをする
  • 暗い部屋で静かに座る

仕事、ゲーム、SNS、動画視聴など、脳が興奮する行動は避けましょう。

眠気が戻ったら寝床へ戻り、再び眠れなければ同じ方法を繰り返します。

ゆっくり息を吐く呼吸法

眠れないことへの焦りが強い場合は、ゆっくり息を吐く呼吸法を試してみましょう。

鼻から4秒程度かけて息を吸い、口から6秒程度かけてゆっくり吐きます。

これを5~10回繰り返します。

秒数を正確に数える必要はありません。息を吸う時間よりも、吐く時間を少し長くすることがポイントです。

呼吸法だけで不眠症が治るわけではありませんが、身体の緊張や「早く眠らなければ」という焦りをやわらげる方法として取り入れられます。

寝る前の習慣を順序立てて見直す

一度にすべてを変えようとすると続きません。まずは次の順番で見直しましょう。

  1. 毎朝同じ時間に起きる
  2. 起床後に朝の光を浴びる
  3. 昼寝は午後3時までに20分以内にする
  4. 夕方以降のカフェインを控える
  5. 寝酒をやめる
  6. 寝る30~60分前にスマートフォンを置く
  7. 眠くなってから布団へ入る
  8. 眠れなければ一度寝床を出る

最初に取り組みたいのは、「毎朝同じ時間に起きる」「眠くなってから布団へ入る」「眠れないまま寝床へ居続けない」の3点です。

認知行動療法(CBT-I)という治療方法

生活習慣を見直しても不眠が続く場合は、CBT-I(不眠症に対する認知行動療法)が治療の選択肢になります。

CBT-Iでは、眠れないことに対する考え方や、寝床で長時間過ごす習慣を見直します。

寝床を眠るためだけに使う刺激制御法や、実際に眠れている時間に合わせて寝床で過ごす時間を調整する方法などを組み合わせます。

NHLBI(アメリカ国立心肺血液研究所)では、CBT-Iは通常6~8週間程度で行われ、長期的な不眠に対する第一選択の治療として推奨されています。

慢性的な不眠では、睡眠薬だけに頼るのではなく、寝床と睡眠の結びつきを整える治療が重要です。

布団に入ると目が冴えるときに使われる睡眠薬

生活習慣や睡眠環境を見直しても寝つけず、日中の仕事や生活に影響が出ている場合は、睡眠薬が検討されることがあります。

睡眠薬の種類 主な特徴 主な注意点
オレキシン受容体拮抗薬 脳の覚醒を促す働きを抑える 翌朝の眠気、悪夢、金縛りのような症状
メラトニン受容体作動薬 体内時計へ働きかけ、自然な眠気を促す 効果を感じるまで時間がかかる場合がある
ベンゾジアゼピン系・類似薬 脳の興奮を抑えて寝つきを助ける ふらつき、転倒、依存、翌朝の眠気

睡眠薬は、強い薬を選べばよいわけではありません。

寝つきが悪いのか、夜中に目覚めるのか、起床時刻は何時か、翌朝に運転するかなどを考えて選ぶ必要があります。

睡眠薬を個人輸入する場合の注意点

通院の時間を取りにくい、海外で流通している睡眠薬を比較したいという理由から、個人輸入代行サイトを利用する人もいます。

個人輸入では、国内では入手しにくい商品を自宅から注文できる点がメリットです。

一方で、眠くない時間に布団へ入る、寝床でスマートフォンを見る、寝酒をするといった習慣を変えないまま睡眠薬だけを使っても、不眠の原因が残ることがあります。

睡眠薬によって作用時間、翌朝への残り方、依存性、併用禁忌が異なります。

アルコール、抗不安薬、ほかの睡眠薬と併用すると、強い眠気、ふらつき、記憶障害、呼吸抑制などの危険が高まる可能性があります。

個人輸入を利用する場合も、有効成分、含有量、作用時間、用法・用量、併用禁忌を確認し、自己判断で増量や複数薬の併用をしないでください。

医療機関へ相談した方がよい目安

一時的に眠れない日があっても、日中に問題なく生活できていれば、過度に心配する必要はありません。

一方、次のような状態がある場合は、睡眠外来、精神科、心療内科、内科などへの相談を検討してください。

  • 布団へ入っても眠れない状態が長期間続く
  • 週に何度も寝つくまで30分以上かかる
  • 夜中に何度も目が覚める
  • 朝起きても疲れが取れない
  • 日中の眠気や集中力低下が強い
  • 仕事や運転へ支障が出ている
  • 大きないびきや無呼吸を指摘された
  • 脚のむずむず感で眠れない
  • 気分の落ち込みや強い不安が続く
  • 睡眠薬やお酒がないと眠れない

不眠の背景には、睡眠時無呼吸症候群、むずむず脚症候群、うつ病、甲状腺疾患、薬の副作用などが隠れている場合があります。

まとめ|眠くなってから布団へ入り、眠れなければ一度離れよう

布団に入ると目が冴える原因には、眠くない時間に寝床へ入る習慣、スマートフォン、カフェイン、寝酒、長い昼寝、心配事などがあります。

眠れない状態が続くと、「寝床に入ると緊張する」という悪循環が起こり、リビングでは眠かったのに寝室へ移動すると目が冴えることがあります。

まずは毎朝の起床時刻をそろえ、朝の光を浴び、夕方以降のカフェインや寝酒を控えましょう。

寝る30~60分前にはスマートフォンを置き、眠気を感じてから布団へ入ります。

布団へ入っても眠れず、考え事や焦りが増えてきた場合は、一度寝床を離れ、暗い場所で静かに過ごし、眠気が戻ってから横になりましょう。

「早く眠ろう」と無理をするのではなく、寝床を眠る場所として身体に覚え直させることが、改善への重要なポイントです。

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